第6話 相棒GETだぜ!!

「待て。」


 そう言って止められその声がした方を向いてみると、赤黒いローブを来た魔法士がたっていた。


 誰だ?と心の中で思っていたらすぐにその答えは帰ってきた。



「あ、バーンさんじゃないですか!もう依頼から帰ってきてたんですね!」


「ああ、これが今回の依頼の討伐部位だ。」


 そう言ってバーンと呼ばれた男は何も無い所からドラコンと思われる鱗を出した。



 ほぉ。バーンと言われたものはそこまでの実力者なのか。だが、忍は疑問に思った。ここまでの実力者が俺を引き留めたのか。




「あの、、なんであなたみたいな人が俺を止めたんですか?」


「あ、、ああ。そうだった。何故お前はそこまでの魔力を持ちながらそれを隠さない?自慢のつもりか?確かに凄い魔力を持っているが魔力操作も行えないなら魔法士としては三流だぞ。」


「しかも、そのせいでここに居て魔力感知を得意とする魔法士達は何人か気絶しているぞ。」


 そう言ってバーンは後ろを指さした。すると、そこには立ったまま気絶してる魔法士達が何人かいた。



「次会う時には魔力操作ぐらい覚えておけ。お前とはまたすぐ会う気がするしな。」


 そう言ってバーンは冒険者ギルドを出ていってしまった。


 何も言えなかった。知識で調べると魔法士が魔力操作を持っているのは当然の事だそうだ。あとは、去り際に微かに奴が出した殺気に怯えてしまったのだ。日本でも試合の中だけだか殺気を向けられることはあった。だがやつの殺気にはそれ以上の物だった。この世界には俺よりも強い奴がいるのだなと改めて知ったのだった。



 ―――――――――――――――――――




「気を落とさないでください。あの人は魔法士として誇りを持っているんです。だから魔力操作が出来なかったあなたに怒ったんだと思います。しかもあの人はそれなりに実力もありますので。」


「実力があると言うのは冒険者ランクで言うとどのくらいなのですか?」


「バーンさんは今Aランク冒険者ですよ。今Sランク昇格に1番近いと言われている冒険者です。」



 そう言われて納得した。あの殺気はそれなりの経験を積んでいたからだ。



 その後少し受付嬢に慰められてから冒険者ギルドを後にした。






「はぁー。確かに魔法士の格好してるのに魔力操作を覚えてないのはダメだな。覚えるか。」


 そう言って忍は久方振りに創造魔法クリエイトマジックを発動させた。









 シノブ=テンザキ Lv2


 種族 人族


 HP 2500


 魔力 21300


 素早さ680


 知力????


 幸運 100(固定)


 称号 創造神の加護


 スキル 創造魔法 ファイアボールLv2 ウォーターボールLv1 ウィンドカッターLv1 ウォールガードLv1 ホーリーランスLv1 ダークボールLv1 地獄炎ヘルファイアLv2 身体強化 アイテムボックスLv3 ホーリーレイ Lv1 ダークネビュラLv1


 鑑定眼 経験値倍化 成長力倍化 魔力操作(new) 魔力感知(new)




 よし。追加完了だ。さっきので知識あっても使いこなせないなら意味が無いと理解した。だから頼れる相棒を作れるとしよう。



 創造魔法クリエイトマジック 創造!こい俺の相棒!



 そう言うと急に頭に何か入ってきた。




『お呼びでしょうか、マスター』



 不意に頭から声がした。


「ん?頭にいるのか?」


『はい。私はあなたの頭脳ですので肉体は必要ありません。』



「そうか。わかった。だが体欲しくなったら言えよ?すぐに作るから。」



『お気遣いありがとうございます。時に聞きますが、マスターは馬鹿なのでしょうか?』



「は??」


『何故、ゴブリン相手に超級魔法を使うのですが?何故魔法士の格好をしているのにそれに必要な魔法を創造していないのですか?それと何故もっと早く私を顕現しなかったのですか!?』



 最後に関しては関係ないと思うな。


 だが、こいつの言うことは最もだ。



『はぁ、こうやって怒っても意味ないですので、これからは自動的にスキルを取れるよう設定しておきますのでしばらくは造らなくて結構ですよ。』


 ん??今なんかおかしなこと言わなかったか?


「魔法って勝手に取れるのか?」


『当たり前じゃないですか。魔法の他にも剣術、槍術、盾術、拳法など種類は様々です。それを一括りにして皆はこう呼びます。スキルと。そのスキルには2種類あります。魔法と同じで通常のスキルと、固有スキル。通常スキルは鍛錬をすれば誰でも獲得することは出来ます。ですが、固有スキルは生まれつき持っている人もいればなんらかの事で後天的に手に入るものがあります。あ、マスターにも固有スキルの才能があるので期待していてくださいね!』



 さらってと凄いことを言った気が聞かなかったことにしよう。


 てことは、俺は向うで修めた剣術などをこちらに持ってこれるのではないか!?


 そう思えば早速行動だ。忍は創造魔法で、剣術を獲得した






 シノブ=テンザキ Lv2


 種族 人族


 HP 2500


 魔力 22000


 素早さ680


 知力????


 幸運 100(固定)


 称号 創造神の加護


 スキル 創造魔法 ファイアボールLv2 ウォーターボールLv1 ウィンドカッターLv1 ウォールガードLv1 ホーリーランスLv1 ダークボールLv1 地獄炎ヘルファイアLv2 身体強化 アイテムボックスLv3 ホーリーレイ Lv1 ダークネビュラLv1


 鑑定眼 経験値倍化 成長力倍化 魔力操作 魔力感知 剣術Lv8




 おお!!今取ったばかりの剣術スキルがもうLv8だ!やはり向こうの経験はこちらに引き継がれるのか。




『あのぉ。1人で楽しまれるのもいいのですが、私がいることを忘れたないで頂きたいんですけど。。』


 おっと、すっかり忘れていた。しかし名前が無いのは不便だな。


「なぁ、お前って名前ないのか?ずっとお前って呼ぶのは俺が嫌なんだが。」


『私に名前なんてありません。なんせマスターに創り出されたものなんですから。なんなら、マスターが付けてくださいよ。生みの親なんですからふふ。』


「うーん。。なら、アドなんてどうだ?俺のアドバイザーをしてくれてる気がするから。」



『アド。ですか、マスターにしてはマシなネーミングですね。ふふ。これから私はアドです。よろしくお願いしますマスター』


 そう言ってアドはにっこりと笑った。




 かくして俺はアドバイザーことアドと言う新たなる相棒を手に入れるのであった。


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