第16話温泉旅行?新婚旅行?いいえ視察です・・・多分(中編)
イーズに着いた俺とジュリア、リジーの3人は、宿屋を探したが、それらしき物は無く、住民の人に聞いてみると、狂獣騒ぎの時にここへ街を移して、そのままらしい。何故戻らないのか聞くと、狂獣もしくは強い魔獣が温泉付近にたむろしているらしい。
これはまずい事になった。魔獣はともかく、狂獣だと、ジュリアとリジーだけでは持て余すかもしれない。俺は今魔法が使えない。事情があってね。
「ジュリア、リジー、事情があって今魔法が使えないんだ。狂獣だとやばいから、3獣士呼ぼうか?」
正直に話して、納得してもらえるか不安だったけど。
「これ以上増えると、新婚旅行じゃなくなります。出来ればこのままで・・・」納得してくれなかった。新婚旅行では無いんだけど笑笑
「ジュリアが危なくなって、俺が魔法を使うと、最悪この世界が消滅してしまうかもしれないんだ。」
「そんな!?」驚くよなぁ
「俺の魔力が、みんなと違うことは、知っているよね。今俺が魔力を使うと、こちらの魔力を打ち消してしまう可能性がある。魔力が無くなってしまうと・・・」
「生き物は死滅してしまいます。人族以外は。」
「使えないだけで、人族も影響は受けている。更には、この世界自体が魔力で出来ているんだ。神様のね。」
「神様は、魔力を使えないのでしょうか?」
「・・・その説明をすると、長くなるから、とりあえず、狂獣退治して、温泉街を復活させよう。」
これは、納得してないな
「分かりました。リジーと私でなんとかならないようなら、三獣士を呼びましょう。」
3人は魔獣を倒しつつ、温泉街へと向かう。
温泉街の中心に、狂獣は居た。デカい!
身長が15メートルはある。あたりの魔獣を喰って魔力を取り込んだみたいだ。
「ジュリア、撤退して応援を呼ぼう。」
「いえ、リジーと私でなんとかなると、思います。」
「本当か?君に危険が及ぶようなら、世界が無くなろうとも俺は魔力を使うからな。」
「それは、リジーや三獣士でも同じではありません?」む、読まれてる。
「じゃあ、ばあちゃん呼ぶから、その間だけ待ってくれ。回復役は必要だろう。」
その時ジュリアのネックレスが光り、声が聞こえて来た。
『呼んだかや?』ネックレスが、通信機になっているのか。
「ああ、狂獣の生き残りが居た。討伐するから、手伝って欲しい。」
「分かったぞい」俺の後ろで声がした、もう来たんかい、妖怪BBAめ!
「三獣士と、スタシア、親衛隊5人もこちらへ向かっておる。明日には、着くじゃろう。」手回し良いな、BBAめ。
じゃあ、サクッとやっつけますか。
「ジュリア、何度でも言うけど、絶対に無理するなよ!」と、言いつつ、紅い宝石の付いた指輪をジュリアの左手の薬指にはめてやる。
「本当は結婚式で渡したかったんだけどな。」
「これは?」目が、キラキラしてるぞ。
「ステータスを、5倍に跳ね上げる指輪だ。もしもの時のために作ったんだけど、俺が側にいて、護るから、婚約指輪で良いかと思っていたのに、今、それが出来ないから。」
「ありがとうございます。使い方は?」
うーん、目が脳筋になってるぞー。
「魔力を流すだけだけど、逃走用だから、1分くらいしか持たない。」
「十分です。ブッ倒して来ます。」
完全に無敵脳筋モードに入ってるな。あー怖わ。
「リジーとの、連係忘れるなよ。」
「はい、では、行ってきまーす♪」
ピクニックにでも行くような感じで出て行った。心配だなぁ。
「『成敗』行きます。その後よろしく。」リジーも気合い入ってますね。貴女達怖すぎ。
長剣を立て、短剣を横にしてそこから光属性のエネルギーをぶつける。ス・・・・ム光線だよなぁ。俺しか解らないけど。
胸にぶち当たったけど致命傷ではない。ウ・・ト・マ・さん、ごめんなさい。
動きの止まった狂獣に、ジュリアが突っ込む。速い!
「うりゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
雄叫びと共に両手両足と頭に赤い球ができた。
狂獣は胴体だけ残して、爆散した。終わりか。
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