第15話 温泉旅行?新婚旅行?いいえ、視察です。多分・・(前編)

朝ごはんを食べる。今日はご飯と、シャケと、味噌汁、漬け物、って和食かーい!つか、これ、シャケ定食だろ。

「よく、和食なんて作れたな。」

「はい!頑張りました!魔法でも作れるのですが、手作りの方が喜んで頂けると思いまして。」

「ジュリアが作ったのかこれ?」

料理が出来るなんて思わなかったよ、失礼しました。

「女王と言っても、一通りなんでも出来るようになる慣わしなんです。異世界では、1人ですから。」

「なるほど、でも、ジュリアは料理上手だな、すごい美味しいよ、これ」

俺が褒めると部屋が3倍くらい明るくなった様に喜ぶジュリア。かわいいね。

「えへへ、ありがとうございます。お口に合うか不安だったんですけど。」

「いやいや、もう、プロの味と言って良いんじゃないかな。」

「褒め過ぎですよー」照れるジュリアがまた可愛い。

「これなら、いつでも嫁に行けるね。」

真っ赤になるジュリア。

「ホントですか?結婚式はいつにします!?ヒロト様さえ良ければ、私は明日でもOKですけど。」

いや、待て待て

「どうしてそうなる?だいたい、見た目は若いが中身はオッサンだぞ。」

「関係ありません。私の命は、ヒロト様に拾っていただいた時から、ヒロト様のものです。」

いかん、恋する乙女の目だ!

まぁせっかく、異世界へ来て、人生のやり直しみたいなことしてるんだし、慕ってくれる女と一緒になりなって、母ちゃんも言ってたしな。

でも、明日は早いだろ。

「わかった。結婚しよう。でもその前にしなければいけない事があるから、それが終わってからな」

あーもう夢の世界に行っちゃったな。

妄想に耽っているジュリアは、俺の言う事なんて聞いちゃいない。

「あー、とりあえず明日から、温泉旅行に行って、そこで色々話し合おうか。」

「新婚旅行ですね!」舞い上がってるな!

「いや、領地の視察だ。」話聞けよ。

人魔族の領土に、イーズの街という所があって、其処は、温泉が沸いている。火山が近いこともあり、良質な硫黄泉が沢山ある。温度は、75℃くらいあるので、近くにある湖から水を引いて40℃くらいに落としている。phも源泉では12あったが、加水で9に落ち、単純硫黄泉の弱アルカリ泉になっていた。

いわゆる、美人の湯と言うやつだ。

「イーズに行って、観光地化出来ないか視察する。」

「2人っきりですか?」

「護衛として、リジーを連れて行く。」

「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」

頭が湯豆腐な奴はほっといて、イーズの視察に出発するとしよう。

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