第13話 狂獣対策会議?

お風呂に入ってさっぱりした所で、これから、狂獣に、どう対応していくか、話し合う事になった。

あの、自然に出来るはずのない魔石。あれだけの狂獣を生み出して、魔人まで、どうして魔力が尽きないのか?森の真ん中なのに、広い岩場があるのはなぜか?

ティーゲルによれば、魔の森にふさわしい、緑濃い場所だったそうな。

数ヶ月前に星が降った。見に行ったが、何もなかったそうだ。

それから数日おきに星が降り,暫くしたら、狂獣が出だした。星が降るたびに、数が増え、手に負えなくなった。近づけなくなったので、魔人が生まれたのを知らなかった。岩などない、綺麗なところだったのに。

「俺と、ばーちゃん、(いや、公式の場だった。)フローリア(笑笑)様とで話し合ったんだけど、何者かが、あそこに衝撃を与えると、高熱で燃え上がる魔方陣を書いて、そこに魔石をいくつか放り込む、魔石は高熱を加えると、溶けて固まる性質があるみたいだ。あとは、定期的に魔石を放り込んでやればいい。」

「ヒロト殿の言う事だ、本当だろうが、にわかには信じられん。」

「ティーゲルの言う事はもっともだ。」

「父上も見たでしょう、山のようにいた敵を一瞬で葬り去ったのを、あんなすごい魔法を自分で作り出しちゃう方なんですよ!」と、トラが言う。

「そうです!ヒロト様は、素晴らしい方です。嘘なんて言いません!」

ジュリア、話がそれてるぞ。

「わしは、ヒロト様が、嘘をついてるなどと言ってはおらん。理由がわからんと言っているのだ。」まだ言ってませんから。

「ヒロト様、あの魔法は何という名前ですか?」トラめ、無視しやがった。

「わたくし、考えたのですが、『ヘル、プリズン地獄の檻』と、言うのはどうでしょう?」ジュリア、乗るんじゃない。

「僕は、『天国から地獄』というのを、考えていたのですけど。」

「それも良いわね。ヒロト様は、どっちが良いと・・」

「親衛隊、二人を別室へ。」退場しろ!

親衛隊に引きずられて、二人は出て行った。

「ティーゲル、すまない」二人の脱線を謝る。

「いいえ、こちらこそ、息子がバカですいません。私が言いたかったのはそんなことして、何になるのか。と、言う事なのです。」

「解っている。こちらもそれを言おうとしていたんだ。」

「誰が、何のために、あんなことをしたのでしょう?自分にも被害が及ぶかもしれないのに。」

「自分に被害が及ばない者が、蹂躙された地を、支配するため、だろうな。」

「荒れた地など、手に入れても仕方がないように思いますが。」

「生産活動や、食料を必要としなければ、十分利用価値があるさ。例えば城を作り、一族をそこへ、住まわせる。とかな。」

「そのためには、食料が必要なのでは?」

「それは、周りから徴収するさ。その為の脅しも兼ねてる。」

「なるほど、そこまではわかりませんでした。流石、ヒロト殿ですな。」

「それと・・」

突然、大声が聞こえて、会話が中断された。

「私がつけた名前のほうがいいに決まっているでしょう!」

「いいえ、『天国と地獄』のほうがかっこいいに決まっています。」

どうやら、どっちの名前がふさわしいかで盛り上がっているみたいだ。

会議に全く関係ないし

「ばあちゃん、二人をす巻きにして、倉庫にでも放り込んでおいて。頭を冷やせって。」

「わかった。任せておけ。」ばあちゃんは、二人に緊縛魔法をかけて、頭以外をぐるぐる巻きにして、騎士が3人がかりで引きずっていった。まったく、あれでも王か!トラもトラだ。なにやってんだか。

自分の興味以外は、どうでもいいってのは猫の特徴だけど。

気が抜けてしまったので、続きは明日にしよう、ということで解散になった。

ああ、疲れた。

因みに、あの技の名前は『一網打尽』にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る