第7話狂獣あらわる!

「ヒロト様!あれは、狂獣です!ゴールデンベアが、魔力を取り込みすぎて、凶暴になったやつです。」トラが、説明してくれた。

「分かった。宰相四銃士、お前たちの力を見せてもらうぞ!」

「は!」

「よし、まず、トリ、お前はあとどれぐらいであいつがここに来るかを見て来い。トラ、付いて行け。危ないと思ったら、戻って来い。決して無理はするな!」

「はい!」二人は走って(飛んで)行った。

「クマ、イノ、お前たちは周囲にいる、小動物たちを、この結界の中へつれてこい!再度いうが、決して無理はするな!危ないと思ったら戻ってこい。いいな!」

「はい!」二人も勇んで走っていった。必要とされる喜びに満ち溢れていた。

「ジュリア!」

「はい!」

「俺が、結界の前で奴の足を止めるから、あなたは、」

「あなたなど、よそよそしい。私も、お前で結構です。後、敬語もいりません。」

「わかったすまん!お前は、奴を瞬殺してくれ。出ないと、被害が大きくなる。」

「生かしてやりたいが、もう無理だろうな。」

「ヒロト様・・・」

トリが戻ってきた。

「ヒロト様!あと300mほどです。」

「分かった、お前たちも、クマと、イノを手伝って、できるだけ俺たちの後ろへ誘導しろ。何度も言うが、決して無理はするなよ。俺が、泣くからな。」

「はい!」トリと、トラも、勇んで走っていった。

と、言ってる間にも、狂獣は近づいてくる。まるで俺たちを狙ってるみたいだ。

「ジュリア、いくぞ!」100mまで近づいたときに声をかける。

「はい!あなた!」ジュリアも、勇んで走っていった。

『10tダンプ、過積載、100Km/h』そう叫ぶと、パンチに魔力を載せて、狂獣に、打ち出した。

ジュリアを越え、狂獣に衝撃波がぶち当たり、足が止まる。同時に、ジュリアが飛び上がり、掛け声とともに、剣をふるう。

『千刃乱舞!』

無数の剣が、狂獣を包み込み、切り刻む。全身から血を吹き出し、赤い霧のようになる。それが収まった時、狂獣は倒れた。瞬殺だ。

五人が戻ってきて俺を囲む。ジュリアは返り血で真っ赤だ。体が震えている。ダンプを見て、向こうの世界でのことを思い出したんだろう。

ジュリアを抱きしめる。

「つらい思いをさせた、申し訳ない。」服で、顔に付いた血を拭いてやる。

「いいえ、いいえ、貴方の力になれたことがうれしいのです。あなたの命を奪った魔物が大勢の命を守るために使われる、それがうれしいのです。」

「ありがとう、君に、そういわれるのが一番うれしいよ。君が今ここにいてくれてよかった。」ジュリアが微笑みつつ、抱き着いてくる。

「私は、貴方と共にいると誓いました。あなたに寄り添うと誓いました。これからもそれは変わりません。」

「僕も、これからも君を助けるために君のそばにいることを誓うよ。それに、あの技は、すごいね。」

「あれは、子供のころに、リジーに勝てなくて、悔しさで、振り回してできたのです。」

「じゃあ、一番の功労者は、リジーというわけか。ほら、功労者の登場だ。」

リジーとスタシアが、銀騎士団を引き連れてやってくる。

「四銃士、お前たちも、よくやってくれた。宰相四銃士にふさわしい働きだったぞ。」

「ありがとうございます!!これからもがんばります。」

「たのもしいな、よろしく頼む。迎えが来たことだし、そろそろ帰ろうか。」

「でも、まだ今日は終わってませんわ。」

「あの、狂獣は、なにかがおかしい。かえって調査隊を結成しないと。それに、またあんな風に邪魔されたくないだろ。」

「残念ですわ」ちょっと、不満なようだ。リジーに八つ当たりされないように伝えておこう。

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