第6話獣王次男の会(なんじゃそりゃ)
現れたのは、虎やら、熊やら、猪やら、ファンタジーでおなじみの魔獣だった。結界は、普段と違い、反射を張ってないので、バンバンたたいたり、体当たりをかましてる。
切れて出ようとするジュリアを押しとどめ、奴らの前へ出る。
リーダーらしい、虎の前に行くと、右手を挙げて
「やあ!何か用かい?今お昼食べてるところなんだけど。」にこにこしながら、手を肩の高さまでおろすと、立ち上がってた虎の頭が下がってきて、伏せの状態まで下がる。
「せっかくの団欒を邪魔されて怒ってるんだよ、俺は。」手を虎の頭にのせると、震えているのがよくわかる。
「おとなしくしているなら、一緒に昼ご飯を食べようじゃないか、どうだい?しゃべれるんだろ?」
「お助けいただけるんで?二度と悪さいたしませんので、命ばかりは」虎の言葉に、熊も猪も頭を下げる。
「ジュリア、彼らにお弁当分けてやって」
しぶしぶ弁当を渡すジュリアに、トラたちがお礼を言いつつ受け取る。
「どうしてあれてたんだい?」
「俺たちはいずれも次男、三男でして、力以外に取り柄がないものですから、一族でも厄介者扱いでして、面白くないから暴れる、それでまた嫌われる。の、繰り返しで、今日も、旦那たちが仲良くしているのを見たら、何が何だか分からなくなって、どうもすいません。」
「そうか、君たちは、行き場をなくしちゃったんだね。」
「私たちそんなに、仲良く見えた?」ジュリアさん、そこが重要なんだ?
ジュリアに背中をたたかれ、苦しそうなクマ、横にいなくてよかった。
「もう一人仲間がいるんです。鳳凰族の三男で、ジローってやつなんですけど。」
三男なのにジロー、おかしくない?
「俺たち獣人族は男女の区別がないので、三番目に生まれた子で、男なんで、三男なんです。」なるほどな、合理的だ。
とか言ってると、結界に何かがぶつかる音がして、見てみると一羽の鳥がくちばしを突き刺してもがいてる。
「みんな待ってろ!俺が今助けてやるからな!なんだこれ、固いのか柔らかいのかわかりゃしねえ。」どうやら嘴が抜けなくなったけど、足を踏ん張ることができないので苦労しているみたいだ。首をつかんで、結界の中に入れてやるとじたばたしだした。
「俺が代わりにつかまるから、あいつらのことは助けてやってくれ!おれはどうなってもいいから!」
「そうか、丸焼きがうまそうだな。」
「おう、すぱっとやってくんな!」江戸っ子かい!
虎が、ジローをつかんで、頭をこつんとやった。
「まったく早とちりな野郎め、旦那がやる気なら、とっくに首ちょんぱだぜ。」
何それ、怖い。出来るけど。やらないよ。
「ヒロト様は、優しい方よ、あなたたちの命を取るようなことはしないわ。」
「奥方様でしたか。失礼いたしました。」
「まあ!奥方だなんてまだ早いわ。」肩をたたかれうずくまる虎 骨が折れたかな?南無う。ついつい拝んでしまった。
落ち着いたところで、四人(匹?)は俺たちの前に伏せをして、服従の姿勢を見せる。ただ一人無事な猪が、しゃべる。
「俺たち、(6話タイトル)は、ヒロト様に忠誠をお誓いし、生涯、手足となって、お仕えいたします。どうか、よろしくお願い申し上げます。」
さすが王族だな。礼儀正しいね。
「うむ、では、これから(6話タイトル)改め、リンデンブルク四銃士と名乗り私の直属部隊として活躍してもらう。いいな?」
「はい!」
「王よよろしいかな?」
「もちろんです。そなたたち、宰相直属部隊として、この国の発展のために力を貸してください。」
「この命に代えてお誓い申し上げます!!!!」仲いいな、息ぴったりだ。
「じゃあ、今日は帰ろうか。」と、言ったところでバキバキと、木が倒れる音がして巨大なクマが現れた。
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