第17話
「はいはい、そうだな。チビは今まで通り平和を愛する一般市民だな。悪の秘密結社とか似合わない普通のな」
びっくりした……。
まさかメガネの口から悪の秘密結社なんて言葉が出るとは思わなかった。知り合ってまだ一ヶ月とはいえ、彼は妄想癖はあれどそういった中二病的なものを敬遠しているような……、いわゆる高二病にかかっていると思っていたからだ。まだ僕たちは高一だけども。
子どもじゃないんだから、と適当を言ってみたけど僕が内心慌てていたことがバレていないと良いな……。
それにしても、チビの反応がとても気になる。
確かに変な奴だけどあそこまでオーバーリアクションを取るだろうか? あそこまで行くとわざとやっているとしか思えないんだけど。そうなると彼がわざとあんなリアクションを取る理由があるのだろうか……。
隣のメガネはどこか納得して、いた上で理解は出来ないと言った顔をしていたからもしかして昨日僕が帰ったあとに何か二人の間であったのかもしれない。
帰ったあと、と言えば……。
昨日の二人も可愛かったなぁ……。抱きつくのを我慢出来たのは奇跡でしかないと思う。
素晴らしいのがミラクルの攻撃方法が近接魔法、を通り越してもはやただの物理技が多いという点だよね。僕たちの親世代が子どもの頃の魔法少女アニメみたいに魔法と言う名の何かを使ってくれる魔法少女なんてそれだけでテンションが上がってしまうというもの。
だってそうじゃない? 可愛い子がとっても強いんだよ! 僕自身は見た目通り運動に自信がないこともあるからか、可愛い子も好きだけど、強い女性にも憧れがある。だからこそ、ミラクルのように可愛くて強い女の子は本当に大好きなんだ。
……、分かっているよ。自分がどれだけ気持ち悪いかぐらい。思うだけならともかく、魔法少女になってそんな子に抱きついているんだからね。
だからこそ秘密にしないといけないし、だからこそ僕が出来る範囲で二人を守らないといけない。
最初こそサポート魔法しか出来ないのは外れかと思ってしまったけれど、僕の魔法で二人が守れるというなら全力で守ってみせる。それが世界を守ることにも繋がるしね!!
※※※
「はいはい、そうだな。チビは今まで通り平和を愛する一般市民だな。悪の秘密結社とか似合わない普通のな」
驚いた……。
まさかメガネの口から悪の秘密結社なんて言葉が出るとは思わなかった。知り合ってまだ一ヶ月とはいえ、あいつは妄想癖はあってもそういった中二病的なものを馬鹿にしているような……、つまりは高二病にかかっていると思っていたからだ。まだオレたちは高一だけどな。
思わず誤魔化そうとして失敗してしまったけれど大丈夫だっただろうか。変な奴だな、程度に思ってくれていたら良いんだけど。あの秘密がバレることだけはなんとしても避けなければいけない。
うぅ、後頭部が痛い……。
くそ、余裕ぶるつもりで椅子を斜めにしてカッコつけようとするんじゃなかった……。
それにしても昨日は参った。
普段の帰り道なら適当なこと言えるんだが、掃除中とかに呼び出しをくらったら一緒に居たメガネをどうにかするのが難しいじゃねえか。もうちょっとこっちの都合も考えて欲しいもんだよ。
いくらそれが世界のためとはいえ、オレにはオレの世界があるんだ。今回はオレが変人でしかもおなかが弱いというレッテルでなんとかなったものの……。
あと、夜が遅くなるのも勘弁して欲しい。寝れば良いのは分かっているんだが、日々訓練しておかないとオレの能力は細かい操作を必要とするからな。咄嗟の時に慌ててミスりました。とか洒落になりゃしない。
だってのにそれで遅刻すればオレが怒られるんだ。まったくもって溜まったもんじゃねえっての!
※※※
「「はぁ……」」
「どうしたんだよ、二人とも溜息なんかついて」
「「別に」」
メガネ(こいつ)は気楽そうで良いよね(な)……。
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