第15話
「株式会社トッテモワルインデスは銀河征服を企んでいて、その足がかりとして地球の日本を牛耳ろうとして居るんだぽよ」
「ピンポイントにもほどがあるだろ」
「四季があって美しいし治安が良いから住みやすいらしいぽよ」
「悪の組織が治安求めるなよ」
「自転車のかごに買い物かご入れておいても盗まれないのが最高らしいぽよ」
「妙に詳しくねえか?」
こいつこそ株式会社トッテモワルインデスのメンバーなんじゃねぇだろうな。クソみたいな性格しているしあり得るぞ。
「メル友なだけぽよ」
「ああ、そういうことちょっと待てや」
「またぽよぉ?」
「敵の本拠地とか情報とか掴めてないんだよな?」
「そうぽよ」
「メル友なんだよな?」
「そうぽよ?」
「掴めてんじゃねえか!!」
これ以上にないほどに掴めてますけど!? 何だったらそこから探知するとか何とかで場所も割り出せたりするんじゃねえのか!?
「やれやれ、そんなことぽよか」
どうしてこいつはここでやれやれと言い出せるのだろうか。その台詞はこっち側しか言ってはいけないと思うんだが。
「プライベートと仕事は別ぽよよ?」
決定。殺そう。
「世界の平和がかかっているときにプライベートも何もねえだろうが!」
「そういう考えが世の中のブラック企業を助長させていくぽよ。知っているぽよか? 真のブラック企業は自分たちのやっていることが何も悪くないと信じ切っているぽよよ。それが会社のため、社会のため、なにより社員のためだと平気で言い腐っていやがるんだぽよ」
「もう良い! 上司だせ上司!!」
「うちのクレーマーに対する対応は断固とした拒否だぽよ。そんな要求を飲めないぽよな」
「クレームじゃねえ!! 正式な抗議だ!!」
「クレーマーはみんなそういうぽよ」
くっそ……! こうなったら今度二人がいる場で言ってやる! いくらこいつでも本当の美少女たちの前でそんなことは言えないはず……ッ!
「そんなことしたら君の秘密をうっかり言ってしまうかもしれないぽよ」
「てめぇ……ッ!!」
「あと、本当にメル友ってだけで詳しい情報は掴めていないぽよ。向こうも腐っても株式会社。セキュリティはばっちりぽよ」
そこはせめて、腐っても悪の秘密結社と言ってほしいところだ。なんだよ。腐っても株式会社って……。世の中の株式会社に謝れ。
「こっちの情報は抜かれているのに不公平ぽよ」
「駄目じゃねえか!?」
「やっぱりしっかりとした会社設立をしていないのが遅れを取っている要因だと思うんだぽよ」
「お前の危機管理の低さが原因だよ! どう考えてもなッ!!」
「僕はパスワードを誕生日にするようなヘマはしていないぽよ!」
「どんだけ低レベルな次元でモノ言ってんだてめぇ!!」
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