最期

白も映えない深夜、ハクトウワシはベッドの元のマイルカの顔に目を据える。

マイルカは右手の人差し指をだけを伸ばして眠っている。

私は遅かった。この翼でも。

私はそっと唇を目線の先へと近付けた。

涙が零れる。

あと10センチ。


「ダメだよ」


唇に伸ばしていた指を当てる。

わたしはイタズラに笑った。

そしてわたしの方から奪った。

それが最期でよかった。

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