第57話 機械島アミュライト その2
「リリー、そういえば他の案山子さんってどこかに行けば会えたりするのかな?」
「ん?他の案山子さん……あ、2号さんとか3号さんって言うんだけど、グランツさんの畑にいるよ?あとは……ルミエルさんかなー」
「ルミエル、キットクリスタルノコトキイテスグニクルヨ?」
「だよねー……なんでもっと早く知らせないんだって怒りそうだげと」
「……ウン」
「「「「「「ルミエルって誰?」」」」」」
あれ、みんなにルミエルさんのこと話してなかったけ?
「えっと、案山子さんを作ったエルフの魔道具職人兼錬金術師の合法しょた?」
「え、エルフだって!」
「それにしてもキャラ濃くね?」
「ちょっと情報量多いかも?」
「やっぱりエルフっているんだなー」
「プレイヤー以外ではエルフは見たことないし、噂しかないからなー」
「噂ってあれだよね?変わった錬金術師のエルフがいるって……ん?」
「魔道具職人兼錬金術師……?」
「あ、その人だよー!それルミエルさんのことだよー」
「ウン。ルミエル、ユウメイジン……デモシンシュツキボツ」
シンシュツキボツ?……あー、神出鬼没かー!
「はっ?」
「まじか」
「さすが、リリー……持ってるね」
「はぁー、エルフ……ショタ萌……」
あ、タミルってそんな感じなんだ……ものすっごい目がキラキラしてるよ……ルミエルさんからしたらみんな赤ちゃん同然なんだけどねー……ショタ扱いしたらめっちゃ怒られそう。
「ま、多分そのうちクリスタル目当てにやってくるだろうし……みんなもどこかで会えるんじゃないかなー」
「ルティ……クリスタル貢いだら仲良くしてくれるかな?」
「……やってみれば?」
「うん!」
あ、うん……タミルがそれでいいなら……うん、ルミエルさんが来たら連絡すればいいのね?りょーかい。
「そうだ、クランメンバーからもクリスタル預かってきたから結構な量になったぞ」
「そうなの?」
「うん、いざとなればポイント交換のとこで買えばいいし」
「あ、そっかー!その手があったねー」
わたしもギルドから引き出せばクリスタルいっぱい買えるんだった。
「そうだ!いらなかったら初心者装備売ってほしいんだけど?」
「え、そんなのもう売っちゃったよ……」
「オレも無いなー」
「てか、そこまで初心者装備欲しがるプレイヤー初めて見たわ」
「「うん、リリーだからね」」
「「だね、リリーだもんね」」
あ、販売所とかで売ってるのかもって思ってたんだっけ……早速チェックしてみるけど、やっぱり出てこないなー。ちぇー……
「まあ、みんな捨て値でNPCの武器屋に売ってるか武器は溶かして再利用してるかだろうね……服はインナーとして使ってるプレイヤーもいるかもだけど」
「だね~」
「ま、溶かすのも耐久のせいで面倒らしいからどこかに放置してる可能性もあるけど……」
なんてこった……もったいないことを!放置してるならわたしにくださいなー。
ちなみに転移陣へ向かう間もこの会話もずっと背負子に乗ってたからね……うん、誰も気にしなくなっちゃったんだよね……ぐすん。
「じゃ、早速行くかー」
「はーい」
転移陣に乗り周囲が光に包まれた。うん、背負われたままでも転移って出来るんだね……新たな発見ですね。
「よかった。無事に転移できたね!」
「ああ」
以前と変わらない位置にマシンナリーさんは居た。
「マシンナリーさーん!」
「オマタセ!クリスタルモッテキタヨ!」
「ガガ……助カル」
マシンナリーさんの希望により、至誠のクリスタルを2つと叡智のクリスタルをひとつコアにはめ込んだ。アリッサが……うん、わたしまだ下ろしてもらえないんです、ぐすん。
「ガガ……助カッタ……有難ウ」
ピコン!
〈特殊クエスト:マシンナリーの願いが達成されました〉
「ん?クエストなんて受けたっけ?」
「あー、クリスタルを探してほしいって言われた時の返事で承諾したと判断されたんじゃないかな?」
「そっかー」
「てか、ウィンドウ上に出てるけど」
「まじ?」
「うん」
確認してみると……
*****
特殊クエスト: マシンナリーの願い
内容:抜き取られてしまった至誠のクリスタルの代わりを見つけて生命のコアにはめこむ
期限:なし
*****
「たしかにあった……」
「ガガ……モウヒトツ、頼ミヲ聞イテクレナイカ?」
「なんですか?」
「ガガ……他ノ仲間ヲ探ス手伝イヲシテホシイ」
「わたしはいいけど……」
みんなは……
「わたしもいいよ!」
「ああ、オレたちも構わない」
「ってか、この機会を逃すわけないでしょー」
ピコン!
〈クエスト:マシンナリーの願い2が開始されました〉
「ん?」
「どうやら連続クエストみたいだね」
「連続クエスト?」
「クエストをクリアしたらそのあとに新たなクエストが続くんだよ」
「へー」
「連続クエストは面倒なこともあるけど報酬がよかったり、称号がもらえたりするのよ」
「ほー」
ただ、マシンナリーさんはひざから下が壊れてしまっているみたいで歩けなかったので案山子さんの背負子に乗ることに……やった、久しぶりの地面だっ!
マシンナリーさん曰く壁にある模様を順番通りになぞることで扉が開く仕組みらしい。
「ガガ……封鎖サレタトハイエ、動クコトサエデキレバ解除可能ダ」
「ボク二マカセテ!イウトオリニウゴクカラ!」
しばらく壁と格闘する案山子さんとマシンナリーさんだったけど、マシンナリーさんが壁の模様をなぞっていくと段々と模様が光っていき最終的にはものすごく精巧な模様が浮かび上がった。
「きれい……」
「だね~」
「ガガ……ココカラハ過激派ニ操ラレテイルノモノモ多イハズ。気ヲツケロ」
「「「「わかった」」」」
「「「りょーかい!」」」
「ボクニマカセテッ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます