第41話 衝撃の事実!
わー、なんだかこの子茉由ちゃんが言ってた姿にそっくりだな……ん?もしかして茉由ちゃん?いや別人かなー?似てるけどアニメちっくだからなあ……判断が難しいよー。
うーん……待ち合わせは来週だし、茉由ちゃんは次のステージに行くために頑張ってるはずだからはじまりの街にいるはずないよね。やっぱり別の人かー。
「ちょっ、リリー……なんでここにいるのかな?」
「えっ、なんでわたしの名前知ってるのっ?」
「リリー、ダイジョウブ?」
「「……は?案山子って喋るわけ?」」
あらー……やっぱり案山子さんが珍しくて寄ってきた人かー。プレイヤーっぽいし、あわよくば知り合いになれたらいいなー。
「……って、そうじゃなくて!」
「おう、そうだった」
「……ん?」
「いや、リリー!わたしだから!ベルだってば!いい加減気づいてよー」
やっぱり茉由ちゃんだっ!わーい!
「リリー、ドウシタノ?」
「案山子さん!知り合いだから大丈夫だよ!」
「ソウ、ヨカッタ!」
嬉しさのあまり抱きつこうとしたらハラスメントブロックに阻まれてしまった……がーん。
「はぁ……リリー、こっちは兄貴ね」
「おおー!しゅーへ……」
「シュウだから……こっちではそれでよろしく」
「あ、そうだった。案山子さん、こっちは友達のベルとシュウだよ!で、こちらは案山子さんです」
「ヨロシクネ!ボクハカカシイチゴウダヨ」
「「あ、はい。よろしく?」」
なんでそんな呆れた顔を向けるんでしょうか?
「まぁ……案山子さんの事は後でじっくりね」
「ん?」
「ねぇ、リリーってはじまりの街にいるんじゃなかったの?」
「え、いるじゃん」
「「は?」」
あ、そっくり……ベルは白っぽいローブの下にシャツとショートパンツで足元はショートブーツ。手には杖らしきものをもってて、シュウは180センチを超える長身に高そうな剣と鎧って姿なんだけど、びっくりした顔は兄妹だけあって似てるんだよねー。
「リリーちゃん、ここはどこかな?」
「もちろんはじまりの街だけど……」
「「はぁ……」」
「リリー、よく聞いて。ここははじまりの街じゃないから!」
「……えー、またまたー」
騙そうとしたって無駄だぞ!わたしはまだ街を移動してないんだからここははじまりの街のはずだー!ペタペタ……うん、なんかハラスメントブロックってふしぎだねー
「うん、ここは第3の街サーディアスだよ。あと、それあんまり続けると警告出るから気をつけて……」
「……え?あっ、そうなんだ。でもプレイヤーのひと見たことないよ?」
ていうか、第3の街ってどういうこと?うーん……ナビさんの言ってたやつかなー。思いもよらない事実だったけど……ま、いっか。そのおかげでグランツさんやバーバラさん、案山子さんに出会えたんだし。
あれ、もしかしてプレイヤーとすれ違ってたけど気付いてないだけとか言わないよね?がーん……
「だから、みんなほとんどが北の山脈にこもってたり西の森の奥を捜索してたのよ!あとは第2の街へつながる東の街道護衛したり、南にいるボスを倒したり……あとは工房とかにこもりっきりのプレイヤーもいるかしらね」
「うん、そうだね……うちのクランメンバーにもいるよ」
「へー」
「そしてわたしはひと月近く第3の街で立ち往生でしたけど何か?ようやく次のステージへ行けるって街の外へ向かってたら、リリーってば聞いていた通りの格好してるし、そばには案山子がいるからまさかなーって思ったら……本人だったし」
「そっかー……うん、なんかごめん」
ここは華麗にスルーしなくてはっ!あとが怖いからとりあえず謝ってみた。若干冷たい視線をいただいたけどそれだけで済んだっぽい。よかったー!
「まあ、俺はベルと違って次のステージへも到着できたし、他にもいろいろとウロウロして検証してたけどな!」
「ふ、ふーん……」
あ、シュウは地雷踏んだっぽいな……しーらない。きっとあとで痛い目を見ることでしょう……うん、頑張ってね。骨は拾っ……てあげないけど。だってそんなことしたら二の舞になりかねないし。
「はぁ、とりあえずフレンド申請しよっか?」
「うん、そうだねー……ってフレンド申請ってどうすればいいの?」
「とりあえずわたしから申請するから許可して」
「わかったー」
ピコン!
〈プレイヤー:ベルからフレンド申請が届きました。許可しますか?Yes or No〉
もちろんYes。
ピコン!
〈プレイヤー:ベルがフレンドに追加されました。フレンドリストが更新されました。メニューよりご確認ください〉
「おおーっ!できたよ!」
「うん、わたしの方も大丈夫」
「じゃあ、リリーから俺にフレンド申請してくれる?」
「はーい」
えーっと、シュウにフレンド申請。これかな?
ピコン!
〈フレンド申請が受理されました。フレンドリストが更新されました。メニューよりご確認ください〉
リストをチェックするとしっかりベルとシュウの名前があった。
「これで連絡が取れるようになったよ」
「一応練習しとく?」
「うん」
ふむふむ。連絡方法はチャットかー……さっそくベルとチャットをしてみた。うん、なんとかなるかな……多分。
「そうそう、これはフレンドチャットだけどパーティを組むとパーティチャットもあるからね」
「パーティ……」
「うん、ほらパーティ組むと経験値とかも振り分けられるじゃない?」
「……へぇー、そうなんだー」
「あ、ごめん。リリーはずっとソロだったのか」
「もう!わたしだってちゃんとレベルアップしたんだからね!」
えっへん!
「おおー、すごいね?」
「うん、この間は種族レベルが上がったんだよ」
「ちなみにいくつか聞いてもいい?」
「ん?レベル2だよー!」
あれ、なんでそんな可哀想な子を見る目をしてるの?ベルはともかくシュウまでひどくない?
「そ、そっかー……」
「え……そんなに低い感じ?」
「うーん……いや、生産職にはいるかもしれないね?」
「ただ、この街の生産職にはいないのはほぼ間違いないだろうけどなー。ある程度は戦闘もこなしてるはずだからさ」
「前線にいる生産職はモンスターを素材としてしか見てない節があるからね……」
「ああ。あの時の目の鋭さは半端じゃない……特にそいつが欲しい素材のモンスターの時は下手に近寄らないほうがいい」
「シュウは何回かやらかして武器とか作ってもらえるの1番最後にされたんだよねー」
「ああ、俺が最初に頼んでたのに……順番待ち長かった。他のやつらも面白がって新しい武器を自慢してくるし。あの時決めたんだ。俺、生産職の邪魔はしないって」
「ふ、ふーん……」
別にレベルが低くたっていいもんね!悔しくなんかないもんね!ぐすん……パーティ組んだことはないけど、グランツさんたちもいるし案山子さんだっているんだから。
ね!案山子さ……あれ、案山子さんがいないっ。ん?案山子さんいつの間に移動してたのっ……しかもなんか囲まれてるぞ?
「あ、あれうちのクランメンバー……ついでに紹介するね」
「うん」
「おい、こっち!」
「「「「いま行くー!」」」」
「リリー、イマイクヨー」
案山子さん……なんだかすっごい馴染んでるね。短い時間で何があったのか気になるなー。
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