４　こんな昔（むかし）ばなしあったよね？

　お食事券（しょくじけん）を手（て）に家（いえ）に向（む）かう。お食事券（しょくじけん）2000円分（えんぶん）なら、お母（かあ）さんも文句（もんく）を言（い）わないのではなかろうか？

　そんなことを考（かんが）えながら歩（ある）いていると、

「1000円（えん）でも買（か）わんの？　うわー、これ使（つか）えねー！」

「図書（としょ）カードじゃなくて、現金（げんきん）5000円（えん）くれたら良（い）いじゃんね？」

「そうだよ。便利（べんり）な現金（げんきん）5000円（えん）で、使（つか）い勝手（がって）の悪（わる）い図書（としょ）カード5000円（えん）を買（か）うなんて頭（あたま）悪（わる）いのかよ？」

「おっ！　前（まえ）から来（く）るの『魔女（まじょ）っ子（こ）』じゃね？」

　ぶっ💦　屋外（おくがい）で魔女（まじょ）っ子（こ）はやめて〜！

　そりゃ、私（わたし）は天城辰子（あまじょうたつこ）、『あ【まじょ】う　た【つこ】』で、略（りゃく）して【まじょつこ】、転（てん）じて【まじょっこ→魔女（まじょ）っ子（こ）】になるけれどさ★

　その４人組（よにんぐみ）の前（まえ）に急（いそ）ぐ。案（あん）の定（じょう）クラスの女子（じょし）だ。体育会系（たいいくかいけい）の彼女（かのじょ）たちと知的（ちてき）な文系（ぶんけい）の私（わたし）とでは住（す）む世界（せかい）が違（ちが）う。

「屋外（おくがい）で『魔女（まじょ）っ子（こ）』はやめて下（くだ）さい！　それだけで、サクッと恥（は）ずか死（し）ねます★」

「あ〜、ごめんごめん★　それで、魔女（まじょ）っ子（こ）さ〜、図書（としょ）カード5000円分（えんぶん）を2500円（えん）で買（か）わない？」

「あっ、アコギな！　さっきうちらに1000円（えん）で売（う）ってたじゃん！」

「アコギじゃねえよ。友達価格（ともだちかかく）だよ。クラスメイト価格（かかく）2000円（えん）でどう！」

　えっ？　何（なに）？　どゆこと？　5000円分（えんぶん）の図書（としょ）カードが2000円（えん）？　欲（ほ）しい！　てゆか話（はなし）がうますぎ。詐欺（さぎ）？

「どうして自分（じぶん）で使（つか）わないんですか？」

「親戚（しんせき）がお年玉（としだま）として5000円分（えんぶん）の図書（としょ）カードくれたらしいんだけれど、こいつ莫迦（ばか）だから、本（ほん）なんか読（よ）まね〜じゃん！　うちら腹（はら）ペコでラーメンでも食（く）いに行（い）こうつってんだけれど、こいつだけ金（かね）なくてさ。1000円（えん）ならうちが買（か）っても良（い）いんだけれど、それ買（か）うとラーメンが食（く）えねぇと」

「ちょ、ちょっと待（ま）って下（くだ）さいね💦」

　気（き）が変（か）わらないうちに図書（としょ）カードを買（か）い取（と）らねば。しかし……。2000円（えん）なんて大金（たいきん）を持（も）っているはずがなかった。あー、図書（としょ）カードー(泣（なき）)。

　ダメ元（もと）で、

「お食事券（しょくじけん）なら持（も）っているんですけれど？」

と訊（き）いてみると。

「おーっ！　ちょうど行（い）こうとしてた店（みせ）じゃん！　はい、これ図書（としょ）カードなー。NEXT（ネクスト）ってついてて強（つよ）そうだろ？　良（よ）かったな、魔女（まじょ）っ子（こ）！　気（き）をつけて帰（かえ）れよー！」

　ぎゃー！　でかい声（こえ）で『魔女（まじょ）っ子（こ）』はやめてー！

　体育会系（たいいくかいけい）女子中学生（じょしちゅうがくせい）４人組（よにんぐみ）は、豪快（ごうかい）にラーメン屋（や）さんへと向（む）かっていった。

「図書（としょ）カード5000円分（えんぶん）！　よし、TSUTANYA（ツタニャ）へ引（ひ）き返（かえ）そう！」

🐣お食事券（しょくじけん）2000円分（えんぶん）→図書（としょ）カードNEXT（ネクスト）5000円分（えんぶん）

５　ユウデンヤキ……ですか？

　TSUTANYA（ツタニャ）に着（つ）いたにゃ😻

　と、店（みせ）の前（まえ）では壷（つぼ）を抱（かか）えた外国人（がいこくじん）のおじさんが、目一杯（めいっぱい）挙動不審（きょどうふしん）な様子（ようす）で嘆（なげ）いていた。

「オーノーッ！　ずっと（ズ　ト　ッ）欲（ほ）しかった本（ほん）が売ってまーす（ウ　テ　　マ　ー　　ス）」

　ってな具合（ぐあい）に騒（さわ）いでいるのだ。みんな、そのおじさんと視線（しせん）を合（あ）わさないように、お店（みせ）に出入（ではい）りしている。

　私（わたし）もそれに倣（なら）って、見（み）つからないように……。

「オーッ！　そこのチンチンクリ小学生（しょうがくせい）チルドレン。話（ハナシ）を聞（き）いてくだサーイ！」

　あ"〜っ！　見（み）づがっだ〜〜！　って、チンチンクリ🌰？　ちんちくりん、と言（い）いたいのかな？　ってか、中学生（ちゅうがくせい）！　中学（ちゅうがく）２年生（ねんせい）だからっ！

「な、何（なに）かご用（よう）かでしょうか？」

　周（まわ）りに人（ひと）もいるし、御用（ごよう）になるようなことはしてこないよね？

　ヤバいと思（おも）ったら攻撃（こうげき）して、即行（そっこう）で逃（に）げてやるんだからっ！

「おー、チンチンクリ小学生（しょうがくせい）チルドレン！　話（ハナシ）を聞（き）いて下さいますか（クダサマースカ）？」

　この怪（あや）しい外国人（がいこくじん）おじさんの話（はなし）をようやく要約（ようやく）すると。

①このおじさんは有田焼（ありたや）きの蒐集家（しゅうしゅうか）らしい

②素晴（すば）らしい壷（つぼ）を買（か）えてほくほくだったこと

③ついでに寄（よ）ったTSUTANYA（ツタニャ）で、『世界（せかい）の有田焼（ありたや）きコレクション』という、部数（ぶすう）限定（げんてい）の貴重（きちょう）な書籍（しょせき）が売（う）っていたらしいこと税抜（ぜいぬ）き16000円（えん）。ネットオークションでは、30万円（まんえん）の値（ね）が付（つ）き、もはや30万円（まんえん）で買（か）おうとしても買（か）えないということ)

④有田焼（ありたや）きの壷（つぼ）を買（か）ったばかりで、5000円（えん）程（ほど）足（た）りないので、税抜（ぜいぬ）き20万円（まんえん）で買（か）ったばかりのこの壷（つぼ）を手放（てばな）してでも5000円（えん）が欲（ほ）しいということ

⑤事情（じじょう）から察（さっ）するに、『図書（としょ）カードNEXT（ネクスト）5000円分（えんぶん）』でも問題（もんだい）ないらしいこと

「ハッ、あれは蒐集家（しゅうしゅうか）仲間（なかま）たちから嫌（きら）われているMr.テンバ・イヤー！　きっと、『世界（せかい）のユーデンヤキコレクション』を買（か）いに来（き）たに違（ちが）いナイデース！　こうなったら、このユーデンヤキの壷（つぼ）で、人（ひと）を殴（なぐ）り殺（ころ）してでも5000円（えん）を……」

「あーっ！　わかった、わかった、わかりました！　この図書（としょ）カードNEXT（ネクスト）5000円（えん）とその壷（つぼ）交換（こうかん）しますから、強盗殺人（ごうとうさつじん）はやめて！」

「ワーオ！　ありがとうございます（ア　リ　ガ　ト　ゴ　ザ　　マ　ー　ス）♪　壷（つぼ）の中（なか）に鑑定書（かんていしょ）入（ハイ）っておりマース！　札付（フダつ）きデース！」

　『札付（ふだつ）き』じゃなくて、『折（お）り紙付（がみつ）き』ね。札付（ふだつ）きだと、非行（ひこう）に走（はし）った少年（しょうねん）少女（しょうじょ）みたくなっちゃう！

　こうしてまたも、物々交換（ぶつぶつこうかん）は成立（せいりつ）した。

　最後（さいご）に、ひとつ気（き）になっていたことを告（つ）げることにする。

「おじさん、『ユーデンヤキ』じゃなくて『ありたやき』だよ？　日本語（にほんご）の、特（とく）に漢字（かんじ）の読（よ）みは難（むつか）しいけれど……」

「オー、違います（チガマース）！　ユーデンヤキ、正確（せいかく）にはユウデンヤキとアリタヤキは別腹です（ベツバラデース）。タヌキとムジナは同（おな）じ。ムササビとモマも同一（ドーイツ）フランスデスガ、ユウデンヤキとアリタヤキは『オセロと囲碁（イゴ）』、『猫（キャット）と蛸（オクトパス）』、『セーラ○厶ーンとプリキ○ア』くらい違います（チガマース）！　本（ほん）を買（か）った後（あと）で詳しい（クワシー）話（ハナシ）を……」

「いえ、結構（けっこう）ですから★」

　キャットとオクトパス？　ネコとタコってことだから、コ繋（つな）がりってことなのかな？　わかりにくい……。

　おじさんが無事（ぶじ）、『世界（せかい）の有田焼（ユウデンヤ）きコレクション』を買（か）えたのを確認（かくにん）して、私（わたし）は速（すみ）やかに現場（げんば）を立（た）ち去（さ）った。

　この壷（つぼ）かさばるし、ぶっちゃけ迷惑（めいわく）なんだけれど★　まあ、強盗殺人（ご　う　さ　つ）事件（じけん）を未然（みぜん）に防（ふせ）げたから良（よ）しということで。有田焼（ユウデンヤ）きなんてお母（かあ）さん知（し）ってるかなあ？　喜（よろこ）んでくれると良（い）いんだけれどな。

🐤図書（としょ）カードNEXT（ネクスト）5000円分（えんぶん）→有田焼（ユウデンヤ）きの壷（つぼ）

６　あのずんぐりむっくりした、寸胴（ずんどう）の短（みじか）いヘビは、もしかして？

　有田焼（ユウデンヤ）きの壷（つぼ）を抱（かか）えて帰（かえ）っていると目（め）の前（まえ）から、首輪（くびわ）を付（つ）けた動物（どうぶつ）を散歩（さんぽ）させている人（ひと）が歩（ある）いて来（く）るのが見（み）えた。

　……のだけれど、その動物（どうぶつ）っていうのが、胴（どう）の部分（ぶぶん）がやたらとぶっといヘビ🐍

　もしや、あれって……。

　と、その人（ひと）が私（わたし）を見（み）て駆（か）けてくる。

「おおっ！　これは、有田焼（ユウデンヤ）きの人間国宝（にんげんこくほう）、有田焼次郎（ゆうでんやきじろう）氏（し）の幻（まぼろし）の名作（めいさく）。是非（ぜひ）とも譲（ゆず）って頂（いただ）けませぬか？」

　私（わたし）はその人（ひと）の顔（かお）と、ずんぐりむっくりなヘビを交互（こうご）に見（み）ながら答（こた）える。

「人間国宝（にんげんこくほう）の人（ひと）の幻（まぼろし）の名作（めいさく）って高（たか）いんですよね？　そう簡単（かんたん）には譲（ゆず）れないです」

　5000円分（えんぶん）の図書（としょ）カードと交換（こうかん）した物（もの）だけれどね。

「それでは、幻（まぼろし）には幻（まぼろし）ということで、このツチノコと引（ひ）き換（か）えということでいかがですかな？」

　やっぱりツチノコだっ♪

　生（い）きたツチノコを手（て）にする機会（きかい）なんて、もう二度（にど）とないだろう。それに生（い）きたツチノコには最高（さいこう）２億円（おくえん）の懸賞金（けんしょうきん）が懸（か）かっていたような。

　まだ、やってるのかな？　それとも誰（だれ）かが貰（もら）っちゃった？

　でも個人的（こじんてき）には、こんな壷（つぼ）より生（い）きたツチノコの方（ほう）が魅力的（みりょくてき）だ☆　ここは交換（こうかん）するの一択（いったく）しかないでしょ！

　そんな訳（わけ）で、かさばる壷（つぼ）は、生（い）きた幻（まぼろし）のヘビへと姿（すがた）を変（か）えた。

🐤有田焼（ユウデンヤ）きの壷（つぼ）→生（い）きたツチノコ

７　こんなところで練習（れんしゅう）しないで下（くだ）さいっ(泣（なき）)！

　やった♪　まさか、生（い）きたツチノコを飼（か）える日（ひ）がくるなんて思（おも）ってもみなかったよ。

　早（はや）くお兄（にい）ちゃんに見（み）せて、自慢（じまん）したいな。

　ツチノコは尺取（しゃくと）り虫（むし）のように歩（ある）く。スピードはゆっくりめ……というか、のろい。

　こんなに遅（おそ）いんじゃ、うちに帰（かえ）りつくまでに何時間（なんじかん）掛（か）かることやら。

　と思（おも）ってたら、どこからか叫（さけ）び声（ごえ）が聞（き）こえてきた。けれども、なんと叫（さけ）んだのかはわからなかった。

　続（つづ）いて、シャ〜〜ッ、バシュ――ッ⚡

という雷（かみなり）が落（お）ちるような轟音（ごうおん）が轟（とどろ）いた。これにツチノコが驚（おどろ）いて逃（に）げ出（だ）す。しっぽを口（くち）にくわえて転（ころ）がりだしたのだ。

　あまりのスピードの変化（へんか）に手綱（たづな）を握（にぎ）り損（そこ）ねる。まずい、逃（にが）してなるものか！

「待（ま）てーっ！　ツチノコーっ！」

　転（ころ）がって逃（に）げるツチノコを追（お）っかけ、曲（ま）がり角（かど）を曲（ま）がると！

「ライ○イン！」

の掛（か）け声（ごえ）に反応（はんのう）して、電撃（らいげき）が現（あらわ）れ、的（まと）(🎯)に向（む）か……わずに、近（ちか）くを転（ころ）がっていたツチノコに誤射（ごしゃ）⚡

　哀（あわ）れ、ツチノコは真（ま）っ黒（くろ）こげになってしまった★

「ツチノコ――っ！」

　叫（さけ）びながら駆（か）け寄（よ）るも、既（すで）に……。

　ご臨終（りんじゅう）でございました、チーン。

　憮然（ぶぜん）と立（た）ち尽（つ）くす私（わたし）。まさに、心（こころ）ここにあらず、であった。

「ごめんなさい、魔女（まじょ）っ子（こ）さん。あなたの大切（たいせつ）なヤマカガシさんを、こんな風（ふう）にしてしまって★　反省（はんせい）してますなの」

　魔法少女（まほうしょうじょ）から、『魔女（まじょ）っ子（こ）』呼（よ）ばわりされるとは、なんてシュールなのか？　と、頭（あたま）の中心（ちゅうしん）の片隅（かたすみ）で思（おも）いながらも、

「こんなところで練習（れんしゅう）しないで下（くだ）さいっ(泣（なき）)！　非常識（ひじょうしき）ですよっ！　あと、ヤマカガシじゃなくて、ツチノコですっ！」

と、食（く）って掛（か）かる。そのときに、その魔法少女（まほうしょうじょ）が同（おな）じクラスの春野菜乃花（はるのなのか）さんだと気付（きづ）いたけれども、だからといって許（ゆる）せるモノでもない。

「本当（ほんとう）にごめんなさいなのです。お詫（わ）びにバジリスクを召喚（しょうかん）して、あなたに差（さ）し上（あ）げ……。ダメなの。バジリスクはその視線（しせん）であたり構（かま）わず、石化（せきか）してしまうから……」

　確（たし）かにバジリスクは手（て）に負（お）えない感（かん）がハンパない気（き）がする★

「わかりましたなの。お詫（わ）びとして、このマジカルステッキの『キラキラ☆キューン♡』を差（さ）し上（あ）げますなの。このマジカルステッキ『キラキラ☆キューン♡』は最高（さいこう）の魔法（まほう）の杖職人（つえしょくにん）が腕（うで）によりをかけて作（つく）った業物（わざもの）なの。消費魔力（しょうひまりょく）を減（へ）らし、使用呪文（しようじゅもん）の威力（いりょく）を高（たか）め、さらには……」

「あっ、ちょっと待（ま）って！　私（わたし）、魔法（まほう）なんて使（つか）えないよ？」

「大丈夫（だいじょうぶ）なの。このキラキラ☆キューン♡には、７種類（ななしゅるい）の呪文（じゅもん）が封印（ふういん）されているから、誰（だれ）でもそれが使（つか）えるなの。①メ○②ギ○③イ○④バ○⑤ヒ○ド⑥ホ○ミ⑦パル○ンテの７種類（ななしゅるい）なの。凄（すご）いでしょなの」

　⑦のパ○プンテは使（つか）えそうにないけれど、それ以外（いがい）なら有効（ゆうこう）かな？

「ほら、あの的（まと）に向（む）かって試（ため）してみるなの🎯」

「よーし、じゃあ、①○ラッ！」

　杖（つえ）の先端部分（せんたんぶぶん）を的（まと）に向（む）けて、呪文名（じゅもんめい）を唱（とな）えると。

　シュボッ🔥　おおーぅっ！　ホントに火（ひ）の玉（たま）が出（で）た。

「ありがとう♪　でも、あなたは良（い）いの？」

「はいなの。真（ま）っ黒（くろ）こげのツチノコは貴重（きちょう）な魔法薬（まほうやく）の原料（げんりょう）として、高（たか）く売（う）れるなの。そのお金（かね）で、また別（べつ）の杖（つえ）を買（か）うなの」

「そう？　じゃあ、ありがとうね♡　さようなら、春野菜乃花（はるのなのか）さん」

「この姿（すがた）の時（とき）は、『魔法少女（まほうしょうじょ）コミカルなのか』なの。さようなら〜なの〜☆」

　す、凄（すご）いよ、マジカルステッキ『キラキラ☆キューン♡』。これで、私（わたし）も名実（めいじつ）ともに魔女（まじょ）っ子（こ）になれるよね？　ねっ？

🐥生（い）きたツチノコ→マジカルステッキ『キラキラ☆キューン♡』

８　遂（つい）に現（あらわ）れた大金持（おおがねも）ちのイケメン婚約者（こんやくしゃ）♡　キャーッですわ！

　よしっ！　このマジカルステッキ『キラキラ☆キューン♡』は、何（なに）があっても手放（てばな）さないぞ！

　そう固（かた）く心（こころ）に誓（ちか）った私（わたし）だったけれど。

　３分後（ぷんご）には、その決意（けつい）はとろ〜りとろけさってしまっていた。

「キミをボクのモノにしたい。そのため、キミを災（わざわ）いに近付（ちかづ）ける恐（おそ）れのあるマジカルステッキは預（あず）からせてもらうよ？　いいね♡」

「はい、仰（おお）せのままに♡」

　私（わたし）の目（め）の前（まえ）に現（あらわ）れたのは、プールとヘリポート付（つ）きの豪邸（ごうてい）を持（も）つ大金持（おおがねも）ちのイケメン金田持雄（かねだもちお）さん(25歳（さい）)だった💕

🐥マジカルステッキ『キラキラ☆キューン♡』→プールとヘリポート付（つ）きの豪邸（ごうてい）を持（も）つ大金持（おおがねも）ちのイケメン金田持雄（かねだもちお）さん(25歳（さい）)

９　最終的（さいしゅうてき）には？

「ただいま〜☆」

　私（わたし）の声（こえ）に、奥（おく）からお母（かあ）さんが飛（と）んでくる。

「やけに遅（おそ）かったわね？　あら、そちらは？」

「初（はじ）めまして、お母様（かあさま）。私（わたくし）は辰子（たつこ）お嬢様（じょうさま）と結婚（けっこん）の約束（やくそく）をさせて頂（いただ）くことになりました、金田持雄（かねだもちお）と申（もう）します……」

最終結果（さいしゅうけっか）

🐔シール台紙（だいし）→お皿（さら）→お食事券（しょくじけん）2000円分（えんぶん）→図書（としょ）カードNEXT（ネクスト）5000円分（えんぶん）→有田焼（ユウデンヤ）きの壷（つぼ）→生きたツチノコ→マジカルステッキ『キラキラ☆キューン♡』→プールとヘリポート付（つ）きの豪邸（ごうてい）を持（も）つ大金持（おおがねも）ちのイケメン婚約者（こんやくしゃ）、金田持雄（かねだもちお）さん(25歳（さい）)となりました☆