第15話 円卓の騎士団系
ここがランスロットの屋敷か――
鉄の塀に囲まれており、白い立派な建物出会った。正面の門は開いており遠くからではあるが、そこから数人の兵士達が誰かを囲っているように見えた。
「ミーちゃん……ランスロットだ……」
「信也……」
「何」
「跡でちゃんと説明してにゃよ!!」
ミーちゃんはその一言で天使の姿へと変わり屋敷の門の方へと向かっていく。俺も後からそれを追うように走る。
「反逆だと……?ふざけるなよ」
ランスロットが手を大きく振りほどく。
「無駄口を叩かずに早く連行されたらどうだ。」
そう言う銀髪の男は紙を前に差し出しランスロットに見せていた。
「誰がそんな簡単に従うか…」
ランスロットは空中から水の剣を作り出し構える。
「精一杯、抗わさせてもらう。」
「そんな事をすれば貴様の部下達がどうなるか分からんぞ…?おとなしくした方が苦しい物を見せなくてすむ。」
「ガウェイン……チッ…」
舌打ちをし水の剣を溶かした。
「さぁ…早く連れていけ」
「認めるんだな?」
「無罪を証明しに行くだけだ。」
そう言いランスロットは両手を差し出す。
「ちょっっとまっったぁぁあ!!」
ランスロットとガウェインの間に何かが突っ込んで来た。
大きく土煙が上がる。
「ウッ…何が起きたんだ……」
誰かに肩を捕まれる。
「誰だ貴様」
「ランスロット…逃げるぞ」
土煙に包まれている隙に信也が声を掛ける。
「信也……何でこんな所に……」
「事情は後でいいから早く」
そう言いランスロットの手を掴み屋敷の裏へと走っていった。
「チッ…逃げられたか……」
「それにしても随分な力の持ち主だな」
ガウェインは首を少し後ろに向ける。
そこには土煙に隠れてガウェインの首を跳ねようとしたミーちゃんが居た。
「うわぁ…」
土煙が晴れていく。
「バレちゃった…」
……
「はぁ…はぁ…はぁ…一旦休憩しよう。」
大きな橋の下に2人で座り込む。
「信也…何故ここに…」
「お前が反逆者として国に処刑されるのを見過ごす訳にはいかないから…」
「何故だ……私は…騙されただけだったのに…」
ランスロットは悔しそうに歯を噛み締め拳を地面に当てる。
「とりあえず、誤解を解かないと…」
「そうだったな……しかしどうすれば…」
「うぅ……ん……」
すると目の前の空間が歪み急に天使の翼が現れた。
ミーちゃんだ。
「信也…ごめん…」
「どうしたの……?」
「私、負けた……」
ミーちゃんは側に倒れた。
「ち、ちょっと…ミーちゃんっ!!」
ミーちゃんは天使の姿から次第に猫の姿へと戻っていった。
「この猫って……信也の…」
「あぁ……コイツは…天使なんだ。」
天使という言葉を聞いた瞬間、ランスロットは少し体が固まった。
「ランスロット…?」
「あ、いや…何でもない。」
複数人の足元が近付いて来る。
「そこに居たか、ランスロット」
ランスロットは橋の影から出る。
「貴様も相変わらず執念深いな」
「行くぞ……王がお呼びだ。」
「アーサー王が…?」
ランスロットは驚いた表情でガウェインを見つめた。
ガウェインは俺の方に指を向ける。
「貴様もだ。」
俺は少しびっくりしたが直ぐに受け入れた。
「お、俺もか…」
俺とランスロットは複数人の兵士に囲まれて宮殿へと連行された。
宮殿内部に入ると、薄暗い部屋に2人で放り込まれた。
「チッ…よりによってこんな事に…」
ランスロットは唇を噛み締めている。
「どうしたんだよ…」
ランスロットは上を向く。
「円卓会議だ。」
そう言うと青い暗いライトが部屋中に広がり、13の椅子が出現した。その真ん中には国王らしき人物が見える。
「これより円卓会議を始める。」
国王がそう言いうと天井がガタンと動き、大きな時計が姿を表した。
「さぁ…ランスロットよ…わしに無罪を証明してくれ」
「アーサー王…私はっ!」
ランスロットは叫ぶ。
「審議の余地は無い…即刻死刑にすべきだ」
ガウェイン卿 王国No.2 性別 男
銀髪の高身長でいつも無愛想な顔をしている。
「どうでもいいから早くしてチョーダイ」
パーシヴァル卿 王国No.3 性別 女
低身長で子供の用な姿をしており手をいつも袖の中に隠している。
No.4 欠席
No.5 欠席
「ふざけるな!ランスロットさんがそんな事をするはずが無い!」
パロミデス卿 王国No.6 性別 男
熱く熱心なとてもランスロットを尊敬している好青年。
No.7 欠席
「同感ですね。ランスロット卿が反逆をするとは思えません。」
ベディヴィア卿 王国 No.8 性別 女
生真面目でスタイルが良く主に国の政治を担当。
No.9 欠席
No.10 欠席
「死刑にしろよさっさと!!俺は元々こいつが気に入らなかったんだよくそが。」
ボールス卿 王国 No.11 性別 男
荒々しい性格が特徴。青年のような見た目に反して王国随一の怪力。
No. 12 欠席
「ランスロットよ…何かワシらに証明してくれないか。」
アーサー王 国王 性別 男
白い長髪が腰まである老人。いつも杖をついている。
「証明何て…出来ませんよ…」
ランスロットは手を握りしめている。
「決まりだな…さっさと処刑しろ」
ガウェインが呆れた用な表情で腕を組、言った。
「でも…私はやってないっ!」
ランスロットが数歩前に出て手を胸にかざす。
くそ…何か証明出来る物…
信也は辺りを見渡す。
どうすれば…こんな絶望的状況を打開出来る?
そんな時だった。
ギィィィィ
扉が開き、光が差し込む。
「誰じゃ…会議中じゃぞ…」
光からは何かを持った赤紙のオールバックで渋い顔をしたおじさんが入ってきた。
「いやいや、すいませんね、ちょっとお土産をと思いましてね」
トリスタン卿 王国 No.4 性別 男
その男は白い猫を持っていた。
「ミーちゃん!!いつの間に!?」
信也は驚き、叫んだ。
「おっ!坊主!この猫知り合いだろっ!」
「何でアンタがミーちゃんをッッ!」
ガウェインが男に向かって言葉を放つ。
「トリスタン…貴様…会議に遅れて来て何のつもりだ。」
「いやねぇ……坊主っ!この猫の正体を言ってみろ!」
トリスタンはこちらを向いて声を掛ける。
言った方がいいのか…?
この状況を打開出来るなら…
でももし、ミーちゃんの正体がバレたら何かされるかも知れない…どうする…?
どうする……?
「信也…言ってはいけない…」
ランスロットが小声で呟く。
信也がそっとランスロットの方へと顔を向ける。
「何で……」
「もしミーちゃんの正体をここでバラせば…」
ランスロットは唾を飲むような表情を、している。
この世界の法則はひっくり返る事になる――
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