第9話 世界線系

「信也…すまなかった…」

ランスロットは少し体を起こしながら謝り続けていた。


「もういいって、そんなに謝ると日本人みたいだな…」


バンッ

握り拳を作り地面を叩いた。

「私は…騎士失格だな…こんな簡単な敵を見抜けなかった何て…クソッ」

とても悔しそうな表情をしている。


こんな時に何て声をかけてあげればいいんだろう…

俺は悔しい思いなんてしたことが無い。

当たり前だ、挑戦から逃げて来たから

楽な方へ楽な方へと進みたかった。

その結果バチが当たったのかもな…こんな理不尽な条件でこの世界に連れてこられて…


にゃー!


「この猫はミーちゃんと言ったか…お前もすまなかったな…怖い思いをさせてしまって。。。」

座るミーちゃんを撫でている。

ミーちゃんは嬉しそうだ。


「ミーちゃん、もう喋っていいよ」


にゃーにゃー


「この猫は喋るのか!?」


「いや、いっつもうるさいくらい喋るんだよこの猫。ほらもういいって、」


にゃーにゃーにゃーにゃー


「喋らないぞ…?」


「何してんの…?早く喋りなよ。」


「…信也」


ランスロットは俺の肩を叩いた。


「猫に喋るくらい辛い事があったのか…私で良ければ」


「違うから!!そんなんじゃねぇから!!」


にゃーにゃーにゃーにゃーにゃ《私の声は信也にしか聞こえてないにゃ》


「良し分かった、ミーちゃんちょっと来て」


にゃーにゃー


ランスロットは不思議そうな顔をしながら2人でコソコソしているのを見つめている。


「そう言う事は先言ってくれない…?」


「テヘペロにゃ」


「可愛くねぇし、ていうか俺が変な奴だと思われるだろ!?」


「…ランスロット…今の猫が喋るというのはは嘘だ忘れてくれ…」


「何だ…喋らないのか…はぁ…期待したのにな…」


何に対しての期待だよ。

俺とランスロットとミーちゃんはその場で少し話ながら体調が戻ってくるのも見計らって帰ろうとしていた。


モフモフ

「本当にこの猫は可愛いな…何喋るんだろうな…」


何だコイツ…猫愛好家にでもなったらいいのに…

それより、クエストはどうなるんだろう…バグダートの護衛は…失敗になるのか…?この場合。


「ミーちゃん…クエストって…」


「王国に帰れば完了するにゃよ あぁくすぐったいにゃぁあ」


信也は少し引いた目で見ている。

そっか…ランスロットは言葉を知らないからにゃーにゃー言ってるだけだと思ってるんだもんな。

実際は全然違うのに…


信也達は乗って来た馬車に再び乗り込んだ

そして日がくれた。


ガタンガタン

馬車に揺られている。


「信也…どうやって私の竜化を止めてくれたんだ?どんな魔法を使ったんだ?」


「いや、それは…えーと…」


「あ、いや、答えてくれなくても構わない。それにこの世界で魔法というのは自分や家族の次に大事な物だからな。また教えてくれ」


そっか…最初に言ってたな

魔法は自分の住所を教えるくらい大切な物だって。

「因みに私の魔法は【アロンダイト】という魔法で効果は水を操る魔法だ。」


「俺に教えていいの…?」


「あぁ…私はお前を信用しているからな。それに恩人だから王国に帰れば何かもてなそうと思う。」


「いや、いいよ別に…」


「遠慮するな!それに私と信也はもう親友トモだ。これからもよろしくな信也!」

ランスロットは拳を突き出して来た


さらっと距離を積めてきたな…まぁいいや…


俺は拳を返した。


……


王国の門前に着いた。


「それじゃな信也!私は王へバグダートの事を伝えてくる。また後日、そちらに使いを送る。たっぷりご馳走を用意しておくからな!」

ランスロットは手を振りながら笑顔で走っていった。


「ミーちゃん…眠気が…」

フラフラ


「あぁちょっ信也、大丈夫かにゃ。とりあえず宿屋に行って休むにゃよ。」


信也とミーちゃんは宿屋に戻り数時間が経った。

「ミーちゃん…今回はありがとう。。。」


「そんな事いいにゃよ、それよりもうそろそろ時間じゃないかにゃ?」


「本当だ。。。また、後でな…」


「そうにゃね、こっちに戻ってくるのは数時間後だけど信也からしたら1日後だもんね、」


お疲れ様にゃ…ゆっくりと休むにゃよ…信也…


……


信也


現実世界に戻ったのか…


信也ッ!


起きなきゃ…


起きろ信也ッ!


今回はあの世界で一番の成功だったな…


「信也起きろって!今何時だと思ってんの?土曜日だからって寝過ぎだろ」


あれ…おかしい…

バンッ


俺は布団を勢い良くめくった。


「お!今日は目覚めがいいな!朝飯用意してるから食えよ!」


「母さん!」


「ん?どうした?」


「今日は何曜日?」


「今日は土曜日だよ?どうした?」


どうゆう事だ…?このサイクルが全く理解出来ない。

じーちゃんは?


「…じーちゃんは…元気?」


「…信也」


「お前のじーちゃんはとっくの昔に亡くなってるだろ?お前も葬式行ったろ?寝ぼけてないで朝飯食いな」

母はリビングへと向かって行った。


じーちゃんはとっくの昔に亡くなった…?

意味が分からない…

意味が分からない…

どうゆう事…何だよ…

何だよこれ…おかしいよ…

今回はタイムリープも何もしてない。

それに亡くなったって一体…

いや違う、亡くなったんじゃない


階段を勢い良く降りた

「母さん!うちのじーちゃんは何人いたの?」


「おおう…どうした急に?えーと…昔に亡くなった父さんのおじいちゃんだけだよ?」


昨夜未明に…イギリスで爆破テロ事件が…


「え、じゃあ母さんのお父さんは誰?」


重傷者30名死者5名

そのうち…


パリンッ!!

母が洗っていた皿が落ちた

「…信也…おい、テレビ見てみろよ…」


「え、急に深刻そうな顔をして…っっ…」


そんな…嘘だ…

嘘だと言ってくれよ

何だよ、何だよこれ

どうなってんだよ…

何で何で何で何でだよ


イギリスで仕事をしていた日本人の

三上 史朗さん(35) 含む5名の方が死亡しました。
























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