「物語は贅沢であるべきだ」
そう登場人物は考えた。物語というものは歴史が長く、古代ギリシアの悲劇、エジプト神話、さらに遡ればクロマニョン人が残した壁画にもその形跡があるかもしれない。
時代を下るにつれて物語という曖昧な概念から少しずつジャンルが出来上がり、色々な創作論や作家論が生まれていったのだと思う。
私は物語はそういった概念に縛られず、もっと自由に創作されるべきものだと考えている。もっと言うなら寝る前に個人がする妄想。それも物語の一種とも言えるのではないだろうか。
歌で語られるメロドラマだって、想像を加えれば一つの物語が出来上がる。それが壮大であれば壮大なほど、元ネタから離れていくが。
物語という概念が存在するこの世に乾杯を。