幸福感

<前書き>

冴えない彼女の育てかた Next Story 第0話 お互いの初めて(https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054894674761/episodes/1177354054895457330 )の間の話になります。R-18です。


* * * * * * * * * * * * * * * *


 倫也と恵は1つの布団の中でお互いに横向きに寝転がって向かい合っている。

 1つの布団に二人一緒に入るのは非常に狭く、もうすでに密着しているような状態であった。

 そんな中でやることは一つ。

 

 お互いの初めてを捧げること。


「め、恵、触るぞ?」

「ん……」


 恵は倫也の問いかけに、少し頬を染めて恥ずかしそうにしながらも、コクリと頷く。

 倫也はキャミワンピの上からそっと恵の胸に触れて、軽く手に力を入れると、ふにゅんとマシュマロのような柔らかさが伝わってくる。服の生地が柔らかいおかげか、その下にある恵の胸の柔らかさが、ほぼそのまま伝わってきた。


(うわ……めちゃくちゃ…柔らかい……)


 普段抱き合ったりするときにも、胸の感触を感じることはあったが、服やブラなどに覆われていたため、ここまで柔らかさを直接感じることはなかった。

 倫也は緊張しながらもできるだけ優しく、何度も恵の胸を揉んでいく。


「んっ……ふっ……んんっ……」


 そうやって倫也が恵の胸を揉んでいくうちに、恵の口から甘い吐息が漏れるようになってくる。恵は眉根に皺を寄せるように切なげな表情を浮かべていた。


「はぁんっ……んっ……んんぅっ……」


 そんな恵の吐息が苦しそうに聞こえてしまって、倫也は手を止めて心配そうに恵に声をかける。


「め、恵?大丈夫?」

「ぁ……大丈夫だから……そのまま、続けて……」

「わ、わかった……」


 恵にそう言われて、倫也は再び恵の胸を揉み始める。最初は胸全体を揉むだけの動きだったが、少しずつ慣れてきてもう少し動きが加えられる。撫でるように円を描くように手を動かし、恵の胸の柔らかさをさらに楽しむ。


「んうっ……!あっ……んっ……!」


 その動きに変わったせいで、時より恵の胸の頂点に触れることがあり、その度に恵の体に快感が走る。


「あぅっ……!んんっ……くふぅっ……!」


 先程よりもさらに甘い息遣いが恵の口から漏れてくる。呼吸が荒くなり、瞳も潤んできていて、恵の表情が、容姿がどんどん煽情的になっていく。

 そんな恵に煽られた倫也はさらに次のステップに進もうとする。


「恵、……直接触ってもいいか?」

「…………う、うん……」


 恵は倫也から目を伏せるようにして目を逸らし、戸惑った表情を浮かべていたが、上目遣いで倫也を見ながら了承する。その表情はむしろ次のステップを望んでいるように見えた。

 倫也はキャミワンピの裾からその内側に手を忍ばせ、ゆっくりと胸に向かって上っていく。


「んっ……!」


 腹部から恵の身体を撫でながらゆっくりと上っていくその手の動きによって、まだ直接胸に触れていないにもかかわらず、恵の身体はぴくっと体を震わせ、声を漏らしていた。

 そして、倫也の手が直接恵の胸に触れる。きめ細かく、すべすべで柔らかく、直接触れたことで伝わってくるその温かさと柔らかさに倫也は感動せずにいられない。


(柔らかい……)


 そして、今度は直接触れた恵の柔らかな胸を揉みしだく。できるだけ敏感な先端は敢えて避けて揉んでいく。


「んふっ……!ふあぁっ……!はぁん……!」


 それは倫也のちょっとした恐れ。乳首が女の子にとって敏感な場所で丁寧に扱うべき場所だと思っているから。いきなり触れるのではなく、ゆっくりと周りから触れるようにしていく。


「ああっ…ぅ…!くふっん……!ぁあん……!」


 掌全体で胸を掴み円を描くように捏ねるように、柔らかさを楽しむように、手を動かす。

 ふと恵の顔を見ると切なそうな、物欲しそうな、もっと快楽をねだるような、そんな顔をしていた。思わず倫也はゴクリと生唾を飲み込む。

 だから、倫也はちょっとだけ勇気を出して、恵の先端を親指と人差し指できゅっと軽く摘む。


「んんっ…!!」


 その瞬間、恵の体がビクッと跳ねるとともに、恵の口からも一際大きな甘い声が漏れる。先ほどよりも深く眉間に皺が寄り、切なげな表情を浮かべていて、瞳も潤み始めていた。


(う、わ……えろい……)


 思わずそんな率直な感想が心の声で漏れる。

 レーティングに厳しい倫也は十八禁同人誌もAVも(ちゃんと)見たことはない。深夜アニメでたまにあるエロ枠として、そんなシーンは見たことがある。しかし、それももうすでに慣れてしまっていて、そんなシーンにもあまり反応しなくなっていた。

 でも、自分の目の前で自分の好きな人が自分の手によって感じている姿は、凄まじく倫也の性欲を掻き立てる。恵の反応を、もっと恵のえっちな反応を見たいと思い、倫也はさらに恵に刺激を加えていく。


「ぁっ…、ふぅっ…んっ!……んくっ……ふあぁっ!」


 倫也が掌全体で円を描くように揉みながら所々で胸の頂を刺激してやる。

 そのたびに恵の身体はびくっと震え、甘い声が漏れる。

 きゅっと摘まむだけでなく、指先で転がすように、あるいは指の腹で軽く押しつぶすように、何度か触り方を変えて乳首を責める。


「んんっ…、ふあぁ…んんっ!……んぁっ!」


 そうやって乳首を責めていると、恵の方にまた変化が現れる。


(乳首、硬くなってきてる……)


 そのことに気がついた倫也は、また恵の顔を見る。

 まだ、胸しか触れていないのに、口は半開きで、呼吸は荒く、目は潤んでいて、もうすでに蕩けかかった顔になっていた。

 それが、倫也の『恵のえっちな姿を見たい』という欲望をさらに煽る。

 倫也は恵のキャミワンピの裾を握り、ゆっくりと、ゆっくりとたくし上げていく。キャミワンピによって隠されていた白い下着も、細いお腹周りも露わになる。さらに腹部を通り過ぎて胸まで近づいていく。


「ぁ…………」


 そして、裾が恵の胸に膨らみに差し掛かった時に、恵の両手がキャミワンピをぎゅっと掴んで、それ以上の上昇を止める。

 倫也もその恵の赤く染まった恥ずかしそうな顔が何を意味しているかは言われなくてもわかる。


「恵、…俺、恵の、えっちな姿が見たい」

「っ……」


 それでも、倫也は自分の欲望を恵に直接伝えた。

 倫也のストレートな欲望に対して、恵は倫也から伏し目がちに目を逸らす。ちょっとの時間だけためらった後、恵は自分で一度止めた両手を、キャミワンピの裾を持ってゆっくりとたくしあげる。そして、

 キャミワンピの裾は首元まで持ち上がった。

 初めて見る、恵の何も隠されていない胸部。

 ほんのり汗ばんだ肌。

 思ったよりも大きく膨らんでいる双丘。

 薄い桜色の小さく少しだけ硬くなった乳首。


「こうやって見せるの……かなり恥ずかしいんだけどなぁ……」


 恥ずかしそうに頬を朱に染めていて、自らの口からでも『恥ずかしい』と言いつつ、恵はまったく隠そうとしなかった。

 その表情からも、その口調からも嫌がっている様子は少しも感じられなくて、加えて、伏せた目をちらちらと倫也に目を向け、倫也の反応も窺っていた。

 その反応が倫也にはむしろ、見られているのが嬉しいのではないのかというようにも感じられた。

 そんな自らの胸を見せつけるような、普段の恵からは全く想像できない扇情的な姿の恵を見て倫也は思わず声を漏らす。


「えろい……」

「もぉ……」


 そんな、普段では絶対に言わないし、赤面してしまうくらいの恥ずかしい感想でも、恵は嫌な言葉として捉えなかったようで、その反応はむしろ、やはり嬉しさが含まれているような口調だった。


「な、なあ、恵?」

「な、何?」

「……体勢、変えてもいいか?」

「う、うん」


 倫也は横向きに寝ていた恵を仰向きにさせ、四つん這いで恵に馬乗りになった。

 倫也が見下ろすその先には、自分の好きな人が自分のために自ら裸体を晒していて、その[[rb:好きな人 > 恵]]を好きにできるという状況に、心拍数が自然と上がっていく。

 そして、倫也は露わになった乳首にゆっくりと顔を近づけ、口に含む。


「んんっ……!ひぅうっ…はぁあんっ!」


 恵の胸の先端を中心に、ソフトクリームを舐めるように舌の腹で包み込むように舐め上げる。一舐めするたびに恵の口から快感に悶える声が聞こえてくる。

 倫也はそんな恵の嬌声をもっと聞きたいと、さらに恵の乳首を責める。


「やぁっ……んぅっ!」


 乳首を口に含んで強く吸い上げたり、


「んふぅっ……ああんっ!」


 舌先で乳首を転がしたり、


「ひあぁっ……んんっ……!!」


 舌で乳首を弾いたり、


「んぅうっ……はぁぁっ…ん……!!」


 ひたすら自身の欲望に従って恵の乳首を責める。


 倫也はそれだけでは飽き足らず、もう片方の胸にも刺激を与えていく。

 さっきまでと同じように胸全体を揉みしだきながら、時折乳首をきゅっと摘む。やっていることは同じでも、さっきまでとは違って両方の胸を責めていることになり、より恵の反応も大きくなっていた。


「んあっ…!あぅんっ……はぁんっ……!……やあぁん!」


 恵は襲いかかる快感に必死に耐えているようだった。両手をすでに服から手を離していて、片方の手はぎゅっと布団のシーツを掴み、もう片方の手は口元を押さえていた。それ以上、大きな声を出してしまわないように耐えているように見えた。


 そして、倫也はしばらく恵の胸への責めを続けて、恵の反応を楽しんだ後、その動きを止めて胸から顔と手を離す。


「ぁ…………」


 長く続いた快楽からようやく解放された恵は安堵のため息をつきつつも、もう辞めてしまうのかというような物欲しそうな表情も浮かべていた。


「恵、…下も触るぞ?」

「ぁ……う、……うん」


 恵は倫也のその言葉に一瞬躊躇いながらも、コクリと頷く。

 倫也は馬乗りだった状態から、また恵の隣に横たわり、ゆっくりと恵の下半身に手を伸ばしていく。そして、下着の上からではあったが、恵の大事な部分に中指をつうっと這わせた。


「ああんっ!」


 その場所はすでに愛液でひどく濡れていて、下着はずいぶんと湿り気を帯びていた。倫也はそんな湿り気を帯びた下着の奥にある秘裂に沿ってゆっくりと中指を上下に擦りあげる。


「くふぅぅんっ……!はあぁん……!んんんぅぅぅっっ……!!」


 恵に襲いかかる快感はかなりのものだったようで、恵は声が漏れないようにと口元をさらに強く押さえていた。

 倫也はそんな必死に声を出さないように耐えている恵に気がついた。倫也はもっと感じている恵の声が聞きたくて、恵の隠さない姿が見たくて、口元を押さえている恵の手を掴む。


「俺、恵の声が聞きたい……気持ちよくて、感じてる声が聞きたい」


 倫也は恵を真っすぐに見つめながら自身の欲望を伝えた。

 そんな倫也の真っすぐな目で見つめられた恵はそんなお願いを断るなんてできるわけないようで、顔を真っ赤に染めながら、恵は口元を押さえていた手を外す。


「ああんっ!……と……ともや、くぅっ!……ん、はぁっ……気持ち…っ……いいよぉ……」


 口元を押さえていた手が外れたため、恵の嬌声がより大きく倫也の耳に届くようになる。それと同時に、声を出すのを我慢していた恵のタガも外れたようで、恵の口から漏れる嬌声も明らかに快楽の色が含まれるようになっていた。

 さらに倫也は下着の上から、割れ目に沿ってなぞるように上下に指を動かす。特に割れ目の上部にある凸部に軽く触れただけで、恵は特に大きな反応を見せる。


「あああっ……!んああっ……!ひゃあんっ……!!」


 それに気づいた倫也はその少し膨れた凸部を重点的に責め立てる。

 もっと、恵の感じる姿が見たい、もっと恵の感じている声が聞きたいと。


「はああぁんっ……!!んんんっ……!!あああんっ……!!」


 倫也の欲望は止まらなかった。下着の上から触れていた手を一旦離し、そして、ゆっくりと、下着と腹部の間に手を差込み、恵の秘部に直接触れた。


 くちゅ……ちゅぷ……


 そこはもう既に恵の愛液でとろっとろにいやらしく濡れていた。

 倫也の指が恵の秘部の割れ目に触れて、その割れ目に入り込もうとするだけで粘着性のある水音が聞こえてくる。


「ああんっ!そこ……やあぁん……!んああっ……!はああんっ!」


 もうすでに恵の秘部は倫也をいつでも受け入れられるようにと愛液が大量に溢れ出ていた。それは倫也がゆっくりと丁寧に愛撫をしてきた成果でもある。

 だからといって倫也はこのまますぐに挿入するつもりはなかった。倫也のそれを入れるときに痛くないようにもっと丁寧にほぐしてやる必要があると思ったから。

 倫也は恵の秘裂のその奥に指を入れていく。ぬるぬると愛液で濡れたそこはいとも簡単に倫也の指を物欲しそうに飲み込んでいった。倫也は飲み込まれたその先で、縦に横にとゆっくりと動かす。そのたびにいやらしい水音と恵の嬌声が二人の耳に届く。


 くちゅ……ぬちゅっ……ちゅっ……ちゅ……


「ああっ……!んうううっ……!くはぁぁっ……!はああんっ……!」


 さらに、倫也は下着の上からでも反応が良かった突起部分を触る。恵の愛液という潤滑油で倫也の指が濡れていたおかげでぬるぬると滑らかに指が動く。その突起部を指先で円を描くようにくりくりと触れてやるだけで恵の体は大きく反応する。


「そこっ、だめ…ぇ、……気持ち、よすぎ…てっ……!」


 恵の口から拒否の言葉が聞こえてきたが、倫也は手を止めることができなかった。

 恵をもっと気持ちよくさせたいと、もっと感じさせたいという欲望が勝っていた。だから、倫也はそのまま手を止めることなく、逆にその指の動きを強く、速くする。


 ちゅぷっ……くちゅっ……ちゅ……ちゅぷっ……


「ああっん!とも、や……くん…!……だ、だめって、そこはだめぇっ!んああっ!」


 ぬめりを帯びた水音とともに恵の嬌声が響く。

 そして、そのまま陰核を弾くように撫で上げた。


「いっ、……ちゃ、、うぅっ………んんんんぅぅぅぅぅっ!!!」


 その瞬間、恵の甲高い声とともに体が大きく跳ねる。恵が絶頂を迎えた瞬間だった。

 数刻の間、びくびくと大きく身体を痙攣させた後、そのまま恵はぐったりと脱力する。


(や、やり過ぎちゃった……?)


 倫也は恵の絶頂を迎えた姿を見てはっと我に返り、慌てて手を止めて、恵の秘部から手を離す。

 倫也は恵に声をかけようとするが荒い呼吸でまだ絶頂の余韻に浸る恵に声をかけるのは躊躇われ、少し待ってから声をかけることにした。


「め、恵……だだ、大丈夫?」


 そんな恵を心配そうに気にかける倫也とは裏腹に、恵は横向きに倫也と向かい合うように体勢を変えて、少し嬉しそうに答える。


「ね、倫也くん……?あのね、すっごくね、

 その、………………気持ち……いいよ」


 その最後の言葉は恥ずかしかったようで、躊躇いながらもその言葉を紡いでいった。

 その言葉を発した少しあと、恵は不安そうな表情を浮かべる。そして、倫也の手を取ってぎゅっと握った。


「……初めてって痛いって聞いてるからさ、ちょっと……怖いんだよ?……でも……倫也くんとなら、絶対我慢できると思うから、改めてお願いするよ?」


 さらに、恵は倫也の手をより強く握った。

 倫也が少し痛いと感じるくらいに。その手は少し震えていた。


「私の、初めて……大切にしてね?」


 破瓜の苦痛に対する恐怖があって、手も震えているのに、恵は倫也と一緒なら大丈夫と言わんばかりに微笑んでいた。


 倫也は行為の前のやりとりを思い出す。

 初恋も初キスも取られてしまって、だからこそ恵は倫也の初めてをもらうことを切望していた。そう言った背景もあって、この恵の言葉はこれまでの恵の言葉の中で一番の倫也の心に刺さっていた。しかも、そんな言葉を本読みでもアドリブでもない、リアルで本当に正しいシチュエーションで言われたおかげで、倫也の心はキュンキュンと鷲掴みにされる。


「ああ、絶対に、絶対に大切にする!」

「ふふっ……」


 倫也は恵に握られた手を強く握り返した。

 恵は倫也のその反応と言葉を信じると言わんばかりに、ちょっとだけ笑った。そして、倫也の背中に手を回して倫也を抱きしめる。二人の身体の距離がゼロになり、そのまま恵は自らの唇と倫也のそれを重ねる。


「ね、倫也くんも脱いで」


 重ねた唇を離した後、そう言って恵は着ていたキャミワンピと下着を脱ぎ始めた。

 倫也もその言葉に従って、着ていた服を脱いでいく。


 着ていた服を全て脱いで、一糸まとわぬ生まれたままの布団に横たわる恵の姿は一言で言えば『綺麗』だった。先ほどまでの行為で火照った身体は、うっすら桃色に染まって汗ばんでいる。さらにはつんと上向いた少し大きめ美乳に、細くくびれたウエスト、整った顔立ち。加藤恵を構成するあらゆる要素が、美しさを強く主張してきていた。

 倫也は先程までと同じように恵の上に覆い被さるようにして、貪るようなキスを始める。


「んっ……あっ!……はぁ……んっ……んんっ!」


 加えて片手では秘部をほぐすように、秘裂をなぞったり、指を少し奥まで入れたりする。恵の秘部は先程と変わらないくらいにとろとろと愛液を溢れさせていた。


「う……っ」


 唐突に倫也の陰茎にぞくりと快感が走り、思わず声が漏れる。

 倫也は思わず恵から口を離し、自分のそれを見ると、恵が触っているのが見えた。


「め、恵?…何で触って…」


 掌で軽くなでるだけの優しい触れ方だったが、自分以外の手で触れられるのはいつもと全く違う感覚で、十分に硬くなっていた倫也の陰茎がびくっと反応し更に硬度を増していく。


「んぅっ……だっ、て、……あんっ……わたしばっかり……なんだよ…?ともや…くん、んんっ……にも気持ち良くなっ……て欲しいんだよ……っ?」


 恵はそう言いながら、倫也の陰茎を撫でるようにして触り続ける。


「こ、これで……んぅっ……良いのかなぁ…?」

「あ、ああ、っ……それでいいよ…軽く撫でるだけでいいから…っ……」


(自分で触るのと違って……、気持ち…いい……っ)


 恵はどうしたら気持ち良くさせることができるのかはわかっていないようで、なぞったり、撫でたりするだけだったが、そんな恵のたどたどしい触り方が逆に倫也を刺激する。

 自分で触るときと違う細い指先が、小さな掌がいつもと違う動きで倫也の陰茎を刺激する。


「恵、その、触り方…気持ちいい……っ」


 指先でなぞられたり、掌で軽く握られたり。特に手のひら全体で撫でられたときに、カリ首周辺を触られる時が特に強い快感が全身を駆け巡る。


「とも…や、くん、……わたしも……はぁっ……気持ちいいよ…んんっ」


 お互いがお互いを想って、気持ち良くさせ合っているこの状況が、より倫也の快感を増幅させていた。

 それは恵も同じようで、さっきまでよりも、快感に溺れるように、悶えるように切ない表情を浮かべていた。

 そして、一度離した唇をもう一度重ね合わせて、再びキスを貪りあう。ひたすら、好きな人に気持ちよくなって欲しいと願いながら。


 ただ、それも長くは続かなかった。そろそろ倫也の方が限界に近づいてきていたからだ。これ以上、恵に触られ続けると、暴発して全部出してしまいそうだった。

 倫也は唇を再び離し、恵の秘部からも手を退ける。秘部から退けた指先は恵の愛液で銀色の糸を紡いでおり、それくらいに恵の秘部はとろっとろで、倫也を受け入れる準備は十分だった。


「恵、これ使うよ?」


 そう言って、倫也が枕の下から手に取ったのは恵が用意していたコンドーム。恵がわざわざ倫也とのこんなシチュエーションを想定して用意してくれたから、敢えてそれを使うことにした。

 倫也はコンドームの封を開けて慣れない手付きで何とか自分の陰茎に取り付ける。

 そして、倫也は恵の両足の間に割り入り、両膝の裏を持って、足を開かせる。それによって恵の秘所が丸見えになる。初めて直接見る恵の秘所は愛液でぐっしょりといやらしく濡れていて、倫也にはそれが凄く煽情的だった。


「恵、……挿れるよ?」

「……うん…………」


 倫也は恵に最後の確認をする。倫也のその顔は緊張で凄くこわばっているのに、一方の返事をする恵は苦痛を伴うと知っているはずなのに、倫也とは対称的でうっすらと笑顔を浮かべていた。

 そして、倫也は自分の硬くなった陰茎を手で支えて、恵の秘部にあてがう。


「んっ……」


 くちゅっ、とぬめった水音がして、恵の口から小さく声が漏れた。そして、陰茎の先端を下の方にゆっくりとずらしていき、挿れるべき場所を探る。


「んんぅっ……はあぁんっ…!」


 そうやって、恵の陰唇を陰茎の先でなぞられるだけでも、恵の口から喘ぎ声が漏れた。

 そして、その場所を見つけると、倫也はゆっくりと腰に力を入れて奥に進めようとする。

 先端だけが少し触れるだけでも恵の中の熱さが、圧力が伝わってくる。一人では絶対に味わうことのできない感覚だった。


「……くぅっ……んんっ…………つっ……」


 倫也の陰茎が入り込もうとする一方で、恵の表情は苦痛で歪んでいた。

 それ以上、陰茎を入れようと力を入れても、何かが当たって先に進めない。その何かが処女膜と気づくのに時間はかからなかった。やはり、女の子の初めてを奪う際には痛みを伴うことが恵の顔から明確に伝わってくる。


(これ以上は……恵が、苦しいよな……)


 苦痛の表情の浮かべる恵に対してこのまま力を入れて進もうとすると、恵をさらに苦しませてしまうという恐怖に襲われる。そんな時、恵はそんな倫也の心情を察したのか、苦しい表情に少しだけ口元を緩ませながら、両手を伸ばして倫也の顔を包み込む。


「いいよ………倫也くんなら、……わたし、我慢、できるよ……?」

「っ…………ごめん…、ちょっとだけ、我慢してくれ……」


 おそらく自分の顔は酷く情けない顔をしてたのだろうと倫也は思った。

 そんな自分を気遣って恵がそう言ってくれたから、ここで引くという選択肢はもうない。

 倫也は自分の顔を包む恵の両手を取り、それぞれ五本の指を絡ませて強く握って顔の横に押し付ける。そして、また唇を重ね合わせて、お互いの舌を絡め合わせる。少しでも痛みを紛らわせるため。恵が痛くないようにできる限りのことを尽くす。

 そして、またゆっくりと腰に力を入れてゆっくりと奥に進もうとして、行きどまったところで、力を込めて恵のそれを貫いた。


「んんんううぅっ……!!」


 破瓜の痛みに恵の顔が歪み、呻き声が漏れる。


「め、恵…っ、だ、大丈夫?うっ…く…」


 倫也は恵を気遣って声をかけるが、倫也の方もかなりキツかった。

 恵の奥の奥まで自身の陰茎が包み込まれる快感は耐え難いものだった。きゅぅうと膣肉が締め付ける圧力、膣内の熱さ、何もかもが初めての感覚に倫也の陰茎は早くも爆発寸前だった。


「うぅんっ……!……だ……はぁ……大丈夫、だよ……倫也…くん……全部、入っ、てるよぉ……!」


 倫也が恵の顔を見ると、苦しそうな、嬉しそうな笑顔で、その瞳からは涙が零れていた。

 そんな恵の表情に愛おしさを感じて、思わず恵を抱きしめる。


「恵……すごく、気持ち…いい……っ」


 恵を抱きしめたことによって、彼女の顔が目の前に来ていて、倫也はそのまま唇を重ねる。自身の舌を恵の口唇に割入れ、あっという間に恵の口腔内に侵入する。舌先で恵の舌を絡め取りながら、口腔内をかき回す。


「んちゅっ……ちゅっ……、れろぉ……倫也、くん……んやぁ…」


 舌と唾液が絡み合い、といやらしい水音が聞こえる。時折、恵の舌や唇を吸いついたりしてひたすらあちこちを責める。少しでも破瓜の痛みが和らぐように、紛らわせるように。

 しばらく、恵の口内を犯し続けたあと、倫也は唇を離す。高まっていた射精衝動も少しだけ落ち着いてきており、再び快楽を求めて動き始めた。


「恵…動くよ……」


 倫也はゆっくりと動く。ゆっくりと自身の陰茎を引き抜きながら、ゆっくりと奥に押し込んでいく。それは恵のためでもあったし、自分のためでもあった。処女を奪った直後は痛いと思ったから。そして、きつい膣内を少しでも早く動かしてしまうとすぐにでも暴発してしまいそうだったから。

 倫也が陰茎を引き抜こうとすると、膣肉と擦れあって耐え難いぞくぞくとした快感に襲われる。そんな快感に倫也は堪えつつ、逆にまた押し込んでいく。押し込む場合も同じだった、膣肉が倫也の陰茎と擦れ合い、快楽を否応なしに与えてくる。さらに膣肉は倫也の精を搾り取ろうと倫也の陰茎をきゅうぅと締め付けてきて、その快感が強烈で腰が砕けそうになりそうだった。


「うぁぁっ……恵……っ、」

「ああんぅっ……!ああっ、倫也くんっ……んぅうぅぅ…っ!」


 快感に溺れていたのは倫也だけではなかったようだった。倫也の動作に合わせて恵も身体をびくつかせながら嬌声をあげている。その快感によって、いつの間にか恵の表情は蕩け切っていた。瞳は潤んでいて、口は半開きで、完全に快楽に飲まれ切っているようだった。

 その表情を見て、倫也が言葉を漏らす。


「恵っ……かわいい……くぅっ……」

「んあぁっ、なに…を、んぅっ!言って……んんっ!!」


 恵は倫也の言葉が予想外だったようで、恥ずかしさから顔を真っ赤に染めてその言葉を否定しようとする。

 しかし、倫也の動きがそれを許さない。


「すごく……かわ、いい……うぁっ」

「やぁあっ、わたし、んんっ……そんな……ふああぁっ!」


 恵が否定の言葉を紡ごうとすると、倫也が腰をゆっくりと引き、ゆっくりと深く奥まで押し付ける。

 その動きによって、恵に快感を無理矢理与えて、喘ぎ声で黙らせる。


「恵が、すごく…えっちな顔してて、めちゃくちゃ……かわいいっ!」

「やぁああぁっ…!んんああっ…!ああぁぁっんっ!」


 恵は襲い来る快楽に抗えないようで、否定する言葉を紡ぐことができず、ひたすら甘い嬌声を上げることしかできなくなってきていた。


「んあぁっ……はぁぁん!…んんぅっ!…んやぁんっ!!…ふあうぅっ!」


 快感に襲われているのは倫也も同じだった。倫也も陰茎が膣肉に擦られて、下腹部を中心にして全身に快感が広がっていく。陰茎を包み込む圧力が、膣肉の熱さがより倫也に快楽を与えようと責めてくる。陰茎を出し入れするたびに、特にカリ首に強い圧力がかかり腰が引けてしまうくらいの強烈なぞくぞくとする快感に責められる。


「うぁぁぁぁっ………!!」

(気持ち、良すぎだろ…くうぅっ…!)


 倫也は襲い来る快感にひたすら耐えていた。それでも、恵を気持ちよくさせたくて、恵の感じる声がもっと聞きたくて、気持ちよさそうに感じている蕩けた顔が見たくて、恵の腰に両手をかけて、奥に押し込むスピードを上げる。体重をかけて、より奥まで押し込む。ゆっくりと引いて、一気に押し込む。


「んあああぁっ……!はぁぁあん……!んんぅううっっ……!んやぁあんっ……!!」


 その度に恵は嬌声を上げて、びくびくと全身を震わせる。熱く蕩けた肉壁が倫也の陰茎をひたすらに搾り上げて、倫也を快楽で責め上げる。

 それによって強い射精衝動が、恵の中で絶頂を迎えたいという欲望が倫也を襲う。その襲い来る欲望は倫也の理性をも壊しにかかる。


「ごめん、恵っ……くぅっ…ちょっと、手加減できない……ぅあぁっ……!」

「い、いいよぉ……ああんっ!……んああぁっ……!ともやくんの……好きに……はあぁんっ!して、いいよぉ……ああっん!」


 倫也は恵のその言葉を引き金に、さらにスピードを上げる。スピードを上げることによって更に膣肉と陰茎が擦れる抵抗が明らかに大きくなり、襲い来る快感が更に強くなっていった。本当に腰が砕けそうで、頭の中が真っ白になりそうだった。


「うぁぁっ、めぐっ、み……気持ちいいっ、……めちゃくちゃ気持ちいいっ!!」

「わたしも……ああっん!……気持ちいい、よぉっ!すごくぅぅっ……、いいよぉ、……はああぁんっ!!」


 倫也はもう欲望に従うことしかできなかった。ひたすらに快楽を求めて、無闇に腰を動かすしかできなかった。

 そんな倫也の欲望をすんなりと受け入れてくれて、無配慮な動きも全部受け入れてくれる恵に倫也は愛おしさを感じていた。だから、自然とその言葉が出てくる。


「恵、っうぅ…!俺、恵が……うぁっ…好きだっ……!好きだぁっ!」


 そう言って、倫也は恵の体を抱き締めた。かと言って抱き締めながらも腰の動きは止められない。自らの欲望を満たしながらも、恵への愛おしさを何とか伝えたかった。


「わたしも、ああんんっ……すきぃ…っ!だい、好き!とも、やくんがぁ……大好きぃ!!」


 それに対して、恵も倫也を抱き締めながら言葉を返してくれた。

 その言葉が嬉しくて、それと同時に倫也の陰茎が更に大きく硬くなっていくのが倫也自身にも感じられた。


 そして、もう倫也はどんどんと高まっていく射精衝動を止めることはできなかった。どんどんと動きを速く、大きく、激しくさせる。陰茎と膣肉が愛液を潤滑油にして擦れることで、にちゅっ、ぬちゅぅっ、と粘着性の水音が部屋中に響く。下半身を中心に全身が蕩けるような快感が広がる。


「うぁあっ……!めぐ、み……ああぁっ…………!いく……ぞっ!」

「うんっ……あんんっ!!いい……よ、んぁぁっ!……わた、しもぉっ……いっ……くぅぅっんんっ!!」


 倫也は少しでも恵の一番奥底に近い場所で絶頂を迎えたくて、強く、激しく、奥深くまで陰茎を突き動かした。

 そして、限界まで膨れ上がった倫也の陰茎が一気に爆発した。


「くっ…ああぁぁぁっ…………!!!!」

「くぅぅんんんんううぅぅぅ………………!!!!」


 倫也は恵の一番奥で絶頂を迎え、びくびくっと倫也の身体が大きく震える。目の前が真っ白になって、自慰では感じたことのない強烈な絶頂の快感に襲われた。

 恵もその倫也の絶頂にシンクロするように、甘い嬌声を上げ、全身を震わせながら絶頂を迎えていた。

 倫也は自分の全てを恵に捧げるように、最後の一滴まで注ぎ込むように恵の膣内でビクビクと精液を出し続けた。

 恵の方も、倫也から精液を全て絞り出すかのように、倫也の陰茎が跳ねるのに合わせて、きゅうきゅうと陰茎を締付ける。恵はまだ絶頂の余韻に浸っているようで、膣内でびくりと跳ねる陰茎の動きに合わせるように体を震わせていた。


 陰茎の先端から精液が勢いよく溢れ出す快感を大好きな人の膣内で味わう。それはコンドームをつけていたとしたとしても、紛れもなく人生史上最高の快感であり最高の幸福だった。


 そして、絶頂によって力尽きた倫也はゆっくりと恵の身体に倒れ込み、そのまま恵を抱きしめた。恵もそれを受け入れるように、倫也の背中に両腕を回し、力いっぱい抱きしめる。

 激しく乱れた呼吸を整えながら、二人は繋がったまま、お互いの体温を、身体の感触を、そして幸福感を感じあった。


 しばらく、そんな幸福感を感じながら抱き合い、呼吸が整ったところで、倫也は顔を上げて恵を見つめる。


「恵……」

「ん~?」


 恵も何が言いたいのかわかっているような、甘えるような表情で、倫也を見つめた。


「好きだ……大好きだ……」

「……わたしも……大好き……だよ」



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