10 夏も終わり 女性用
あらすじ>
ここは日本の山奥の田舎。久々に帰ってきた主人公を、迎えに来る一人の女の子がいて…
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まだかなー…もうそろそろのはず…って、あ!
来た来た!ちゃんと乗ってるかなー…
あ、やっほ!
よかったー!ちゃんと乗れたんだね!
えー、だってキミってばドジだし…乗り損ねたら次は4時間後だし…ともかく、会えてよかった!
それじゃあ…いこっか。
それにしても、久しぶりだねー
キミに会うのって何年振りだろ…4年?5年?
あ、そっか。おととし一応会ってはいるけど…あれは
いやー…なんというか、大きくなったね。
いや、ほらさ!最後にあったときは…たしか、中学3年生の時だったでしょ?たぶん
その時に比べて背も
小さいころなんか、私のほうが大きかったのに…
あ!ほら見て、
いやー、これを見ると夏も終わっちゃうな~って感じしない?
…しない?あれ?私だけ?そんなぁ!
それにしても、きれいだよね。このぼんやりとした火の雰囲気?
見てて心があったかくなるっていうか…こう…
あ、笑ったな!もう!
…ね、キミ、さ。
あの木の下で…その…覚えてる?
何をって…………ううん、やっぱり何でもない!
だーもう、何でもないったらぁ!
あ、そうだ。
あそこの家のジュンちゃん、わかるでしょ?
そうそう、あの泣き虫ジュンちゃん。
あの子さ、この春から東大らしいよ?
そう、あのジュンちゃんが!びっくりだよね~
はい、とーちゃーく!
いやー、どっかの誰かさんが一本電車を乗り遅れなければもっとお話しできたのになー!
もう真っ暗だよ。怖くない?え?「子ども扱いするな?」って?
ふふ、私にとってはまだキミが子供のころで止まってるんですー!
なんか不思議じゃない?子供のころはあんなに長く感じたこの道も、今通ってみれば意外と早いもんなんだねぇ。
…ふふ、なんかうれしいな。こう、毎年じゃないけど、偶に、キミの顔がみられるなんてさ。それに、知ってる顔と話ができるなんて。
だって、私のこと、見えるのは、キミしかいないしさ。
…それじゃ、そろそろ行かないと。
うん、今年はありがとうね!
今度は時間、間違えないでよ?
また、いつかの夏に会おうね。バイバイ。
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