第26話:アップデート前日
アップデートの前日とは言えども平日は学校には行かなくてはならない。
いつも通り休み時間を過ごしていると同じクラスで一応親友と呼べる遠藤と佐藤が来た。
「おい晴斗!俺達『アースクエスト』っていうゲームの第二期テストプレイヤーに選ばれたんだぜ!第一期は1000人だったけど今期は9000人だからようやくって感じだな!」
「晴斗も第三期に応募してみたらどうだ?お前もゲームは好きだろ?」
そうだ、後輩と一緒にやってることは内緒にしておいて後で驚かせてやるか。
「あーいいかもなそれ。帰ったらやってみるわ」
「そうか、なんか正式リリースしたらうちの学校でギルド立てるらしいぜ。晴斗もそこに来たらいいんじゃねえか?」
あ、めんどい奴だこれ。陽キャヤンキーグループに絡まれたくないから絶対に遠慮したいやつだ。まあ既にギルドに加入してるから関係ないが。
「あー、よく考えておくわ」
まあ考えておくのはどうやってバレずに活動するかっていうことだが。
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アップデート前最後のログインをした。最近の盗賊の話題よりも今はアップデートの話で盛り上がっているらしい。何やら強い敵なども更に出るらしいという事を酒場のようなところで聞いた。まあ酒場と言ってもまだアルコール類は実装されていないのでみんな炭酸飲料を飲んでいるのだが。というか実装されたとして未成年は飲めるのかが気になるところだ。
「アップデートされたらどうしましょうかね?とりあえずは範囲外だったところを見て回りますか?」
「そうだね。ここら辺では見られないようなモンスターとも戦いたいし、実際に日本一周旅行してる気分にもなれるからね」
俺達は日本地図を広げながら候補地にピンを刺していく。
「思ったより候補地が多いな」
「そうですね。素材とかが手に入るところに優先的に行くのもいいかもしれませんね」
ふと武器屋の店主の話を思い出した。
「あ、それだったら富士山とかどう?普通は軽装で登っちゃいけないけど今はステータスとかもあるから登りやすいだろうし富士鋼って言うのが採れる」
「なるほど!富士山山頂からの景色もよさそうですね!」
「それじゃあ明日の放課後出発しようか。それまで準備をしよう」
「ですね。一応魔力回復用の道具とかを集めましょうか」
「ギルドで売ってないかな?一般募集含めればそろそろ50人に届くくらいだし誰かしら余った分を売りに出しててもおかしくないはず」
「あーそう言えばギルド内にメンバー用ショップありましたね」
「そっちの方が利益率が大きいのに安いからほんとに助かる。直売所みたいなシステムだな」
俺達はショップで魔力結晶という砕くと一番近くのプレイヤーの魔力が回復するという道具を幾つか買った。魔導士系の職業じゃない限り余るからやっぱり安く買えた。
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