第22話:新環境へ

龍の倒れた場所に行くと、金色の宝箱が置かれている。中には宝石や装飾品などが入っている。

「全員揃ったな。これより戦利品の配布をする。装飾品はすでに持って行った人もいるが換金アイテムはまだだからな。大人数で挑む前提だから軽く計算しても一人10万ゴールドは配れる。そして装備品を貰っていない人は持って言ってくれ」

ギルマスが発言を終えたのを確認して、装飾品を回収しに行く。

「なんか貴金属が多いな」

「そうですね。あ、このブレスレットとか先輩にいいんじゃないんですか?」

香音に渡されたそれはシンプルなデザインの金製の腕輪だ。効果は素早さと攻撃力が上がるらしい。

「そうだね。前の東京駅地下ダンジョンのバグは修正されてるはずだからさっそくつけよう」

「じゃあ私はこの金の指輪で。素早さと魔力が上がるみたいです」

「俺たちはこんなものでいいかな。後は後日お金を受け取ればいいね」

「じゃあ拠点に帰りましょうか」

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「はー疲れた。途中で買ってきた鯛焼きとお茶がおいしい」

「そうですね。こうしてるとこの部屋にちゃぶ台と座布団が欲しいですね」

「まあ和室だからゲーミングチェアとかを置くわけにはいかないしね」

そう言いながら畳に転がって天井を見る。畳特有のにおいがしてくる。ゲームとは思えはい作りこみだ。

「なんかリラックスできるな。この世界の中で寝たら現実でも疲れ取れるのかな?」

「やってみますか。家具をそろえてからですが」

雑談をしていると館内放送が入る。

「放送なんてついてたんだ」

《あー・・・ギルドメンバーは会議室に集まってくれ》

それだけ伝えて放送は切れる。

「先輩、行きましょうか」

「そうだね。終わったらまたゴロゴロすればいいから」

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会議室に着くと、既に全員が到着していた。いつもの座布団に着席すると会議が始まる。

「まず初めに、イベント報酬について。残った装飾品と換金アイテム、イベント1位の商品からギルド資金を引いて一人当たり合計15万3000ゴールドの支払いだ。受け取ってくれ」

革製の袋に入っていた金貨を受け取る。今まで感じた事の無いような物理的なお金の重みを感じる。

「次に、今後の方針が決まったらしい。今後はβ版の規模の拡大と日本全土にマップの拡大が行われるらしい。新環境に移行する時期は1か月後だ」

ついに東京周辺半径50キロメートルから広がるらしい。探索のやり甲斐がありそうだ。

「最後、それに伴い、我がギルドも一般入団を始めることとする。そのため、初期のここにいるメンバーは幹部とする」

「幹部か・・・くくっ、響きがかっこいい」

レオが右目を抑えながらつぶやく。彼なりの喜びかただろう。

「まあそういうわけで今後もよろしく頼む。会議は以上だ」

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