第14話:新技の習得
放課後、急いで家に帰って『アースクエスト』の世界にログインする。今日は装備を買い替えてから集合だ。
「店主さん、木刀を返しに来ました」
店に入り、店主を呼ぶと、奥の工房から道具を持って出てきた。
「おお、もうレベルは上がったのか?」
「はい、レベル23です。予算は6万ゴールドで強い刀と軽い装備品が欲しいです」
俺は木刀を返却しながら要求を伝える。
「ああ、ちょうどいい素材が入っていいもんがあるぞ。【
店主は黒い石ころを片手に持ちながら説明する。
「魔力を込めやすくなる・・・ってことは魔法剣士みたいな立ち回りができるってことですか?」
「そうだ。【エンチャント】って言うスキルを使えば魔力が少しづつ減っていく代わりに属性攻撃ができる。そしてこの刀はそれに相性がいい。どうだ?今なら3万ゴールドだ」
「買います!」
迷うことは無かった。
【鉄刀(富士鋼2%)★★★】
攻撃力+30
エンチャント効果+5%
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店を出ると香音が立っていた。
「先輩、お疲れ様です。新しい刀買ったんですね」
「そうだな。あとは皮の装備だな。金属製だと筋力が足りなくて速度が落ちるから。香音は何か買ったのか?」
そう言うと香音は金属製の装飾のを取り出した。
「ダンジョンで拾った杖を強化してきました。宝石を紫から白に付け替えてもらったので白魔導士向けになりました」
【白水晶の杖(銀装飾)★★★★】
魔力+35
白魔導士の時:補助効果+5%
「じゃあ冒険に出ようか。今日は南の方に行ってみる?」
香音はマップを見て少し悩む。
「んー、そっちにあるのは海浜都市横浜ですか。行ってみましょう!」
街から離れて南に進む。青い空が広がり、鳥などが飛んでいる。
「こっちは鳥みたいなモンスターが多いんですかね?代わりに昆虫は少ない感じがします」
香音が辺りを見回しながら言う。確かに言われてみればそんな感じがする。
「とりあえず戦いながら進もうか」
少し進むとスライムが現れた。スライムはどこにでもいるみたいだ。
「さっき店主さんから教わったスキル使ってみていい?」
そう聞くと香音は頷く。
「魔力を流すイメージ。ラノベで読んだよくあるやつだ。多分血の流れみたいな感じで想像すれば・・・」
思考を巡らせながら想像を進めていくと、刀が少し蒼白く光っている。そこからさらに使いたい属性のイメージを広げる。燃え上がる刀身を想像する。刀身が熱を帯び、炎が発生する。
《【エンチャント】を習得しました》
「できた!これで斬る!」
刀を振るうとスライムが焼き切れる。威力も上がっているらしい。
「先輩凄いです!あの、私の矢に何かつけたりできませんか?」
「なるほど、やってみようか」
香音から借りた矢を握って【エンチャント】を発動させる。属性は同じく火。
「火矢ができた。香音、これ使っても熱くない?」
香音に差し出す。
「ダメージはないですね。使えそうです」
そう言いながら香音は進行方向にいた鳥を打ち落とす。
「とりあえず試しにみたいなノリで鳥撃ち落とせるの凄いな」
「弓道やってるだけじゃ無理ですよ。ゲームの中だから命中率が上がってるみたいです」
新技を試したところで横浜を目指して進むことにした。
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