始の章参

「━━奴隷だ」

体育館に声が響く。一拍おいて理解したのかクロのほう━出口へと人が殺到した。


「まだ話しは終わってないぞ。''私がいいというまで扉から外へでるな。''」


そういいながら首にかけてある宝石をかざした。


扉から出た生徒やそれに押されたクロは急に苦しみだした。まるで息をうまく吸えなくなったように。


「安心しろ。今戻ってくればそれ以上苦しむことはない。死にたいならそのままでもいいがな。貴様らの代わりなどここに大量にいる。」


扉から外に出た人達は苦しみながらも体育館にもどった。

そして先ほどの奴隷という言葉は嘘ではないと固まっていた人も気づいたようだ。そしてこれから起こることにただただ震えることしかできなかった。


「まぁ、奴隷といってもこちらの言うことを聞いている限りは最低限の衣食住は保証しよう。拒否するものは手をあげろ。今すぐ楽にしてやる。せめてもの償いだと思え。」


そんな言葉を聞いて拒否するものなどいなかった。


「いないようならこのまま話を続ける。まず本日二度目の命令だ。''力を発現しろ。''」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る