始の章弐

男に続いて扉を開けたクロは目の前に広がる景色に驚いた。

マンションのようにいくつも並んだ扉、先が見えないほど長い廊下、その真ん中にクロ達が知っている建物━すなわちクロ達の学校がたたずんでいた。クロが知る限り学校の周りにはマンションのような建物はなく、一軒家がところせましとおかれている立地に建っていたと記憶していた。


「あれの説明もあるからさっさとついてこい」


男はそういいながらあるいていき、クロも混乱しながらもそのあとに続いた。


男に案内されたのはクロもよく知る場所、すなわち体育館である。


「さっさとはいれ。他の奴らももうすでに集まっている」


クロは言われたとおり中に入ると、そこには一年から三年までの生徒と先生らしき姿が見えた。皆一様に何があったのかわからず混乱しているようであった。


しばらくすると校長先生と、案内した男と同じような鎧を来た男が教壇にあらわれた。

校長先生はよく分からない物体を持って話し出した。


「えー、皆さん混乱してるでしょう。私も今この状況に混乱してます。なので隣にいるこの方、ホールさんに話してもらおうとおもいます。ホールさんお願いします。」


「ホールだ。単刀直入に言おう。君たちは異邦人であり、我々の奴隷であると。」







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