第4話
夫は私よりも他の女を選んだのだと、理屈ではわかっていても自分の中の女があなたを許せませんでした。
人の家庭を壊し、家族を奪おうとするその横暴さ。子どもという存在を盾にして不貞を正当化しようとする浅ましさ。突然現れた真っ黒い存在に私の人生は大きく乱され、ぼんやりと見えていた温かい将来を潰されたのです。あなたにわかるでしょうか、この私の気持ちが。
私はいろいろなものを奪われているというのにあなたは私を踏み台にして新しい命も夫も家も手に入れています。何も悪いことなどしていないのになんと理不尽なことでしょう。
だから私は坂東に言いました。私と離婚したければお腹の子を流産させろと。
あなたが私から大事なものを奪うなら、私もあなたが一番大事にしているものを奪ってやりたいと心の底から思ったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます