第3話
最初に坂東からあなたの存在と妊娠を聞いたときはショックで取り乱し、ここではとても言えないような酷い言動を繰り返しました。そして何とか離婚だけは避けられないものかと坂東に何度も問うてみましたが別れたいの一点張りで私の気持ちなど汲み取ってくれようとはしてくれませんでした。
最悪、あなたとの関係は切らなくてもいいから娘を捨てることだけはしないでほしいと泣いて懇願いたしました。しかし坂東は私と娘を捨て、あなたを選びました。身寄りがないというあなたが可哀そうで放っておけなかったのでしょう。
一人の女に惚れこんで夢中になったところももちろんあるのでしょうが、まだ若く、一人で生きて行けそうにないあなたに坂東は男心をくすぐられ、自分の家庭の中では上手に発揮することのできなかった正義感や父性をあなたに与えることで生き甲斐のようなものを感じたのかもしれません。坂東自身の溜め込んで出しようがなかった感情があなた目掛けて爆発してしまったようにも思えます。
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