第2話
新生活は坂東の実家で始めると聞いて驚いております。離婚を機に転職した坂東のためとはいえ、身重の体で慣れない土地で暮らしていくなどあまりに苦労が多すぎるような気がいたします。出産後の生活もご実家から遠ければ大変な思いをすることも多いでしょうに、生涯をかけた決心をされたのですね。複雑な関係性の私たちではありますが、その決断力は同じ女性として尊敬いたします。
さて、坂東とあなたとの関係を知ってから今日までいろいろなことがございました。特にお子さんの存在について私は長く苦悩しておりました。私自身にも娘がいるからでしょう。夫であり父親である坂東がいなくなるという現実を受け止められなかったのです。
お子さんのことは割と最近まで認めることができず、激しい怒りと憎しみの対象としてあなた以上に疎んでおりました。しかし時間が経ったせいでしょうか、少しずつお子さんには大人の事情に関わりも無ければ罪もないということを受け入れられるようになってきました。その思考の変化も私が人の親である故のことなのかもしれませんね。
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