2500字程度のこの短編には、少し怖い結末と少年の淡い恋心、後悔、願い……、様々な感情が込められている。
主人公の少年は事故で片想い相手を亡くし、悲しい日々を送っていた。藁をもすがる思いでやってきたのは亡くなった人と再会させてくれる木。
この木は季節によって姿を変えていくのだが、養分が……、ここはネタバレになってしまうので言えないが、「まさか」と思わず心の中で呟いてしまった。
恋心のために自分があんな目に遭うとは、少年も不安なばかりだ。だが、彼にとってはこれでハッピーエンドだったのかもしれない。
願いは叶ったのだから。短編で味わい深いホラーをありがとうございます。