Re:port 1.5/ミキは出たい
「は〜……」
故郷に一旦、帰った私は盛大な
「ドン引かれた気がするー……」
「まぁまぁ。気にしないでくださいまし、ミキさん。
この間にきっと、お二人の間では、愛が育まれておりますわ」
「むー……」
隣に座ってる、完全に他人事なロマに向けて、私は少し怒りながら立ち上がる。
「そもそも、ロマがいけないんじゃん!
『彼は、後輩くんを愛でていらっしゃるから、それを参考にしたら
「ふっ。浅ましいわね」
「何をぉ!?」
我、関せず感マックスで隣でパソコンをカタカタ叩いているリアが、いきなり会話に入って来る。
ってもいつも通り、ちっとも目線は寄越さないけど。
「コスパが悪いのよ。
『好きです。付き合ってください』。この一言さえ噛ませば、事足りるじゃない。
なのに、くどくどくどくど、回りくどいったらありゃしないわ。
大体、あなたとあの後輩くん、大してキャラ違わないじゃない。
余計に、無意味だわ」
「そんなビジネスライクな感じで、済ませたくないの!
こういうのは、フィーリングが大事なんだから!」
「そうですわ。もっとイベントを
その
「うんっ! 次のキャラ作りだね! 頑張ろっ、ロマ!
あ、リアも特別に混ぜてあげる! ボッチは可哀想だし!」
「そもそも、
リアが
その先にでかでかと眩しく
「……っ!!」
悔しくて、苦しくて、私は座り直し、泣きそうになりながら、
……分かってる。
こんなの、途方の
でも。それでも私は、叶えたい。
だって
この仕事と命を与えられたからには、一番になりたい。
それが無理ならせめて、一度だけでも
誰だって、そう思うよ。だって、それが私達だから。
「フー。
ミキー。ギュー」
「ん?」
決意を新たにしていると、不意に私の膝の上に我らがアイドル、フーたんが座る。
透かさず、私は夢中で抱き締める。
相変わらずの
鳥のパジャマもベストマッチだし。
「よーっし……明日も、頑張るっ!
明日こそ、フミに気付かれる前に、運命を塗り替えてやるっ!」
「フー。
ミキー。がんば
意気込む私に、眠いのを我慢して合わせるフーたん。
もう、
「いや……根本的な問題として、
ま、それはさておき。たった今、レナからプレゼントが送られて来たわ」
言いながらリアは、私達の方にパソコンを動かし、画像を拡大させて見せた。
私を初めてきちんと認識した時の、ナオくんの顔を。
「……ぷっ」
「くっ……」
誰からともなく吹き出し、やがてリアすらも抱腹絶倒となった。
それ
「ちなみに、この時の心情。
『俺に好き好んで声をかける人間とか、この世界に
当たらずとも遠からずというか……」
「い、
私が、ちゃんと!」
「いや、ミキはこっち側でしょうが」
そう。
私と彼とでは、住んでる世界が異なる。
その尺度は、それぞれだけれど、決して少なからず、違っている。
でも、そんな
私は、彼が一番、愛する人となる。
その
それが、それこそが、それだけが、私の使命なのだから。
フーたんをハグしつつ、再び、作戦会議を開始するのだった。
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