第13話 使い分け

「おりゃー!」

「せぇい!」

「細切れにします」


レベル転生をしてから何時間が経過し、三人とも連携がうまくなってきた。

愛情度も全員500以上から動いてないが、それなりに戦力アップはしている。


ホムラの能力は使い方次第で便利な能力になる。

蜘蛛の糸は大体地形を把握していれば、罠として仕掛けられ、耐火効果を付与すれば火炎で簡単に燃やされることはない。


問題は耐性を付けるのにはそれなりに糸が属性魔法や属性攻撃などを受ける必要がある。

どうしたものか……。


ピロン


「ん?」


『ホムラの「魔神蜘蛛の糸」に魔法耐性が付きました。属性は「酸」』


酸性耐性が付いたか。結構いいものだが、欲しいのは炎耐性だ。

これじゃない。


「にぃに!そっちに魔物が行った!」

「わかった」


俺は即座に魔法を放つ。レベル転生をした時、弱い魔法を一つ取得した。それは……。


「【火炎弾】」


炎の弾丸が魔物を貫く。魔物の体は燃え上がり、最終的に黒焦げになった。

弱い魔法なのに……こいつは炎属性が弱点か?だとしても呆気ない。


どこかで基本となる魔導書を見つけ出せば徐々にレベルは上がってくだろう。

次だ、次。



道中の魔物を倒しながら依頼をこなし、宿に戻って休憩する。

ループ状のレベリングだが、大して苦ではない。ゲーマーセンスで慣れてるせいか、ループレベリングは俺のやっていたオンラインゲームでは日常茶飯事だ。


それよりも早くホムラの糸に耐火の能力がつかないだろうか?かれこれ二日目だ。

果報は寝て待てとは聞いた事があるが、あまりグダりたくはないな。


ピロン


「お?」


『ホムラの「魔神蜘蛛の糸」に属性耐性が付きました。属性は「火・炎」「水・氷」「闇」「風」「地」「光」です』


結構耐性がついたな。衝撃耐性が付かなかったのは痛いが、旅をしてるうちに付くだろう。


「よし!次の街を目指すぞ」

「やったー!」

「次はどこの街なのー?」


そうだな。地図で見たところ。

この街から東にある平原を越えて、港町に行こう。確か「ファブラ」と港町か。

この世界、この国の食文化とかいろいろ気になるしな。


翌日、俺達はディヴァンを出て、次の街へと移動し始める。

正直足が必要となるが……。


「兄様、乗っていきます?」


ホムラが3mくらいの大きな蜘蛛に変化した。

蜘蛛人間ってこんなのにも変身できるのか。


「じゃあ、乗ってみるぞ」


ホムラの上に飛び乗り、走ってみてくれと合図を出す。


「行きますよー!」


ものすごいスピードでホムラは走り始める。まるで車に乗ってる気分だな。

まぁこれを見た人は引くと思うが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生者の魔法書~魔導書を読んでレベルアップって俺だけおかしくない?~ ヒラン @daikaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ