第74話 紅夜叉

『死ねェェェ~ーー~ーー……❗❗❗❗

 源内ィィィ~ーー~ーー❗❗❗』

 紅夜叉が雄叫びをあげ、死神のような大鎌を振り下ろした。


「うッわわァァ~~~ーー😣💦💦💦💦」

 咄嗟に僕は固く目を瞑って首を竦めた。



 死んだァ~~ーー❗❗❗



 せっかく源内に転生できたのに……



 念願の美少女 おユウとも夫婦めおとになって、これから毎晩、好きなだけ子作りに励もうとした矢先だ。



 お蘭やお蝶とも愉しい《ハーレム》を創ろうと目論もくろんでいたのに、これで一貫のお仕舞いだ。




 そう諦めた瞬間、青い閃光のようなモノが僕の頭上を駆け抜けていった。




 キィーーーーン❗❗❗❗❗




 僕の首筋で激しく金属同士が、ぶつかり合う凄まじい音が響いた。



「ぬゥ……❗❗❗」

 突然の事に、賊の紅夜叉も唸った。



「うう……」どうなったのか。

 そるそる僕も瞑っていた目を開けた。


「な、何ィィィ~ーー❗❗❗❗」

 疾風かぜを斬って振り下ろされた大鎌の切っ先は僕の首を切断する寸前、青い影の刀剣が受け止めていた。


「お、お、お前はァ~~ーー❗❗❗❗」

 そうだ。


 間一髪、大鎌を刀剣で受け止めていたのは、おランだ。


 僕の頭上を駆け抜けていった青い閃光の正体は、セクシードールおランだったのだ。

 

 鮮やかな青い着物をまとったランが危機一髪、僕を庇ってくれたみたいだ。


 元は、おユウの着物なのだろう。

 ヤケに丈が短く、夜目にも白く長い美脚があらわになり妖艶なまめかしい。

 だが、もちろん、そんな悠長な事を言っている場合ではない。



「ッたァ~~ーー❗❗❗」

 気合い一閃。ランは、大きな死神の鎌を刀剣で受けたまま、敵の脇腹へ強烈な回し蹴りを放った。


 ガッツンと鈍い衝撃音が響いた。


『うう……』咄嗟に、紅夜叉は上腕でガードし、致命傷はまぬがれた。


 だが、それでも賊はかなりのダメージを負ったみたいだ。劣勢はいなめない。


 ランは賊の紅夜叉よりもひと回りほど小柄だが、スピードでは遥かに凌駕していた。




 ※。.:*:・'°☆

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