第59話 精巧なセクシーアンドロイド

「タイムスリップッて言うのは、時間を超越し…… 飛び越える事だ……❗❗❗❗

 例えば、過去へピョーンと行ったりして……❗❗」

 ジェスチャーつきで解説したが、やはり僕の説明では不充分なのか。


「過去へ…、ねぇ……❓❓」

 それほど玄白の理解は得られない。


「ン……、今の説明じゃわからないのか❓」

 もっと上手く説明できれば良いのだが……。現代に生きていれば、当たり前の事でも知らない人間に説明するのは厄介だ。


「うゥ~ン…😔💦💦」

 玄白も腕を組んで唸るばかりだ。


「つまり……、そうだな。例えば……😔💦💦

 ンゥ……、そうだ。江戸時代の侍が……

 戦国時代の織田信長に転生するみたいな事だよ……」

 このプレゼンテーションならどうだろう。


「え…、信長に……❓❓」

 少しは理解したのだろうか。急に表情が明るくなった。


「うん、そうだ…… もっと解りやすく言えば…… 浦島太郎みたいなモノだよ」

「ン…、なるほど、浦島太郎か……❓」

 この方が解かりやすいのか。


「ああァ~……、助けた亀に龍宮城へ連れていかれ、時間を忘れ、乙姫たちと遊んでいると父母が恋しくなって……

 故郷の村へ戻ってみるが、既に父母は亡くなっていて、何百年も経っていた……

 これがタイムスリップだ❗❗❗」

 何で大昔のお伽噺とぎばなしにタイムストップがあるのか、不思議だが……


「うゥ~ン……😔💦💦」

 玄白も戸惑っているみたいだ。


「僕も遠い未来から転生してきた……

 二十一世紀の写楽ッて言うモノなんだ」


「ンゥ~…、二十…、写楽…ねぇ……❓」

 やはり僕の突拍子もない話しに玄白も困惑していた。


 そうこうしている内に、お茶請けを盆に乗せて、おユウが寝室へ戻ってきた。


「お待たせェ……、センセェ……😆🎶✨」

 ピョンピョン飛び回るので危なっかしい。


「あ、ああァ~……」

 もっとゆっくりでも良かったのだが……

「ン…、ゴッホン……😔💦💦」

 邪魔が入ったので咳払いをし、僕と玄白も途中で話を切り上げた。


「ウッフフ…… 玄白センセェ、このお菓子、美味しかったですよォ~ー😆🎶✨」

 どうやら台所で摘まみ食いをしたようだ。

 舌で口の回りを舐めていた。お菓子の甘い匂いが漂ってきた。


「ン……、ああ……、そうか、良かったよ。

 おユウが美味しいッて喜んでくれて」

 玄白も頷き、満足気な様子だ。


「ハイ……、これは、玄白センセェの……

 こっちは源内センセェの分ねぇ❗❗」

 お茶と茶菓子をひとりづつ置いていった。


「うン……」取り敢えず、お茶をひと口 すすった。かなり苦いが甘い和菓子には良く合う。

「ふゥ~……😔💦💦💦」

 多少、渇いた咽喉のどが潤った。


「ウッフフ…… 美味しいィ✨😆🎶✨」

 またひと口、ユウが和菓子を食べた。やはりユウも年頃の女子なのだろう。

 食い気には勝てないようだ。


 僕は玄白を見つめた。彼も僕の話を鵜呑うのみにはしていないようだ。無理もない。


 二十一世紀の僕の居た時代にだって、おランのように精巧なセクシーアンドロイドなど存在していないのだ。


 この短時間で江戸中期の蘭学医に、アンドロイドだの、タイムスリップだのとSF映画のような事を言っても信じてはくれない。


 わかって貰うには、もっと時間を掛けて説明しなけらばならない。


「ン…、ところで…… 源内❗❗」

 改まって玄白が耳元へ顔を寄せて囁いた。


「ン……❓❓」なんだろう。

 真剣な様子だが……






 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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