第55話 杉田玄白

 躊躇なく襖が開かれた。

「おおォ~ー😆🎶✨ 源内❗❗ 

 良かったな❗ 思ったより元気そうで❗」

 笑みを浮かべ彼が部屋へ入って来た。


「ああ……😓💦💦」少し面食らって、僕は曖昧に応えた。

 目の前の彼が、杉田玄白なのか。


 想像していた老人とは違い、若くてイケメンだ。

 それでも流石に蘭学医だ。一見して聡明で理知的インテリ風な面差おもざしをしていた。


「フフ…、蔦屋の旦那から聴いたぞ。

 そのカラクリ人形を預かったそうだなァ~❗❗」

 玄白はニヤリと微笑んで、ピンクゴールドのツインテールをしたセクシードール おランを顎で差した。


「えェ……❓❓ ああ、そうか……」

 なるほど…… ようやく僕も納得した。

 蔦屋の旦那から伝え聴いて、ここに来たッてワケか。


「ぶゥ~ーー~ー❗❗ 

 ダメェ❗ いくら玄白センセェでも、このおランは渡さないわよ✨😒✨✨」

 ユウは大切な人形を庇うように抱えて、玄白を睨んだ。


「フフ……😅💦💦」流石の玄白も照れ笑いを浮かべ肩をすくめた。


 彼は、よくこの屋敷を心得ているようだ。慣れた様子で布団の近くまで来て座布団に座った。


「フフゥ~ン…、そう言う事か……」

 元はと言えば、先に蔦屋の旦那がカラクリ人形のおランを玄白にせたのだろう。

 道理で、セクシーなコスプレをしたおランを見ても驚かないはずだ。


 蔦屋の旦那が玄白に相談していた頃、平賀源内は既に、謎の盗賊『紅夜叉』に襲われ、頭部を負傷し意識不明だったのだろう。


 やはり僕が、このタイムスリップの事を相談出来るとすれば、源内の盟友、杉田玄白しか居ない。


「あ……、おユウ❗❗ ちょっと済まないが、お茶か何かを持って来てくれ❗❗」

 取り敢えず、ユウ抜きで話を進めたい。

「えェ……❓❓」美少女は唇を尖らせ不満顔だ。


「フフ……、悪いな。これは、おユウの好きなお茶菓子だ❗❗」

 手に持った包みを差し出した。

「キャッキャァ~~ーッ😆🎶✨」

 現金なモノだ。小躍りして喜んだ。


 まだまだ おユウは色気よりも食い気なのかもしれない。




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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