第37話 寛政六年……

「ま、まさか……❓ 

 今は…… 寛政何年なんですか……❓」

 驚いて、即座に僕は聞き返した。


「あン……、寛政六年だが…… おいおい、大丈夫か。源内……❓ 頭の方は」

 心配そうに包帯を巻かれた頭を気遣った。


「う、寛政六年ですッて……😓💦💦

 それじゃ……」

 まさか……


「どうした❓ 源内❗❗

 いきなり血相を変えて……?」


「いえ……、じゃ、写楽シャラクは❓

 写楽は、もう、決まってるンですか……」

 矢継ぎ早に質問した。


 東洲斎写楽は、に役者絵を描いて華々しくデビューしていた。

 僕の記憶では確か、そうだ。


 もちろん版元は蔦屋重三郎だ。

 東洲斎写楽は彼のプロデュースした浮世絵師だ。


「え…… なんだいシャラクッて……」

 旦那は眉をひそめた。どうやら旦那は初耳のようだ。


「なんだいッて……、写楽ですよォ~ー❗❗

 東洲斎写楽❗❗ 旦那がプロデュースした稀代の浮世絵師です❗❗」

 僕の名前の由来になった浮世絵師だ。


 東洲斎写楽は、葛飾北斎、歌麿、広重と並ぶ、四大浮世絵師のひとりだ。おそらく世界で最も有名な浮世絵師に違いない。

 しかし写楽は謎に包まれた浮世絵師だ。

 正体は、いまだに確定していない。


「はァ~、プロデュー…ッて……❓❓

 なんだい」


「え、プロデュース、つまり版元です❗❗

 旦那が売り出した写楽ですよ❗❗

 五月に華々しくデビューする❗❗」


「ふゥ~ン……😔💦💦 写楽ねェ……」

 まるで、存ぜぬと言った表情だ。ポリポリと頭を掻いた。


「まさか……」

 ザワザワと嫌な胸騒ぎがした。




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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