第24話 歌麿……

「ケッケケェ……😆🎶✨ どうだ❗ おユウ

 もう少しケツがデカくなったら、歌麿に紹介してやろうかァ~……🎶✨」

 また好色なオッサンは、おユウの桃尻を触ろうと手を伸ばした。


「いやァ~ン……」咄嗟に、おユウは悲鳴を上げて逃げ惑った。


「ちょッと……」どうやら、このオッサンはケツのデカい安産型の美女が好みのようだ。


 やはり現在とは美的感覚が違うみたいだ。



「結構よォ~ー😡⚡ 歌麿ッて…、どうせ、また淫靡いやらしい絵を描く気でしょォ~ー❗❗❗」

 頬を膨らませたユウは、僕の背後に隠れながらプイッとそっぽを向いた。


「ケッケケェ……😆🎶✨ 天下の歌麿だぜェ…… ま、歌麿に描かせるには、まだまだケツが青いけどなァ~~🎶✨」

 平気でセクハラ発言だ。今なら許されない事だ。


「誰がよ❗ プゥ~ー😡⚡💢💢💨 おユウが、全てを見せるのは源内センセェだけよ」

 すぐに僕の背中へ抱きついてきた。


「え……😳💦💦💦」僕だけ……

 そんな事を言われたのは初めてだ。

 頬が火照ほてって紅く染まった。


「ケッケケェ……😆🎶✨ 歌麿に描いて欲しいッて、吉原の花魁おいらんからも依頼が殺到していてなァ~~ー」


「ン……」歌麿か……

 日本の四大浮世絵師のひとりだ。



 おそらく美人画では喜多川 歌麿の右に出る者はいない。

 漫画家のアシスタントをしていた僕から見ても歌麿の洗練された美人画は他の浮世絵師よりも卓越していた。



 喜多川 歌麿こそ数多くの浮世絵師の中で、最も美女を妖艶なまめかしくエロティックに描く絵師だ。

 その事は、版元の蔦屋重三郎も認めている所だ。



 しかし歌麿を紹介すると言う事は、当然、春画のモデルに抜擢したいのだろう。



 有名な浮世絵師、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳らは、全て、春画……

 要するに江戸時代の猥褻エロ本を描いている。


 特に、歌麿の春画は、外国でも有名だ。


 男性の【聖剣】があり得ないほど大きく立派に描かれているためだ。



 版元……

 つまり今で言う出版社は、もちろん蔦重こと、蔦屋重三郎だ。



 ただ唯一、有名な浮世絵師で春画を遺していないのが、【東洲斎 写楽】だ。



 しかしそれに関してはひとつ『秘密』があった。




 写楽別人説だ。多くの小説家や評論家の先生方が、謎の浮世絵絵師 【写楽の正体】を暴こうとしてきた。


 有名な所だけても、三十数人の浮世絵師の名前が上がった。


 葛飾北斎、喜多川歌麿はもとより、変わった所では、秋田の蘭画師やシャーロックと言うオランダの画家、さらには、【平賀 源内】もそのひとりに名を連ねていた。



 だが、僕の見立て通りなら、東洲斎写楽の正体は【葛飾 北斎】に他ならない。


 彼ほど奇特な浮世絵師は他にいない。

 

 まったく名前にこだわらない。弟子たちに次々と画号を売っていた。


 引っ越しを百回近くした事でも有名だ。

 そのため『北斎隠密説』という都市伝説もあったくらいだ。

 

 


 しかし、その事に関しては、後に語る事にしよう。


 今は、それよりも緊急事態が巻き起こった。





 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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