第23話 蔦屋重三郎

「蔦重……❓❓」まさか……

 版元の蔦屋重三郎の事なのか。


 バッターンと廊下側から襖が開け放たれ、五十歳前後の男性が顔を出した。


「よォよォ~~ー……😆🎶✨ 源内❗❗❗

 おいおい、起きたンだってェ……❗❗

 お蝶から聴いたぞォ~ー❗❗❗」

 なんとも豪快な笑い声だ。


「え、お蝶から……❓」ああ、そうか。

 それで、旦那は僕の顔を見に来たのだろうか。


「ケッケケェ……😆🎶✨

 なんだ。やっぱ生きてるじゃねぇ~か。

 嬉しいなァ~~ーー❗❗❗」

 ヤケに陽気なオッサンだ。しかもズウズウしい。


「うう……😓💦💦💦」この中年男性が稀代のプロデューサー……

 版元の蔦屋重三郎なのか。


「あ、蔦屋の旦那……😔💦💦」

 隣りでユウかしこまった。


 おユウの様子をうかがう限りでは、やはり、このオッサンが蔦屋重三郎のようだ。



「よォ~ー……🎶✨ おユウ❗❗❗

 しばらく見ねェ~うちに、一段と美女ベッピンになったなァ~……🎶✨

 ケッケケェ~ーー……😆🎶✨」

 好色そうなオッサンだ。

 部屋に入いるなり、舐め回すようにユウを見た。


「ど、ど~も……😅💦💦 旦那……💦💦」

 おユウも苦笑いを浮かべた。


「ケッケケェ……😆🎶✨ どうだァ~❗❗

 おユウ、だいぶ、ケツの方はデカくなったかァ~~🎶✨💕💕」

 満面の笑みを浮かべ蔦重の旦那は、おユウの可愛らしい桃尻に手を伸ばした。


「キャァァ~~ーー~ッ❗❗❗❗」

 おユウは小さく悲鳴を上げ、腰を引くように旦那の手をけた。


「え……😲💦💦」

 いきなり完全なセクハラだ。

 僕のいた二十一世紀では考えられない。


「おいおい、源内よ❗❗ いきなり暗がりでガッツンか❓❓ ケッケケェ~ー……😆🎶✨

 三日も意識がねぇ~ッて言うから、てっきり おッんだと思ったぜェ……❗❗

 ほら、土産だ❗❗」

 豪快に笑って馴れ馴れしい。

 だが、江戸ッ子らしいキップの良さだ。


「はァ~……😔💦💦 ど、どうも」

 すっかり飲まれてしまい生返事をし、土産を受け取った。


「蔦重の旦那…… 源内センセェも、ついさっき意識を取り戻したンですよォ~ー……」

 おユウもいつになく丁寧な受け答えだ。


「ケッケケェ……😆🎶✨ ッたく、『くれない夜叉』は人殺しもいとわねえからなァ~❗❗」 


「え、あの…、『くれない夜叉』ッて……?」

 なんだろう。女子プロレスラーか……


「ケッケケェ……😆🎶✨ 盗賊さ❗❗

 今、流行りの『大工の棟梁殺し』の下手人ッて、話しだァ~~ーー❗❗」

「な、大工の棟梁殺しの……」随分と物騒な話しだ。


「何でも【くれない夜叉】の面をかぶった盗賊らしいぜ❗❗

 ひとつ間違えば、源内おめェさんも殺されていたかも知れねェからな❗❗」

「はぁ……」やはり蔦重の旦那みたいだ。


 蔦重の旦那と言えば、僕の知る限り、蔦屋重三郎くらいしか思い当たらない。


 だが、まさか…… 本当にこのオッサンが蔦屋重三郎なのだろうか。


「ケッケケェ…😆🎶✨ おユウも綺麗になってェ~

 どうだァ~❗ ケツの方はァ~~ー❓❓」

 またユウの桃尻を触ろうと手を伸ばした。


「ヤダァ~❗❗❗ 旦那ァ~~❗❗」

 また僕の背後に逃げ回った。


「あ、あのですねぇ……😅💦💦」賑やかな旦那だ。

 




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る