第18話 遊郭へ

「センセェ~ーー……👄✨💕」

 不意に、おユウは無邪気に身体を預けながら僕を布団に押し倒した。

 


「わ、わ、わァ~、ちょっとォ~ー😣💦💦」

 思わず、僕は悲鳴をあげてしまった。

 もちろん倒れても布団の上なので痛くはない。


 また美少女は僕の下腹部にまたがった。



「フフ……👄✨💕」

 上から僕を見つめながら、おユウは微笑んだ。



「うう……😳💦💦」

 あどけない美少女には似つかわしくない妖しげな微笑びしょうだ。


 まるで、小悪魔のように妖艶だ。


 

「センセェ……👄✨💕 ありがとう……」

 上からおおいかぶさってきた。柔らかな胸の膨らみが僕の胸板に押しつけられた。

 一気に、下半身が熱く火照ほてってきた。



「え……😳💦💦💦 あ、いや、何が……」

 急に、礼を言われても何の事か、戸惑ってしまう。身体じゅうが熱く火照ってきた。


「おユウを助けてくれて……👄✨✨」

 甘い吐息が僕の頬を撫でていく。 


「え……?」助ける……

 いったい何の事だろう。



「センセェは…… おユウの命の恩人なのよ……」

「ン…❓ 命の……」源内が……

 おユウの恩人…… 

 もちろん僕ではない。



 本物の平賀源内だろう。



 しかしそんな途方とほうもない事をしたのだろうか。



「もし…… センセェが居なかったら……

 おユウは…… 遊郭屋よしわらへ売り飛ばされていたわ……」


「え……」よしわら……

 なるほど、そうか。

 吉原と言えば遊郭ゆうかくか……



 そう言う暗い【経緯いきさつ】があったのか。



 江戸時代、貧乏人が口減くちべらしのため器量の良い娘たちを遊郭へ売っていた。

 当然、おユウくらい可愛ければ、高値で取り引きされる事だろう。



「見て……👄✨✨ この目も髪も……」


「あ、ああ……」

 紺碧の瞳に茶髪の髪の毛。

 そうか。


 この時代、ハーフだとすれば、長崎の出島の出身か……。




 おそらく源内が女衒ぜげんに売られる前に彼女の親から買ったのだろう。



「おユウは……」

 かすかに声が震えていた。


「うン……」

 僕は優しく促すように彼女の華奢な背中を撫でた。


「この変わった所為せいで…… いつもイジめられてきたの……」

 彼女の大きな瞳が涙でうるんだ。

 

「うン……」

 人は自分より弱いモノ……

 奇異なモノを差別する。


 弱いモノは、さらに弱いモノを……

 貧乏人は、さらに貧乏なモノを……



 そして、おユウのようなハーフも容赦なくイジめの対象に……




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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