第15話 黒須《クロス》 久

「おユウの方が、ずっと素敵だよ……」

 特別に、彼女をしたワケではない。


 僕は、この日、おユウを見た瞬間、ひと目惚れをした。


 いや、それは、ただのとは、ほんの少し意味あいが違うかもしれない。




 何しろ大好きだった伝説のアイドル 高原ユウに顔立ちがなのだ。



 ツラく苦しい漫画家のアシスタント時代、救ってくれたのがアイドルの高原ユウだった。


 どんな仕事に悩まされてもユウの笑顔で、どれだけやされた事か。


 高原ユウがいなければ、とっくに心が折れていたかもしれない。




 まさに、心の支え……


 憩いのオアシスだった。



 しかし……



 もう二度と妖精のような高原ユウの笑顔を見ることは出来ない。



 あの日、高原ユウは自らの命を絶った。





 熱狂的なファン…… 





 黒須クロス 久と言う男によって高原ユウはアイドルとしての命を絶たれ、自ら『死』を選んだのだ。



 だから……



 もう二度と高原ユウには会えないと思っていた。



 生きている高原ユウの笑顔を見ることは出来ないと……


 


 僕は、不幸にもあのコンビニの駐車場での事故で死んだのだろう。



 だが、江戸時代の平賀源内に転生し、こうしておユウとキスが出来たのは奇跡としか言いようがない。

 


 おユウは大きな紺碧の瞳で僕を見つめた。

「本当に……」

「ああ……😳💦💦」はにかんだみたいな笑顔で応えた。



「あのギツネよりも、おユウの方が好きィ……❓」

「うン…、好きだよ……😳💦💦」

 好きと言う感情は比較するモノではない。

 しかし今はユウの事が一番大事だ。

 

「おユウだけを愛してくれる❓」

 濡れた瞳が妙に妖艶なまめかしい。


「あ、ああ……😳💦💦 もちろんだよ……」

 しっかりと頷いた。おユウを愛している事は確かだ。


 僕たちは、敷きっぱなしの布団の上に向かい合って腰を下ろした。





 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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