第14話 熱烈なキス……

 思わず僕は首を竦め、固く目をつぶった。

 一瞬、本気で首を切断ハネられて死ぬのを覚悟した。

「ゥ、ンゥ……😣💦💦💦」

 息を詰め、緊張で身体じゅうの筋肉が硬直した。


 だが、次の瞬間、僕の唇に何か、柔らかなモノが押しつけられた。


「え、え、えェ……❓❓」訳が解からない。

「ううゥ~ーー❓❓」これは、いったいナンだろう。

 この唇に、押しつけられた柔らかな感触は……


「ンゥ~…👄✨✨💕」かすかに喘ぐような吐息が漏れた。

 甘い薫りが僕の鼻孔をくすぐった。

 美少女の吐息のようだ。


「うゥ~……❗❗❗❗」まさか、これは……

 そうだ。瞑っていた目を開くと、ようやく理解した。


 どうやら、おユウが刀を振り下ろしたのは『フェイク』だったみたいだ。


 僕の唇に押しつけられたモノは間違いない。可憐なおユウの唇だ。

 美少女が抱きつき強烈な口づけをしてきた。


 僕も華奢な美少女の身体を抱きしめた。

 柔らかくてあたたかい。

 息づまるようなキスだ。


 さっき生まれて初めてのキスをしたばかりだと言うのに、もう二度目の口づけだ。


 なんて、ラッキーなことだ。


 マジで、源内に転生して良かったと言えよう。



 ブサイクで将来性のない漫画家のアシスタントの僕からすれば、夢のような瞬間だ。




『ああァ~~……』天にも昇る気分だ。

 このまま、時間が止まってくれたら…… 




 今ごろ心臓がドキドキしてきた。



「ゥ、ンゥ~……」

 僕は安堵の息をつこうとしたが、美少女に唇を塞がれているため容易な事ではない。


『セ、センセェ……👄✨✨』

 美少女は唇を重ねたまま、湿った声音こわねで僕を呼んだ。


「うン……」僕も声にならず、かすかに頷いた。

 

 ゆっくりと美少女は舌を僕の上唇へ這わせた。


『こ、これは……』

 美少女の舌が口の中へ忍び込んできた。

『ああァ~~……』

 僕も呼応し舌を絡めあった。美少女の甘い唾液が注がれた。蜜のように甘くまろやかだ。


『ゴックン……』

 ついに僕たちはひとつに結ばれた。


 思えば、ほんのつかだったのかもしれない。

 しかし僕に取ってはかなりの長時間に感じた。



『ン…👄✨✨ どう、センセェ……』

 抱き合いながら訊いてきた。


『うン…、スゴく…… 気持ち良いよ……』


『あのギツネよりも……』

『え……』そうか……

 比較をするほど経験はない。


 お蝶との【ファーストキス】はあまりにも衝撃的で記憶にない。

 けれども、おユウとのキスも負けず劣らずショッキングだ。

 夢のような経験だ。



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