第2話 呪いの廃屋

「住む人のいなくなった平屋の家だよ。呪われてるって噂だけど」

 おれが、言葉をもつれさせながら説明すると、高田はポンと手を拍った。

「それでいこう」

「なにが」

「演劇部の歓迎会は、そこでやる。いかにも雰囲気が出て、演劇部らしい演出も出来そうだ」

 おれは、悲鳴を上げた。

「おい、そんな廃屋なんかで歓迎会をするのかよ!」

「このごろ出し物が、平凡でつまらないという評判がある。場所を変えて、心機一転すれば、新しい演劇のアイデアも出るかも知れない」

 部長はすっかり乗り気になっていた。  

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