姚興43 対東晋1    


しょくで反乱を起こした譙縱しょうじゅうは使者を飛ばし、

桓謙かんけんによる助力を求めた。

桓玄かんげんの敗北以来、後秦こうしんに亡命していた、

彼に長江ちょうこうに乗って、劉裕りゅうゆうへのリベンジを

果たしてほしい、と考えたのだ。


姚興ようこう、桓謙にどうしたいかを問う。

桓謙は行かせてください、と語った。

そのため、派遣を許可。


やってきた劉裕麾下、劉敬宣りゅうけいせん軍。

初戦では蜀軍を、大いに破る。

なので譙縱は姚興に援軍を要請。

姚興は姚賞ようしょう王敏おうびんの率いる二万を派遣。

劉敬宣軍は撤退した。


譙縱は改めて姚興に遣使、名産品を献上、

姚興への服属を宣言した。

そこで姚興は韋華いかに祭具類をもたせ、派遣。

譙縱を大都督、相國、蜀王とし、

九錫を加え、しん期の王への封爵に

準じた手続きを、譙縱に対してなした。




蜀譙縱遣使稱籓,請桓謙,欲令順流東伐劉裕。興以問謙,謙請行,遂許之。王師伐譙縱,大敗之,縱遣使乞師於興。興遣平西姚賞、南梁州刺史王敏率眾二萬救之,王師引還。縱遣使拜師,仍貢其方物。興遣其兼司徒韋華持節策拜縱為大都督、相國、蜀王,加九錫,備物典策一如魏、晉故事,承制封拜悉如王者之儀。


蜀の譙縱は使を遣わせ籓を稱し、桓謙を請わば、令し流に順じ東に劉裕を伐たしめんことを欲す。興は以て謙に問う。謙の行を請いたるに、遂に之を許す。王師は譙縱を伐ちて之を大いに敗らば、縱は使を遣わせ師を興に乞う。興は平西の姚賞、南梁州刺史の王敏を遣わせ眾二萬を率い之を救わしまば、王師は引還す。縱は使を遣りて師を拜し、仍ち其の方物を貢ず。興は其の兼司徒の韋華を遣りて持節を策し縱に拜し大都督、相國、蜀王と為し、九錫を加え、物典の策すこと一に魏、晉が故事の如く備え、承制封拜せること悉く王者の儀が如くす。


(晋書118-5_政事)



うゎお、くっそオモシロ……第一次譙縱討伐周りっていまいちよくわかんなかったんですが、後秦もきっちり噛んでたんですね。これはワクワク不可避。にしてもこのときって蕭承之しょうしょうしはどう絡んでたのかな。南斉書のあのぼやかし方だと譙縱に消極的参与、みたいな感じ臭いけど。


ともあれこの辺に関しては、十六国春秋がもうちょい解像度上げて教えてくれていますので、次話は同じあたりの十六国春秋です。

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