姚興44 対東晋2
十六国春秋では、
以下のように記している。
密かに
やがては
姚興が桓謙に意向を聞くと、
こう答えがあった。
「我が一門は、南の故地にて
代々恩寵を授かっております。
見捨てるわけにも参りますまい。
そのときは譙縱殿とも手を携え、
長江を下りましょう。
かくなれば、民は必ず劉裕めの討伐に
一致団結して参りましょう」
それを聞き、姚興は言を継ぐ。
「心配なのは、そこではないのだ。
小水が巨魚を容れ切れぬ、
この点を憂慮しておる。
どうして譙縱は、
わざわざあなたの力を請うのだ?
自力でどうにかできるだけの
力があれば、助力など必要あるまい。
どうか、あなたにとって
幸多き選択をなされよ」
とは言え、姚興としても
桓謙をとどめおくことはできない。
結局、桓謙は出発。
桓謙は
すると譙縱、
自分で呼び出したにもかかわらず、
桓謙のこのふるまいを警戒。
この扱いに、桓謙は号泣。
弟たちに言っている。
「姚興殿は、こうなることを
見越しておられたのか!
神通眼の持ち主であらせられた!」
そんななか、劉敬宣が蜀に進撃。
自らは
連戦連勝で、成都に迫る。
これに恐れた譙縱が、
姚興に軍を依頼した。
つまり桓謙は、この時には
何もさせてもらえなかったのだ。
蜀譙縱又與盧循潛通、上表、請桓謙為助、欲順流東伐劉裕。興以問謙。謙曰:「臣之累世著恩、荊楚若得、因巴蜀之資、順流東下。民必翕然響應。」興曰:「小水不容巨魚。若縱之才力、自足辦者、亦不假君、以為羽翼。宜自求多福遂遣之。」謙至成都、虛懐下士、縱疑之、置於龍格、使人守之。謙泣謂諸弟曰:「姚主之言、神矣。」八月、劉敬宣既入峽、遣巴東太守溫祚以二千人、出外水。自帥益州刺史鮑陋、輔國文處茂、龍驤時延祖、由墊江、轉戰而前攻。縱敗之、縱遣使乞師於興。
蜀の譙縱は又た盧循と潛かに通じ、上表し、桓謙に助を為さんと請い、流に順いて東に劉裕を伐たんと欲す。興は以て謙に問う。謙は曰く:「臣は世を累ね恩を著く、荊楚を若し得たらば、巴蜀の資に因りて、流に順いて東下せん。民は必ずや翕然響應せん」と。興は曰く:「小水は巨魚を容れず。若し縱の才力、自ら辦ぜるに足らば、亦た君を假し以て羽翼をは為さざらん。宜しく自ら多福を求むべし」と。遂に之を遣る。謙は成都に至り、下士に虛懐し、縱は之を疑い、龍格に置き、人をして之を守らしむ。謙は泣きて諸弟に謂いて曰く:「姚主の言、神たらん」と。劉敬宣の既に峽に入れるに、巴東太守の溫祚を遣りて二千人を以て外水に出だしむ。自らは益州刺史の鮑陋、輔國の文處茂、龍驤の時延祖を帥い、墊江を由し、轉戰し前みて攻む。縱は之に敗す。縱は遣使し興に師を乞う。
(十六国118-10_識鑒)
同じ内容が晋書74巻、
にしても譙縱ェ……。
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