姚萇4  天王として立つ 

姚萇ようちょう尹緯いんいの言葉に従い、

384 年、大將軍、大單于、萬年秦王を自称。

あくまで自らは天子の代行であるとした。

大赦をなし、白雀はくじゃくと元号を設定。


その組織は、以下のようである。


長史、すなわち軍務に関わる取締。

尹詳いんしょう龐演ほうえん


司馬、すなわち作戦指揮の責任者。

姚晃ようこう尹緯いんい


從事中郎、長史の下で働く。

狄伯支てきはくし焦虔しょうけん梁希りょうき龐魏ほうぎ任謙じんけん


掾屬、姚萇の周辺を守る、だろうか。

姜訓きょうくん閻遵えんじゅん


參軍、作戦策定に関わる幹部指揮官たち。

王據おうきょ焦世しょうせい蔣秀しょうしゅう尹延年いんえんねん牛雙ぎゅうそう張乾ちょうかん


帥、諸指揮官たち。

王欽盧おうきんろ姚方成ようほうせい王破虜おうはりょ楊難ようなん

尹嵩いんすう裴騎はいき趙曜ちょうよう狄廣てきこう黨刪とうさくら。


は、初耳の方ばかりなんですが……。




萇乃從緯謀,以太元九年自稱大將軍、大單于、萬年秦王,大赦境內,年號白雀,稱制行事。以天水尹詳、南安龐演為左右長史,南安姚晃、尹緯為左右司馬,天水狄伯支、焦虔、梁希、龐魏、任謙為從事中郎,姜訓、閻遵為掾屬,王據、焦世、蔣秀、尹延年、牛雙、張乾為參軍,王欽盧、姚方成、王破虜、楊難、尹嵩、裴騎、趙曜、狄廣、黨刪等為帥。


萇は乃ち緯が謀に從い、太元九年を以て大將軍、大單于、萬年秦王を自稱し、境內に大赦し、年を白雀と號し、行事を稱制す。天水の尹詳、南安の龐演を以て左右長史と為し、南安の姚晃、尹緯を左右司馬と為し、天水の狄伯支、焦虔、梁希、龐魏、任謙を從事中郎と為し、姜訓、閻遵を掾屬と為し、王據、焦世、蔣秀、尹延年、牛雙、張乾を參軍と為し、王欽盧、姚方成、王破虜、楊難、尹嵩、裴騎、趙曜、狄廣、黨刪らを帥と為す。


(晋書116-4_為人)



王氏が三人、姚氏が姚萇を含めて四人、尹氏が四人。こうして見るとある程度の規模の氏族集団が連携し合って、その盟主として姚萇を据えたって感じになります。こういう集団の長に据えるだけの実績が、姚萇には間違いなくありますからね。後秦集団だと今のところ名前が出てるのが、この中だと尹緯と姚方成くらい。かれらがこのあと、そして十六国春秋でどう書かれるのか。正直姚萇世代ってずっと苻登ふとうに手を焼かされ続けて終了って感じだから、臣下の動きにどれだけのものがあるのかちょっと不安。

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