釈道安5 仏僧の規範
「この注釈で大丈夫だろうか……?」と、
常に恐れていた。
なので、このように天に祈っていた。
「もし愚僧の解釈が
さほど悪くないのであれば、
やがて、そんな釈道安の夢に
白頭長眉の仙人然とした男が現れた。
男はいう。
「you の chu(注)は good!
me は
未だ留まる身の上だけど、
you の布教が広まるよう、
you を help するよ!
その代わり飯食わせろ(迫真)」
その後釈道安のもとに
「
そこには
「ピンドーラ・バーラッドヴァージャ」が、
托鉢のルールを語る、という一節があった。
これを見て、頭に電球を灯した者がいる。
慧遠だ。
「釈道安様が夢に見られた変人……
じゃなかった、仙人は、きっとこの
ピンドーラ(以下略)なのでしょう!」
えっ何で?
確かに別の経典に、ピンドーラが
白頭秀眉のひとであった、と記されている。
しかし「食い物よこせ」発言には
いまいちハマってこない。
おそらくは、こんな感じなのだろう。
ピンドーラは托鉢のルールについて
厳密に定めた人であったという。
そしてピンドーラは、布教の助けとなる
十誦律を釈道安のもとにもたらした。
あとはこれを用いて布教し、
それから供物をかかさねば、
こうかは ばつぐんだ! というわけだ。
……のか、なぁ? 慧遠さん、
正直何言ってるかわかんないですね……。
ただ、ピンドーラのための供物台を設け、
実際にそこに供物を置けば、それが
各地でのルールと化していった。
釈道安の振る舞いは人々の規範にして、
その学問は三蔵全てに及ぶ。
彼が制定したものの中には
『僧尼軌範』=僧の振る舞い方
『佛法憲章』=信仰におけるルール
があり、これらを大雑把に分けると
以下の三つとなる。
一、経典の講義に関するルール。
二、日々の生活に関するルール。
三、祭典や儀礼に関するルール。
このルールに、あらゆる寺院が
従うようになったという。
安常注諸經,恐不合理。乃誓曰:「若所說不甚遠理,願見瑞相。」乃夢見梵道人,頭白眉毛長,語安云:「君所注經,殊合道理。我不得入泥洹,住在西域,當相助弘通,可時時設食。」後『十誦律』至,遠公乃知和上所夢賓頭盧也。於是立座飯之,處處成則。安既德為物宗,學兼三藏,所制『僧尼軌範』、『佛法憲章』,條為三例:一曰行香定座上講經上講之法;二曰常日六時行道飲食唱時法;三曰布薩差使悔過等法。天下寺舍,遂則而從之。
安は常に諸經に注せるに、不合理を恐る。乃ち誓いて曰く:「若し說く所の甚だ理に遠からざれば、願わくば瑞相を見たらんことを」と。乃ち夢に梵道人、頭は白く眉毛は長かるをを見たらば、安に語りて云えらく:「君が注せる所の經、殊に道理に合いたらん。我は泥洹に入るを得たらざらば、西域に住在し、當に相い弘通を助けん。時時にて食を設けたるべし」と。後『十誦律』の至れるに、遠公は乃ち和上が夢したる所の賓頭盧なるを知る。是に於いて座を立て之に飯せば、處處にして成則す。安は既に物宗に德為れば、學は三藏を兼ね、制したる所の『僧尼軌範』、『佛法憲章』、條は三例を為す。一に曰く、行香の定座は上講經。上講の法なり。二に曰く、常日、六時にして道に行じ飲食唱時の法なり。三に曰く、薩を布くに差や悔過せしむるの等しきの法なり。天下の寺舍、遂に則ち之に從う。
(高僧伝5-5_徳行)
ピンドーラ・バーラッドヴァージャ
これを音写したうちの頭三文字が「
行香定座上講經上講之法
常日六時行道飲食唱時法
布薩差使悔過等法
吉川忠夫&船山徹という化物が「微妙に何言ってんだかよくわかんないですね」と言ってるので、きっとわけわからんに違いないのだ! そーだそーだ!
調べてみると1つ目は行香・定座・上講経・上講で分けられているそうですが、まーそれでも結局のところよくわからん。
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