曇邕3  神に教えを授く 

曇果どんかがうたた寝をしていた時に夢を見た。

現れたのは山の神。

五戒を授けてくれ、という。

ここで曇果、塩対応をぶち決める。


「あ、そう言うのはお師匠にどうぞ。

 あっちにいますんで」


いや!!! やれよお前が!!!!!!

お前を頼ってきたんだろ!!!!!

チェーンストアの

セールスお断りトークかよ!!!


ともあれしばししてから、

曇邕どんよう師匠の元に単衣と帽子を身につけ、

見るからにイケメンな男が

従者二十人を引き連れ、現れた。

そして彼が五戒を授けてくれ、と言う。


弟子から話を聞いていた曇邕、

彼が山神だったのかと悟る。

とは言え、お役目はお役目である。

神に対し、ちゃんと五戒を授けた。


すると神は外国産のスプーンを寄進、

そしてどろんと消えた。



やがて、慧遠えおんが死亡。

訃報を聞いた曇邕は慌てて駆け付け、

天を仰ぎ、その喪失を深く悲しんだ。


慧遠のいない廬山ろざんには、意味がない。

曇邕は長江ちょうこうを遡り、荊州けいしゅうに出、

江陵こうりょう竹林寺ちくりんじで死んだ。




嘗於一時,果夢見山神求受五戒,果曰:「家師在此,可往諮受。」後少時,邕見一人著單衣帢,風姿端雅,從者二十許人,請受五戒。邕以果先夢,知是山神,乃為說法授戒。神嚫以外國匕筋,禮拜辭別,儵忽不見。至遠臨亡之日,奔赴號踴,痛深天屬。後往荊州,卒於竹林寺。


嘗て一時に於て、果は山神の求め五戒を受く夢を見、果は曰く:「家師は此に在り、往きて受くるを諮るべし」と。後に少しきの時、邕は一なる人の單衣の帢を著け、風姿端雅にして、從者二十許りなる人を見、請うて五戒を受く。邕は果が先夢を以て、是れ山神なるを知り、乃ち授戒の說法を為す。神嚫は外國の匕筋を以て禮拜し別れを辭せるに、儵忽し見えず。遠の臨亡の日に至り、奔り赴きて號踴し、天に屬し痛深す。後に荊州に往き、竹林寺にて卒す。


(高僧伝6-32_術解)




五戒

 不殺生戒 - やたら殺すな。

 不偸盗戒 - 盗むな。

 不邪婬戒 - えっちなのはきらいです!

 不妄語戒 - 虚言はやめろ。

 不飲酒戒 - 酒はやめろ。


見方によれば、地元信仰が仏教の教えの元に収まった、って感じなのかもしれませんね。

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