苻登6 参集
前秦将の
五千の兵を率い、堅固な砦を築いて
防備を固めていたが、一方では
そこに飛び込んできたニュースが、
姚萇による、
そこで二人は、お互いの砦の真ん中に
苻堅を王の礼でもって祀った。
そして、ここに来て
二人はすぐさまそこに合流した。
徐嵩は鎮軍將軍、雍州刺史に、
胡空は輔國將軍、京兆尹になった。
苻登は改めて、苻堅を天子の礼で葬る。
また妻の
弟の
また使いを飛ばし、
使持節、侍中、都督中外諸軍事、
太師、大司馬、
またその弟、
撫軍大將軍、并州牧、
とはいえ苻纂、この人事に不満である。
自分の官位うんぬん、ではない。
使者に対し、怒りながら言う。
「苻懿様こそが苻堅様のお孫、
なぜ苻登なんぞが苻丕様を差し置き、
勝手に皇帝を名乗りおるのだ!」
すると副官の
「苻登はすでに立ってしまいました。
ここを改めるだけの
大義名分は立ちません。
それにクソ共は跋扈しております。
宗室の中で、ヤツ以上にクソ共を
駆逐できる望みのある将が
おりましょうか?
苻懿様を推戴し、
大秦中興の事業を成すのであれば、
姚萇、
苻登めについては、
その後に考えればよいのです」
このため苻纂は苻登からの命を受けた。
また、苻纂の動きが
インパクトのあるものだったのだろう。
次々と苻登に呼応。
ついには十万をこす軍勢となった。
苻纂は苻師奴を派遣し、上郡羌の酋長、
金大黒は迎撃に出てきたが、粉砕。
五千八百名あまりを殺した。
初,長安之將敗也,堅中壘將軍徐嵩、屯騎校尉胡空各聚眾五千,據險築堡以自固,而受姚萇官爵。及萇之害堅,嵩等以王禮葬堅於二堡之間。至是,各率眾降登。拜嵩鎮軍將軍、雍州刺史,空輔國將軍、京兆尹。登復改葬堅以天子之禮。又僭立其妻毛氏為皇后,弟懿為皇太弟。遣使拜苻纂為使持節、侍中、都督中外諸軍事、太師,領大司馬,進封魯王,纂弟師奴為撫軍大將軍、并州牧、朔方公。纂怒謂使者曰:「渤海王世祖之孫,先帝之子,南安王何由不立而自尊乎?」纂長史王旅諫曰:「南安已立,理無中改。賊虜未平,不可宗室之中自為仇敵,原大王遠蹤光武推聖公之義,梟二虜之後,徐更圖之。」纂乃受命。於是貳縣虜帥彭沛谷、屠各董成、張龍世、新平羌雷惡地等盡應之,有眾十餘萬。纂遣師奴攻上郡羌酋金大黑、金洛生,大黑等逆戰,大敗之,斬首五千八百。
初、長安の將に敗せんとせるに、堅の中壘將軍徐嵩、屯騎校尉の胡空は各おの眾五千を聚め、險築堡に據し以て自ら固めど、姚萇が官爵を受く。萇の堅を害せるに及び、嵩らは王禮を以て堅を二堡の間に葬る。是に至り、各おの眾を率い登に降ず。嵩は鎮軍將軍、雍州刺史を、空は輔國將軍、京兆尹を拜す。登は復た堅を天子の禮を以て改葬す。又た其の妻の毛氏を僭立し皇后と為し、弟の懿を皇太弟と為す。使を遣りて苻纂に拜せしめ使持節、侍中、都督中外諸軍事、太師と為し、大司馬を領せしめ、魯王に進封せしむ。纂の弟の師奴を撫軍大將軍、并州牧、朔方公と為さしむ。纂は怒りて使者に謂いて曰く:「渤海王は世祖の孫にして先帝の子なれば、南安王は何ぞの由にて立てず自ら尊じたるか?」と。纂の長史の王旅は諫じて曰く:「南安は已に立つらば、中改に理無し。賊虜は未だ平がざれば、宗室の中に自ら敵に仇すを為すべからず、大王が光武を遠蹤し聖公の義を推し原すは、二虜を梟したるの後とし、徐ろに更にして之を圖らん」と。纂は乃ち命を受く。是に於いて貳縣虜の帥の彭沛谷、屠各の董成、張龍世、新平の羌の雷惡地らは盡く之に應じ、十餘萬の眾を有す。纂は師奴を遣じ上郡羌の酋の金大黑、金洛生を攻まば、大黑らは逆戰せど、大いに之を敗り、五千八百を斬首す。
(晋書115-17_暁壮)
苻纂の動きは面白いですね。苻丕にはずっと警戒され、そして苻登に合流した段に至っては、もはや野心が大炎上。これでうまく苻登が勝ち抜ければよかったんですけどね。このあと、どう苻登は戦い、破れ、破滅していくのか。
しかし例によって光武帝は引き合いに出されるのか。どんだけ苻堅サマは刷り込みにご熱心だったんだ。
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