苻丕11 苻丕、墜つ
荒くれ者三千人あまりを連れていた。
苻丕はこいつヤバない? と、
内心では拒否したいと思っていた。
ここにきて、
さあ、そうなると放し飼いとなるのが
苻纂だ。いきなり牙をむくかもしれない。
苻丕、数千騎を率いて
そこで待ち受けていたのは
後に
馮該は苻丕を迎撃、捕え、殺した。
子の
朝廷は二人の
敢えて殺さずに置き、その処遇を
西府に寄寓している
足に枷をはめられ、埋められた。
そして翌朝には斬り殺される、
という時に、
すると夜中になり、突如土が退き、
枷は壊れ、厳重な見張りの合間を、
謎の人物が誘導してくれたので脱出。
み仏の加護、というやつですかね?
ともあれ徐義は東晋の将軍、
北地の情報が欲しかったのだろう、
楊佺期は徐義を
苻纂とその弟の
苻丕の残党数万を取りまとめ、
苻丕死亡の知らせを受け、
苻丕には
苻丕の臣下たちはことごとくが
慕容永の手のもとに落ちた。
また慕容永は
そこに拠点を置き、皇帝僭称。
つまり、
苻丕の在位は、二年。
あえなく戦乱に散っていった。
初,苻纂之奔丕也,部下壯士三千餘人,丕猜而忌之。及永之敗,懼為纂所殺,率騎數千南奔東垣。晉揚威將軍馮該自陝要擊,敗之,斬丕首,執其太子甯、長樂王壽,送于京師,朝廷赦而不誅,歸之於苻宏。徐義為慕容永所獲,械埋其足,將殺之。義誦「觀世音經」,至夜中,土開械脫,於重禁之中若有人導之者,遂奔楊佺期,佺期以為洛陽令。苻纂及弟師奴率丕余眾數萬,奔據杏城。苻登稱尊號,偽諡丕為哀平皇帝。丕之臣佐皆沒慕容永,永乃進據上党之長子,僭稱大號,改元曰中興。丕在位二年而敗。
初、苻纂の丕に奔りたるにては、部下の壯士は三千餘人なれど、丕は猜し之を忌む。永の敗れたるに及び、纂に殺さる所為るを懼れ、騎數千を率い東垣に南奔す。晉の揚威將軍の馮該は自ら陝要し擊ち、之を敗り、丕が首を斬り、其の太子の甯、長樂王の壽を執え、京師に送らば、朝廷は赦し誅さず、之を苻宏に歸す。徐義は慕容永に獲わる所と為り、其の足を械埋し、將に之に殺されんとす。義は觀世音經を誦し、夜中に至らば、土は開き械は脫け、重禁の中に若かに人有りて導くかば、遂に楊佺期に奔る。佺期は以て洛陽令と為す。苻纂、及び弟の師奴は丕が余眾の數萬を率い、奔りて杏城に據す。苻登は尊號を稱し、丕に偽諡し哀平皇帝と為す。丕の臣佐は皆な慕容永に沒し、永は乃ち上党の長子に進據し、大號を僭稱し、改元し中興と曰う。丕は在位し二年にして敗る。
(晋書115-11_衰亡)
慕容永がどうして慕容垂と決別したのかがよくわからない。到底敵う相手じゃなかったろうに。とは言え慕容永って、慕容垂からしてみたら甥っ子一族を軒並み殺しつくしたクソ野郎ではあるんですよね。慕容垂からの絶縁が先だったのかなあ。
まあ、称藩が一時的な同盟にすぎなかった、ということなのかもしれませんね。というか
まぁ、この辺は結局のところ「描き出すのに一番面白い関係」をどう演出できるか、にかかる感じなんでしょう。いろんな解釈次第で物語を編めそうな感じがして良いですね。
仏教の霊験あらたかな話とか、いきなりこんなところに出現する馮該楊佺期とか、きっちり伏線を蒔いてきてくれるところがニクい。
苻丕さん、くっそ酷い環境の中、お疲れ様。来世は山奥に根を張る大木にでも生まれ変わってのんびりしてください。なお十六国春秋によれば、この時の馮該を率いていた将軍が桓石民である、とのことでした。おぉ、ここに関わって来るか。
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