第33話



シュタインクロムが巨大植物園の構造について詳しく教えてくれたおかげで、すぐにここから出てこれることもわかった。





「えっとクロムさんは、クリス伯爵とお知り合いで?」


勇之助が敬語を使い始めようとしている。


アッシュもカゲロウも勇之助が敬語で話そうとしてるので、僕らもそうしなきゃいけないんだろうか?という雰囲気が流れ出した


「かれこれ150年前に知り合って今に至るというか、昔からクリスには度肝を抜かさせることが多くて、でも数少ない友人だからな、仲良くしてもらっている。この前にクリスが久しぶりにココに来てね、どうゆう要件かと思ったら「新魔王がココを通るから色々教えてあげて」とつまり助けろと言われてね、どんな奴が来るのかと思って待機してたんだよ。そしたらさ、若いし動けるし俺の支配下を食べ始めたし只者じゃない感じが面白くてさ。だから仲間にしてほしいって思ってね、アッシュ睨まんでも」


ふふふ、クロムは優しく笑った。



「ココは強いの居ないんですか?貴方以外に」




「いるよ!俺よりは強くないけど」


クロムは即答で答えて、勇之助達に巨大植物園の地図を広げながら見せた。


「あ、洞窟なんてあったんだ!」


「ココの池ってなんかいるの?」


「クロムはどこまで戦えるの!?」




3人の問いかけにクロムは落ち着きながら答えた


「洞窟には獰猛なドラゴンさんが数体いるし、その池には獲物を待ち構えるケルピーとセイレーンとかいるかもねぇ」


「どこまでってなにが?」


たしかに何がである、何処までとは?

「あ、えーと、強さ知りたいなぁーって」


カゲロウはそう言っただけなんだけど、


「じゃあ、手合わせしようか」

っていうか手合わせ?

何故かカゲロウはクロムに護身術を教わることになってしまった。

その間アッシュと勇之助はひまだから

という理由で 例の洞窟に行く事にした。



夕方までには戻るからと言って



カゲロウは目の前のクロムをどこまで信じたらいいのかわからなかった。

オークというだけで僕らの仲間になった まだ、未知数の仲間なのだから



「詰めが甘い!」


パァンと乾いた音が聞こえたと同時にカゲロウの体は吹っ飛んだ



「推測ですが貴方が一番弱いんだと思います、強くなれとまでは言いませんがせめて、同等にはなりましょうね、テルカット・カゲロウくん?いや、テールルと、お呼びするべきなのかな?」


「おやおや?その目はやはりそうなのですね…。という事は父親は《アホンダラ》か、父親はアレですけど子供はもう少し利口にしなくてはなりませんね」



「クロムは!俺の親父を知ってるのか!?」


「ええ、だって昔旅を一緒にした仲間ですから、まああの《アホンダラ》は女にだらしない奴でしたけどとても頼りになる特攻隊長なんですよ?いまは、そうそう人狼帝国で確か王様してるんじゃないかな?まあ、君の事は少し誤算だったらしいけどね…」



「うん、知ってるかあ様が言ってた。「私は恋をしてはいけない人と恋をしてしまったって後悔はしてないって」でも、どんな人だったのか確かめたいなぁって。俺をほんとうの子供の様に育ててくれた人間夫婦と、子供達には悪いけど半狼だから」


「じゃ、《アホンダラ》にあった時ひるむことなく戦える様に強くなりましょ」


「ところで何故に《アホンダラ》なんですか?名前で呼べばいいのに」



「アイツの名前を呼ぶとな召喚してしまうからだ。アイツの話をするときは大体アホンダラと呼んでいる」



名前召喚で来ちゃうんだ…


「といっても《アホンダラ》の本名を知ってるものが言ったらだからな。この場合だと私とクリス伯爵とドーランくらいか?」


だから、稀な事がない事がないとこの場に来る事はない!


「だからアホな事考えてないで集中しろ!」


クロムさんにはなんだかんだでお見通しだったらしい




補足


シュタインクロム

名の通り先祖が不老不死、クロム自身も進化したら不老不死。

強靭な体を持っているのでどんな所でも生きていける。寡黙キャラを貫いてきたが勇之助達が来てからはかなりのお喋り。


彼は鬼ですね。

クリスとは昔良く遊んでいた友達。

年齢が変わらないのはクロム自体がが不老不死になりかけているから。つまり進化が近いということ。


ちなみに年齢は250くらい。

勇之助よりも年上だけど、同じくらいに見える、もしくは下にも見える。

魔力がない時は30くらい

ある時は15くらい変わるので、特殊人間でもある。

人間ではないか…うむ。

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