第25話 

俺たち6人は意気揚々と、ミカエルギルド長が待ってる場所まで帰ってきた。


んだけど、なぜだろう。ものすごく 機嫌が悪いみたい。

何かしたかな?



「…ほう?隠密にと、私は命令したはずでしたが、あなた達には耳という器官がないと見える」



「でっ、でも、敵の核心は付けたわけだし」


「言い訳は無用です、やはり男女で組ませたのは失敗でしたか、違うことに気を取られますからね」


ニコッと笑うギルド長のお顔は 氷山よりも高く、冷たかった。


よって、


3グループから2グループに組み分けされた。


結果的に勇之助、アッシュ、カゲロウ


リリナ、アイシャ、アオヤギ


と、なった。


ミカエルは主に勇之助からの抗議を無視し、組み分けを進めていった。

「勇之助、てめぇ。調子にのんなよ?ここでは私の世界だ。わたしの縄張りなんだよ、てめぇはまだまだ子供だ。14だってまぁまだ子供だ、それだけはわきまえろ?」


流石に、そこまで言われると勇之助も この人の言うことは聞いとこうと思うのであった。




「んで、女子は明日から 【神風ロゼット】に所属してもらう。ここはアレだ、男子禁制の女子だけの部隊だ。まあ、指揮してんのは「こんばんわ、先程は中々の手さばき見させて頂きました、でもまだ、あなた達には美しさが足りませんわ、特にアオヤギ?あなたはもう少し気品さを


アイシャあなたは 落ち着きを


リリナあなたは 貴女は もう少し拒んだ方がいいわ。貴女達には私の元で訓練しましょ?」


ミカエルギルド長の言葉を遮り上からこの女性は降りてきた。

というか、とびらから。


「よろしく、可愛い私の子羊ちゃん」



「こら!私の紹介を遮るな!ナッシュ」


「あらぁ?いたんですの?」


あ、この二人仲悪いな


その場にいた6人は確信した。


「と、いうか。ナッシュお兄様!?」


「あら?アイシャじゃなああああいいいー!!!なに?なに?私を追っかけてきてくれたわケェ?超嬉しいんですけどオォオ!お姉さまでしょおお」


あれ?なんか 野太い声したような。


「ナッシュはその、オネェだ」

頭を抱えながらミカエルギルド長がそう、いった。目は遠くを見つめている。


「あらぁー、別にそんなのいいじゃない」


と、空からやってきた オネェは高笑いをした。


衝撃な出会いであった。


彼と呼ぶべきか、彼女と呼ぶべきか いささか迷う対象。

見た目はとても綺麗なオネェ様。

中身もまあまあオネェ様。


観念したかのように、ミカエルはナッシュの元に歩み寄った。


「喧嘩している暇はないんですよ?一応ね、ナッシュにはこの3人の訓練をしてほしい。とくに、戦場に放り込まれても死なないようにしてほしい。女というだけですぐに狙われるからね」


ナッシュ・ハバムートはスクッと立ち上がり、

「わかりましたわ。ではこの3人のレディは私が立派なレディにしてみますわ、まっわたくしオネェですけど!」


「ああ、頼む」


オネェですけど!って言われた時点でのミカエルの顔はなんもも苦虫を噛み潰したようなお顔で

苦手なんだなぁ、とその場にいた6人は思ったのだ。




リリナは肩車

「おほっ!景色が全然違う~めっちゃ楽~!」


アオヤギは右腕


「ひょっ!?まさかこのまま移動とか言わないよね!?」


アイシャは左腕


「ナッシュお兄様の左腕また一段と逞しくなってますわ」


人それぞれな反応である。


「ナッシュ、おまえやるのか?」


「あったりまえじゃなーい?こんなモヤシみたいな姿で乙女3人も運べないわよ」


「そ、、そうだよな、でもさびっくりするんじゃないかなその、ギャップがありすぎて」

しどろもどろになるミカエルギルド長がなんとも不憫に見えてくる。


「はぁ、だめねぇ。むしろ女の子はこうゆうの好きな子多いのよ?」

と、ナッシュは【解除】した。


光がナッシュを包み、消えた。


「さっ、3人共!しっかりつかまってるのよ!!」


筋肉隆々なナッシュ・ハバムートがそこにはいたわけで


勇之助もアッシュもカゲロウまでもが

尊敬の眼差しでナッシュを見ることになった。



リリナは


「うわーすごいですーこれなら3人なんですお茶の子さいさいですねー」と、


アオヤギは


「すごい!やばい!」


としか言っておらず


アイシャに関しては

「あああああああああ!これ、これですよぉ~ナッシュお兄様はこれじゃなきゃああああ」


コメントしたくないなと思うほどで


「こら、アイシャ みっともない。レディでしょ?それに、元に戻ったらお兄様じゃなくてオネェ様とお呼び!」


「え?やだぁ、お兄様はお兄様だもん!オネェ様なんて呼ばないもん」

普段クールで落ち着いているアイシャのはずが身内を前にするとここまで変わるのかという感じである。


「いい加減にしないと、お仕置きですよ?デーモン閣下の庭先に置いてきてあげますよ?それとも暗~い洞窟にでも置いてきてあげましょうか?」


アイシャが震えてる


「それは、もっと嫌だ!わかったわ!オネェ様って呼ぶから許して!」


「よろしい、んもう!アイシャが駄々をこねるから出発の時間過ぎちゃったじゃない~もう!こうなったら!一瞬でいけるテレポートよおおおん!!」


と、大きなオネェ様は叫び女子3人を連れて消えた。













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