第24話

目的地に着いたのかキャラバンが開いた。


ミカエルが顔を覗かせて


「よぉし!お前らぁ!起きてるかぁ」


「おはようございます、ギルド長」

と、勇之助が答え

「おはよー」

と、リリナが言う

「起きてますわ」

と、アイシャが答え

「おっはよー!!!」

と、カゲロウが元気に答える

「おはよう」

と、カゲロウのうるささに耳を抑えながらアオヤギが答える

「おはようございます」

最後にアッシュが笑顔で答えた。



「なんか、お前ら行く時よりも仲良くなってる?」


「そーですかぁ?」


「特に、勇之助とリリナ」


「お前らの距離感おかしいだろ」


「で、ですよね!?ちょっとリリナ、勇之助さんから離れてください」


グイッと 剥がそうとするが勇之助がグイッと戻すので ビクともしない。


「勇之助、リリナにも動けるようにしてあげなさいね」


と、ミカエルは牽制した。


「だってぇー、ほらそろそろ暖は取れたでしょ?」



「チッ。名残惜しいけど しょうがない」


と、勇之助は 数時間ぶりにリリナを解放した。


「アイシャー、ただいまっ!」


「勇之助様はあれですね、やっぱりロリコンなのでしょうか?」


「勇兄はロリコンだよ。」



「そっ、そうなんですか!?」


「ロリコンってなんだ?」


「ロリコンじゃない!子ども好きなだけだ!!!」


勇之助、カゲロウ以外がそれを超えるとなロリコンなんだよ?と 思っていた。



「とりあえず、話を戻すけど。お前ら今から合戦だ!」


「合戦とは、戦いですか?誰と?」


ミカエルはにししっと笑い


「聖騎士【神風】最初の仕事はなぁ、相手側の兵士を何人か殺害する事、その後 兵士の首をここまでもって来てほしい。

はいっ、この麻袋に入れてもって来てね、グループは2人ひと組で男女混合で 勇之助、リリナを抱きしめるんじゃないよ!早いよ!

アイシャ、アッシュに引っ付かない。


ということはー、カゲロウ、お前もか。」

カゲロウはアオヤギの袖のところをチョンっと掴んでいた。


なんなの!?この子達。仲良くなりすぎなんですけど!!


「あー、ちゃんと別れたみたいだな。じゃあ、各チーム 相手側の人間を何人かヤっくるように、それと できるだけ見つからないようにがんばれよ」

隠密も試練のうちだからな





彼らが戦地に各自向かった後、


頭を1人抱えるミカエルがそこにいた。


「あああああああー!時期魔王は、見る目がありすぎるー


絶対父上と、伯爵に言えない、

初めてできた彼女がサキュバスなんて!」










カゲロウ、アオヤギチーム


西軍 中央組担当


「まったく、、殺しなんて気が向かない」

と、ぼやきながらもアオヤギは空中に数個の魔法陣を描いてゆく。


「カゲロウはさ、殺しとかどう思う?」



「ん?俺にとっては家族以外敵だから 」


「そっかー、じゃはわたしも敵なんだーそーなんだー」


「違うよ!アオヤギ達は仲間だよ!」


「知ってる。からかっただけ。さてと、カゲロウこの紙をさあの旗が立ってる所に2枚ずつ貼り付けてきてよ。カゲロウ脚早いでしょ」


「オッケー!貼り付けてたらどうすればいい?」


「わたしのすぐそばに戻ってきたらいいよ、その後魔法を使うから」


アオヤギから何枚かの魔法陣がしっかりと描かれた紙をもらい、

カゲロウは迅速の如く、戦場に駆け出した。


「ここと、ここと、後はここっと」


カゲロウは手慣れた手つきでどんどんと貼って行く。



「貼れたよっ!」

後ろから 抱きつく形で カゲロウが 終わったという合図を向けてきた。


「ちょっ?抱きつかなくてもわかるからやめなさい」


「ちぇーっ。アオヤギ柔らかいから好きなんだけど、で?この後どうするの?」


「この後はぁー、爆破します。ハイこれしてないと鼓膜破れるから装着して」

耳栓をカゲロウに渡すとアオヤギは


にっこりと やはり勇之助と、似た笑いをするのだった。


「ふんふふーん♪空に大きな魔法陣ー!これを撃ち抜けばー」


空中に描かれたまぁるい魔法陣を

アオヤギは持っていた杖で 打ち抜いた。


その瞬間、巨大な爆音が西軍を攻撃した。



多くの者達の耳から大量の血が流れでる。

それを、カゲロウは手慣れた手つきで首ごともぎ取って行く


爆音で耳が聞こえない中


悲痛な叫び声など聞こえはしない。


西のほうから 数多くの叫び声が聞こえた



ここは、アッシュ、アイシャ担当の南側



「派手にやってるようだね。アイシャ」


「そっ、そのようですわね。アッシュ様」


「僕のことは様付で呼ばなくてもいいよ?」


「わたくしが呼びたいから呼んでいるだけですわ!」


「あっそ」


「アオヤギ達も上手くいった様だし、僕らもさっさと済ませて帰るよ」


アイシャはパァッと笑顔になり


「でわ!でわ!半分こ致しましょう!」


崖の上から左右に分けられる兵士達。分けるのもアレだが。


「わたくしのとっておきの魔法を見せてあげますわ!」


イキイキしている。

昨夜はなんか死んだ魚の様な目をしていたけど。


しかし、ギルド長さん 僕らと同じ魔族だっていってたし。魔族ならなんなんだろうか。

父上みたいな上級悪魔 なのかな?

でも、年の割に若いつーか、若いな!勇之助様とあんまり変わらなかった、てゆうかリリナと勇之助様の朝の距離感どうなの!?僕よりも近いってどうなの?!


「こ、このモヤモヤした気持ち 。なんか嫌だ」


「え?」


アッシュは崖の上から大量の兵士達を見ていく、その中で何人かよ兵士達の服装が違うのを見極めた。

「アイシャ、確か 暗黒魔法使えたよね。今からできる?」


急に振られたので 言葉には詰まったものの


「大丈夫ですわ!大量の兵士達だと、うん。この魔法がいいですわ!」


と、彼女は地面に魔法陣をを一筆で描き、その真ん中を杖で叩いた。


真ん中から毒の煙が現れ

アイシャが指を動かすと、その煙は瞬く間に

下にいる兵士達の口内へと、風と一緒に運ばれていった。

神経性の毒で


徐々に兵士達は動けなくなって、動けなくなっていく


「あれ?体が動かない」


「く、苦しい…」


ドタ、バタッと 兵士達が次々と倒れいく。

その様子をだだ、黙って見つめるアイシャだったが、隣で邪悪な笑みを浮かべているというか、舌舐めずりを平気でしてる存在が気になり始めていた。


アッシュである。見た目お人形さんみたいな愛くるしい感じだが、やはり血はしっかりと受け継いでいるらしく、


「ふふふ、いいですねぇ。やはり」などと、口調までもが変化するという始末。


「さてと、僕はあの3人を狩ってきます、アイシャはここで見ていてくださいねぇ」


と、先ほどまでいた存在はもう居なくなっていた。


かわりに、下の方で


ド派手に 血飛沫がいくつも上がっているのと、

目の前の敵を倒すことに快感を覚え始めている1人の悪魔だけである。

その様子を


アイシャが ただ、呆然と その先を見つめていた。


三体の首だけを持った アッシュがご機嫌な様子で戻ってきた。

「あれ?アイシャ怯えてる?」


「あっ、当たり前でしょう!?貴方そんなキャラでしたっけ??」



「キャラなんて、勇之助さんの前では通用しないんですよ、僕は僕ですから、ふふっしかし 人間の血は綺麗で美しい、実践の時はもう少し 今度は 」

などと、先ほどまでの余韻を楽しんでいるようだが、愛くるしい顔立ちに戻った瞬間 ニコッと笑って


「さてと、アイシャ。ギルド長の所まで戻りましょう。アオヤギ達も帰ってきてるでしょうし」

と、帰るように促してきた。


「そ、そうですわね(この方の親はどういった悪魔なのでしょう?時間がある時に調べて見ましょう。というかその笑顔逆に恐ろしいですわ!!!!)」








同時刻 中央

勇之助と、リリナ


ドォォォン と、爆風と爆音が2人の髪をなびかせた


「さっすが、ハヤト センス良いじゃん」


「アオヤギちゃんもー魔力強めなんですー」


2人がいるのは 戦場のど真ん中。と、いうか 今、まさに戦っている真上の位置。


「勇之助、目立たないように行動、でしたよねー?」



「そうだっけ?アレでしょ?敵軍を 全滅でしょ?」


「全滅はさすがにーミカエルギルド長に怒られるーよ?」


チッっと舌打ちが聞こえた



「んで、どうするの?」


「まずわー、私の力でそこにいる兵士さん達をメロメロ状態に、します」


「えっ、リリナはそんな事しなくても俺が皆殺しに」



「2人で来た意味考えて」


そうなのである。二人一組なのである。


わかったという顔した勇之助はリリナを離した。


「頑張ってくるよー」

と、リリナは2つに結んでいた髪のゴムを外した。


その瞬間、幼い体型は みるみるうちに、豊満な肉体へと変わり、妖艶な 色香と魔力が真下の兵士達を包み込んだ。



サキュバスとは相手の生気を奪い取る能力を持っている。


彼女だけでも充分ではあるが



「うっわぁ、俺の天使が やばいことに!?」

子供体型が好きな勇之助にとって

リリナの変わりようは 衝撃を与えたらしいが


やはり、サキュバスなんだと自覚できたし、なにより こっちの方もタイプだと 確信した。


要するに なんでも良いのだ。リリナなら

男という生き物は。



地上から約2メートルの所でリリナは浮遊している。


「ご機嫌麗しゅう?早速で悪いのだけれど貴方たち、死んでもらいますわぁ」


さっそく、というか、何というか


先頭にいた 革命軍らしきリーダーが

「なっ、悪魔!?敵か!?殺してくれよぉ!」


と、荒れ始め


リリナ目掛けて突っ込んで来たため、リリナはやむ終えず、その人間の首から下を持ち上げ 生気を奪っていった。

首から下のみが どんどんとしぼんでいった。


最後にリリナはその人間の額に

悪魔のキスを落としその人間生命を奪ったのだ。



が、



「ちょっ!?リリナ今それに、キスしなかった!?」


上で様子を見ていた勇之助が

腹を立てて 妖艶な空気がまとわりつくリリナの腹中へと乗り込んで来たわけで



「勇之助ー。いま仕事中なんだけどー、ほら後二体必要でしょ?」



「そーだけど、リリナ。俺以外のやつに簡単にキスをするな!」


いや、これ技なんだけど。


「勇之助。これはそうゆうもんだから。サキュバスだから私」


「サキュバスだからとかじゃないだろ!?女の子でしょ?君も!」


二人の口論が始まってしまった。


取り残された兵士達。


逃げるものもいれば、

喧嘩しているのを逆手にとり攻撃してくるものも居たが、

半ば頭にきている勇之助である。


リリナと話しているのに横から茶々を入れられたらどうなるか


「暗黒魔法 樹海」


ボソッと 勇之助は言っているが、感情が不安定な分、威力も絶大なわけで、地中から無数の木の根が兵士達を次々と串刺しにしていく。


「ちょっ、勇之助やりすぎ」


「え?」

勇之助が隣を見ると地中から生えたであろう木の根に無残にも串刺しにされた兵士達の亡骸がそびえ立つ塔のように二人を囲んでいた、


「やっべ。リリナのせいだからな!あんな!格好で」


「いや、これサキュバスの正装だから。こーゆーものだから。諦めてもらうよー?」


「チッ」本日二回目の舌打ちである


「所で勇之助はー幼い体型と、この豊満ボディどっちがいい?やっぱ幼い体型?」


勇之助は、リリナならなんでも良いなという考えに先ほど至ってたので、しばらく考える振りをしながら

じっーっとリリナの豊満ボディを視姦することにした。


「俺はどっちでもいいけど。

あえてゆうなら、こっちかな。」


「あれ?勇之助ってロリでしょー?」


「だーかーらー!ロリではないって言ってんだろ!子供が好きなだけだ。それに、改めて見るとだな、こっちの方が ドキドキする。」


てっきり幼児体型!って答えられるのかと思っていた リリナは


ドキドキする。なんか言われ

顔に熱が集中してしまった。

つまり、赤面状態なのだ。





「さーてと、早く幼い方に戻ってもらうよ?そっちの姿だと、俺 我慢できそうにないし」



目が本気である。身の危険を感じたリリナはすぐさま元の体型に戻ったが


勇之助によって抱きすくめられてしまった。


それはそうと、革命軍が反乱を起こすような事は

彼らによって無かったという。




全滅とまではいかなかったが、これにより革命軍は 負けを余儀なくされた。




























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