第19話
本当に落ちて来たよこの人。
俺の隣で ニコッと笑顔をさらすこの人!
「呼ばれたので、来ちゃいました」
「俺、勇之助。んで、こいつがアッシュ」
「ええ存じて降ります。というか、上から大体見ているのでわざわざ説明しなくてもよろしいのですよ?」
と、空から落ちてきた人は 言った
「あ、そっか。じゃああんたの名前教えてくれよ」
「んー、まだ教えません。貴方達が二次試験を無事に通過したなら教えますので。取り敢えずいまは
騎士さんとお呼びください。また、あんたとか次に呼んだら勇之助さんでしたっけ?容赦無くぶっ叩くのでご承知を」
もっかいニコッと笑われた
「は、はい。失礼いたしました。騎士さん」
「よろしい」
うわぁ、勇之助様が本気で怯えてる
「あ、騎士さん。焼きあがったばっかりのお肉どうぞ!」
「ありがとう。いただきます」
と、アッシュから肉を受け取った騎士さんはもぐもぐと肉(ゴブリン)に喰いついた。すっごくワイルドな喰いつきかたで、しばらく勇之助もアッシュもぽかんとしていたけど
「おや?お食べにならないのですか?こんなに美味しいのに?」
と、騎士さんに、促され
食べ始めたのだった。
「ぷはーっ!やっぱりお肉はー力になるー!なぁ!アッシュ」
「ええ!勇之助さん!これで次に行けますね!」
「まさか、ゴブリンがここまで美味しいとは!!不覚でしたがいい経験になりました、では!私は上に帰ります!貴方達もよいですか!?ちゃんと巣穴から出て来てくださいね!?そうしないと試験通過しないから!」
と、騎士さんは俺たちに念を押した。
そんで、なんの偏屈もない 岩場に手をかけて呪文を唱えた
なんもない岩場にドアが現れた。
ガチャリと、扉が開く
「では、また。お二人とも頑張ってくださいね」
バタンと扉がしまった。
「アッシュ、凄いなこれ。もう何もないわ」
「ええ、あの騎士さん強者ですよきっと」
2人はそこで陣を取り
翌日には巣穴から外に出ていた。
外に出ると結構人が残っていた。
みんなボロボロだったりしていたけど。
数十人といったところだろうか、
見る限り腕に自信があるやつらばかりだと勇之助はおもった。
そこに、見覚えがある人影をみつけた。
どこであったんだっけ?
思い出せない、でも。あの顔知ってる
「アオヤギー!向こうで朝食配ってた!アオヤギの分も持って来たぞ」
「サンキュー」
アオヤギ?
「どうしたんです?勇之助さん」
「アオヤギ ハヤト」
あっ!思い出した。アオヤギハヤト 俺の従兄弟。歳は確か4つくらい離れてるはず、
俺は朝食のパンを食べようとしている 「アオヤギ」という人物の所まで行って見ることにした。
「?誰だおまえ、はっ!まさかおれとアオヤギの食料を奪うつもりか!?」
俺は前に出て来た なんつうか、犬みたいな少年を軽くかき分けて
パンを食べている 【アオヤギ】に声をかけた。
俺の知ってるハヤトならこれに答えてくれるはず、外したら相当恥ずかしいが、俺は決意を固めアオヤギに言い放った
「貴方が振り向く幸せは!兎にも角にも私の使命!月の果てからやって来たその名も キュアムーン!」
「?」と、アッシュは首を傾げる
「??」と、犬みたいな少年も首を傾げる
アオヤギは目を見開き
「正義の味方!太陽の果てからやって来た そうよ!私がヒーローよ!キュアサンキュー!」
「「二人揃ってあなた方の幸せ全部救います!!」」
キュアラーン(効果音)
「おおおおおっ!ハヤト!」
「勇兄!!勇兄!!まじかぁ!」
喜びを分かち合う俺たちを
アッシュと、その少年は
「えっと、どう反応したら?」
という目で見ていた。
ハモリにハモった2人の声とポーズ。
2人は喜びの余り、その場で抱擁をした。
周りが若干引く程度に、
「ハヤトおっきくなったなー」
ワシャワシャ
「勇兄こそー、やばっ!今日1番嬉しいー!」
「あ、あの」
「どうした?アッシュ」
「そちらは?」
「あっ、これ。俺の従兄弟のアオヤギハヤト!」
これ!と言われたハヤトは
「はじめまして、俺はハヤトって言います。まさか、こんな異界で勇兄に、会えるなんて!まさに感動だよぉぉぉー」
「従兄弟、なんですね。僕は勇之助さんと共に行動しています、
術者兼右腕のアッシュと、言います。以後宜しくお願いしますね」
やや、トゲトゲしい雰囲気が流れた。
「おれっ!おれはー
リュードって言います!!
俺10だから!宜しく!」
犬みたいな少年はリュードと言うらしい。
トゲトゲしい雰囲気を、和やかに彼はする。
なかなか、いい少年だ。
この子興味があるなぁ。
「ねぇ、リュード」
名前を呼ばれたリュードは
なになに?っと言う感じで駆け寄ってくる
うわ、可愛い!
「あっ、勇兄の悪い癖が」
「えっ?悪い癖?」
「勇兄さ、顔も性格もいい方だと思うんだけどさ、アレだけは治んないんだよなぁ アッシュはさ
15だから、そこまで被害受けてないと思うけど、見てみあれ」
アッシュはハヤトの指の先をみた。
10歳のリュードにメロメロな勇之助を見ることになった。
「リュードは、すごいなぁ。10才のにこんなに素早く動けるんだね!よぉし!ご褒美あげよう!」
「本当!?欲しい欲しい!」
勇之助がリュードにキャンディをあげている。
顔が緩んでる。 うわぁ、イケメンが台無しやぁ。
母の事を思い出している
父のようだと 再確認した。
「やっばいですね」
「やっばいだろ?」
アレさえなければイケメンで自慢の従兄弟なんだけどねーとハヤトはぼやいた。
「まあ、俺もこの歳になって解放されたと言うかなんと言うか、勇兄にやっと彼女ができて この癖も無くなったかと思ってたのに、その彼女とも異世界に行く前に別れたって言うし、んー、勇兄に新しい彼女を作っていただくしかないなぁ」
彼女?
「あ、彼女って言葉しらない?」
「ええ、どうゆう意味で?」
「まあ、恋人ってことかな?」
「ええっ!勇之助さんはそのような方がいたんですか?ずっとモテないからって仰っていたのに?」
「んー、そうなんだ。勇兄は昔から子供が好きでさー、俺も幼い頃酷い目にあってたけど、今思うといい思い出かなぁー」
「ところで、ハヤトさんは何故男みたいにお喋りになるんですか?」
「ゲホッゲホッ」
ちょうど水を飲んでいたので盛大にむせた
(あれ?違ったかな?)
「アッシュいつから?」
「あった時からですが?」
あった時からかよ!?
「アッシュー!この子めっちゃ可愛いよー!連れて帰りたい!」
「さすがにそれは、ちょっと」
「アッシュどうしたー?あっ!もしかして、アッシュぅーハヤトの事気になっちゃってんの?ハヤトは俺の自慢の従姉妹だからなー。
可愛いだろ!」
「まさか、女性とは」
「ハヤトは結構ガサツだからなー、でも容姿もなかなかだぞ!
俺のタイプではないがな!」
あっさりと 振ってるー!
「まあ、勇兄はそんなんだよ、アッシュもさ気持ち悪くなったらいつでも声かけろよ!」
「うん、もう既に気持ち悪いからしばらく一緒に居て」
「わかった、じゃあさ4人で最終ゲートまでいこっか。通ったら合格だから」
と、4人で 最終ゲートを通った。
聞き慣れた電子音が聞こえた。
アオヤギハヤト 異世界に飛ばされた田中勇之助の従姉妹。サバサバした性格で結構しっかりしている。
勇之助に淡い恋心を抱いていた時期もありました。
しかしあの子供大好きぶりを目の当たりにしてから一気に恋は覚めたのです。
彼女の家庭は少し家庭内暴力が絶えない家庭で父親に暴力を振るわれる最中に死亡。
死神さんに命を払われてそのまま異世界に飛ばされた感じです。
一緒にいた少年は、犬系統の魔人さん。
見た目が可愛いので保護欲に負け、一緒に行動してました。
勇之助の年齢 14
アッシュの年齢 15
アオヤギの年齢 13
リュードの年齢10
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