第15話 そうゆう事もある。

俺の名前はシュアート現在22歳 彼女大大募集中!!!


気になる存在 が、今!俺の所属しているギルドに新しくきた【サモナーのマリア】にゾッコン中!この世の人間とは思えないほど 綺麗で、美人でなんであんな田舎に居たのか今でもわからない。


躊躇して、なかなかギルドに来なかった彼女を騙し、連れてきたのは 悪かったと思うけど、いいじゃん!あんなところに 1人で居るよりも 俺も一緒の方が何倍も楽しいんだから!(主に俺が)



「シュアート、その子無理に連れてきていいんですか?」



「大丈夫!」



「シュアート、その子 何処かの令嬢かもしれませんよ?」


「大丈夫!」



他のギルドの人たちは無理矢理連れてきたことを知ってるので、やや困惑してる感じではあった。




「すみません。やっぱり私 戻ります」



ギルドの人たちの心を読み取ったマリアは気を利かせて 逃げ道を作るが、



「だ、駄目だよー、あんな田舎に戻るなんてぇ」

と、シュアートによって遮られてしまう。



しかし、マリアは強く出ることにした。



「ごめんなさい、私 結婚してるの!息子も居るし!」



「ちょっ!シュアートこの人既婚者じゃん!何勝手に連れてきてんの」



「違うだろ、結婚してたら弟とと一緒に住んでないだろう?それに息子なんてものは居なかった」



それ、息子なんですけど。


「それに、何年もこんなに美しい人を一人ぼっちにしているなんて!そんな奴 夫ではない!!」


「あの人の悪口は言わないでもらえます!?」



先程までのお淑やかな喋り口調が少し変わったような、

「確かにあの人は あまり、帰ってきませんが愛のある人ですし、息子も居るのでそこまで寂しくは無いといえば嘘になりますが、でも貴方にあの人の何が分かると?1ヶ月しか滞在していない貴方に?」


どうやらマリアのお怒りに触れたようだ。



「そ、そんな気を立てるな。しかし俺の方が何倍もいい男だと思うのだが?」


「シュアート、貴方は確かにいい男です、でもあの人と比べることは所詮人間ですから、無理ですわ」


なっ、全否定された!?この、カッコいい俺を!?


「それに、それ以上あの人の悪口を言うおつもりなら、貴方に明日を見る事はなくってよ?」



さっきよりも強めのにっこり笑顔が 美しいはずの顔をより一層怖く見せていた。



「くそっ、力づくでも俺の女になってもらう!」



シュアートがマリアの腰に手を当てた瞬間 バチバチッと静電気が発生した。



「いっ!?負けねぇ俺は負けねぇ」


静電気が発生している中 シュアートは更にマリアを近くに引き寄せる そして、痛みにも耐えながら


マリアの柔らかそうな唇に触れようとした 瞬間、



立って居られないくらいの殺気と、竜巻が

シュアートと、マリアの間に無理矢理割り込んできた。



「し、自然現象!?んなわけないよな!俺の俺のマリアは!?」



その、竜巻の最深部から


「あなたのマリアでは、ないので」


と言う 男の 怒りに満ちた声が聞こえてきた。



「まさか。クリスなの?」


マリアは歓喜の声を上げた。

「マリア、大丈夫ですか?汚らわしい人間に触られて、ああ、私の大切なマリア、唇まで奪われそうになって、アッシュが教えてくれなかったら、今頃私は どうなっていたんでしょうねぇ」

完全にお怒りにモードな クリスである。


「クリス、アッシュに会えたのね?良かった、と言う事はアッシュ ったらちゃんと役目果たしてくれたのね、帰ってきたら ご褒美あげなくちゃ!」



「え?え、っと マリアさん?」



「あら、クリスの竜巻を当てたのに気絶してないわ」


「竜巻だけじゃ、気絶はしないよ、マリア。というか、そんなもので気絶されたら私の怒りも収まらないよ」



「クリス、その勝手に外に出てしまってごめんなさい。とっても暇でとっても寂しかったの。ちょうどそんな時 お誘いがあって つい、付いてってしまったの、だから、命だけは、救ってあげて?

シュアートは自惚れで調子がいい方だけど、決して悪い人ではないわ?


それに、私が生涯愛して居るのはクリスだけ、だから。お願い」




「むう。そこまで言われると 何も返せないな、まあ、殺害する目的で来たんじゃないし、ちょーっとお灸を据えるつもりだっただけだし、わかった。


おい、そこの人間、私の大切な妻にうつつを抜かしたのは いけ好かないが、二度と近づかないと、言うならば 今回の事は許してやってもいい」




「つ、つま?」



「シュアートさん、やっぱり彼女既婚者では、ないですか」



「人間?」



「それに、このおびただしい量の殺気、私が魔族じゃなかったら

気絶か、死んでましたよ?」




「お前、エルフだな?」


「すぐにわかるとは。貴方様は

口に出すのも末恐ろしい。


けれどもここに居る シュアートにわかるように今は言います、

シュアート、この方はね、


魔王様の 1番配下 デーモン伯爵 という、魔族の間では 雲の上のお方みたいなものだよ。


そんで、このマリアさんはデーモン伯爵の奥さん。


たしか、むかし 悪魔と人間の女が祝言をあげたって聞いていたけど、目の前の方だったとは。



シュアートを見てみれば、あっこれ納得してない顔してる。



「いやいや、わかんないし、意味不明だし、俺は認めねーぞ!

俺の方がマリアに等しいわっ!こんの!悪魔!マリアを離せ!」



ドゴッ



隣にいたエルフが ややキレ気味にシュアートを攻撃した。



入ったところが悪かったのか効いたのか、シュアートはその場に崩れ落ちた。どうやら彼は気絶したようだ。


そのあと、そのエルフとギルドの人たちが一斉に


「ほんと、申し訳ありませんでした!!!命だけは!命だけは!」と

懇願してくる。



「大丈夫よぉ。貴方たちは悪くないもの、悪いのは全部彼なんだから」


「いまの攻撃中々良かったぞ。お前が攻撃しなかったらこいつの命は無いものだったしな、二度はないって言ったはず、でしたし」あははは~と爽やかに笑って居るが 笑い事じゃない。



「それに今回の件は私が原因だし、貴方たち 人間とエルフのギルドになのね?何かお礼したいわ?」



「では、エルフは種族ランク上げとくか。3ランクくらい。


人間も、基礎魔力上げとくか。あと、絶対魔物に襲われても逃げ切れる 守護札つけときましょう」



「ありがとうございます、ほんとほんとうに、ありがとうございます、シュアートには全部夢だと思わせるようにしときます。」





そう言ってシュアートが所属しているギルド

【エラーファーム】は何回も何回もお辞儀しながら クリスとマリアのあとを立ったのだった。


















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